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MW-ムウ-

2009-11-09 | 邦画(ま・や)
 MW-ムウ-
 


  あらすじ 
16年前、ある島の島民全員が死亡する事件が発生。
その事実は、政府の手で一夜のうちに闇に葬られ、事件は
忘れ去られるはずだった。だが、惨劇のすべてを目撃して
いた2人の少年が、神の悪戯で生き残っていたのだ…。
そして現在。地獄を見た少年の1人・賀来(がらい)は、神の
道に救いを求め、教会の神父に。そしてもう1人の結城は、
自分の壮大な計画を遂行するためなら、人殺しもいとわない
美しきモンスターになっていた。事件を隠蔽した関係者に
近づき、次々と地獄へ突き落としていく結城。果たして彼の
本当の目的とは…!?

【出演】
玉木宏
山田孝之
石田ゆり子
石橋凌
山本裕典




  感想  ※ネタバレ注意

手塚治虫“最大の禁忌”と呼ばれた問題作を、実写映画化。
表向きはエリート銀行員だが、裏では罪を罪とも思わず残忍な
復讐を繰り返していく結城を、玉木宏。
そんな結城と経験を共にし、彼の苦しみがわかるからこそ彼を
止められずに苦悩する神父・賀来役に、山田孝之。



映画化にあたって原作にある重要視されている部分が削られて
しまっているので、どこに要点を絞って観ていいのか難しい。
原作は原作、映画は映画と言うならこの映画は『MW-ムウ-』
じゃなくて良かったと思う。
この映画に出てくる結城という人間性”悪魔”のような男だけが
描かれている。

映画冒頭のタイでのシーンに力を入れているのはわかるんです
があまりに長い‥ここで結城が警察相手にどれくらい戦えるのか
見せたいのか、もっと短くて良かった。

それから削られた同性愛の部分だが、結城との間で揺れ動く
姿もそこまでなく賀来のいる存在性が薄いように感じるし、
神父である必要もない。
結城との結びつきも島の生き残りというだけで、MWから守って
くれたかもしれないが、そのせいで悪魔のような人間になった
のなら、それから何のメリットも生まない彼は結城を知る人間
として、真っ先に消されてもいいような設定になってるような気が
まぁそれでなのか、途中海に捨てられてたようなシーンがあった
けどw
でもそれはこの原作において、一番やってはいけないタブー
だったのではと思う。

最大の禁忌と呼ばれた問題作を映画化とされてるが、全然
そんな要素は排除しているし、これくらいの実写化なら
いつでも出来た内容だろうと思う。
もしこのキャストでその部分を削らなければ、それこそ
邦画史上観たことのない映画になったかもしれない。


【評価】
 (3.5点/5点満点中)

 MW-ムウ- HP