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Cinema Cafe ~シネマ・カフェ~

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どうぞ、ごゆっくり

トイレット

2011-06-05 | 邦画(さ・た)
 



  あらすじ 
北米東部。とある企業の実験室に勤務するレイは、誰とも
深く関わらないことを信条に生きてきた。彼の唯一の趣味
は、ロボット型プラモデルでのひとり遊び。ところが母の
葬儀の直後、ひとり暮らしのアパートから、レイはやむなく
実家に舞い戻るはめになる。
そこには、引きこもりのピアニストの兄モーリーと、ちょっと
勝気な大学生の妹リサ、猫のセンセー、そして“ばーちゃん”
が暮らしていた。
ばーちゃんは、彼らの母親が亡くなる直前に日本から呼び
寄せた3兄弟の祖母。英語が全く話せないばーちゃんは自室
にこもりきりで、トイレから出てくるたびに深いため息を
つく。そんなある日、以前母親が使っていた古いミシンを
見つけたモーリーは、「布を買いに行きたい」と、ばーちゃん
に訴える。
心の病のモーリーは4年間、外に出られずにいたのだ。

【出演】
アレックス・ハウス
タチアナ・マスラニー
デイヴィッド・レンドル
サチ・パーカー
もたいまさこ




  感想  ※ネタバレ注意

様々な問題を抱える家族が、それを乗り越えていく姿を描く
「めがね」の荻上直子監督作。
監督自身のオリジナル脚本で、全編カナダで撮影。唯一の
日本人キャストとなる「プール」のもたいまさこを始め、
映画初出演のデイヴィッド・レンドル、「西の魔女が死んだ」
のサチ・パーカーらが出演する。



『かもめ食堂』等で人気の荻上直子監督が5年の構想を経て、
脚本を書き下ろした。自らが映画を学んだ北米を舞台に、
問題を抱えた一家を温かく描く。

日本の映画でありながら、全編英語で展開されるし、吹替えも
ありません、それでも3人の兄弟とばーちゃん、センセー
との小ネタの効いたシュールな展開と、言葉は通じなくても
家族という絆を丁寧に描けていたと思う。
こういうあたたかみのあるシュールさを描かせたら、この監督
はピカイチだと思う。

登場人物は、人とのコミュニケーションが苦手なレイが
実家に仕方なく帰ってくるところから始まる。
その実家には勝気な性格の妹のリサ、ひきこもりの天才
ピアニストの兄、モーリーそして、母の祖母にあたる
ばーちゃん、そして猫のセンセーがいる。

この登場人物たちがみんな丁度いい塩梅で、後々に効いてくる。
特にばーちゃん役を演じたもたいまさこは、劇中ほとんど
話さない。
初めは少し、もうちょっと子供たちと歩み寄れないものかと
思ってしまうが、その不器用さも観ているうちに良くなって
くるから不思議だ。
後、レイの同僚が何かにつけて、女性に飢えているところ
とか面白かった。



物語の展開としては、盛り上がりに欠けるかもしれないが
この監督の映画にそれは望めないだろうし、何より現実世界
の中では意外にも日常生活の中でしか、家族の絆の再認識は
確認されるものなんだと思う。
レイとばーちゃんが餃子を食べた後、たばこを吸うシーンや
葬式の後、トイレで初めてウォシュレットを体験したレイが
涙するシーンなど、じんわりと胸に響く。

そういう意味でも、すごくゆったりと有意義な時間共有が
出来る映画でもあるので、休みの日にゆったりと観ることを
おすすめします。ボクは結構、気に入りました☆


【評価】
 (4.2点/5点満点中)

 トイレット HP

さんかく

2011-03-22 | 邦画(さ・た)
 


  あらすじ 
カスタムカーが趣味で釣具ショップに勤める30歳の百瀬と
、29歳化粧品販売員の佳代は同棲して2年。
付き合いたてのラブラブ感はなく、特に百瀬は佳代と関係
にマンネリを感じ、態度や言葉の節々が無愛想になっていた。
そんな二人の家に、佳代の妹で中学三年生の桃が夏休みを
利用して転がり込んでくる。天真爛漫な桃は、下着同然の
部屋着姿でうろついたり、百瀬に耳打ちしてきたりと百瀬
を翻弄、佳代がいるにもかかわらず百瀬は桃に惹かれていく。
二人のおかしな空気を感じてか、佳代は桃に釘を刺すが、
桃は「もしかして嫉妬?」としれっとするだけであった。
夏休みも終わりに近づき、桃が実家に帰る前の晩、桃がいなく
なるせつなさで百瀬は思わず桃を抱きしめてしまう。
さらにその夜、眠れずにトイレに立った百瀬と起きてきた
桃は自然とキスを交わすのだった。桃が実家に帰ってからも
、毎日のように桃のことで頭がいっぱいになっている百瀬は
ある日、佳代に別れを告げて家を飛び出してしまう。

【出演】
高岡蒼甫、小野恵令奈、田畑智子
矢沢心、太賀、赤堀雅秋




  感想  ※ネタバレ注意

倦怠期気味の同棲中カップルの部屋に、彼女の妹が転がり
込んだことから、二人に翻弄されていく男の姿を描く恋愛
ドラマ。監督・脚本・照明は「純喫茶磯辺」の吉田恵輔。



同棲中の彼女の妹に翻弄されてしまうダメ男・百瀬を高岡蒼甫
が演じ、そのダメ彼氏にフラれた後も彼氏が忘れられず、彼氏
に迷惑ばかりかけるダメ女を、田畑智子が、そんな2人を小悪魔
的に翻弄するこの妹もまた、ダメ女なのだがそんなダメダメ3人
が、ダメダメに展開する、ダメダメな映画だった(笑)。

高岡蒼甫があんなダメ男を演じるとは、新鮮でした(笑)。
ダメ男を通り越して、観ていてイタイです(苦笑)。

まず乗ってる車ですが、自分の顔写真のフィルムがデカデカと
はっていて、後輩からはどうしようもない先輩として扱われる
高岡蒼甫(笑)。
妹が好きになってしまい、毎晩、妹の携帯に留守電を入れまくる
高岡蒼甫(笑)。
終いには、実家の家まで押し掛けて、妹の彼氏にボコボコに
される高岡蒼甫(笑)。

笑ってばっかりだけど、こういう恋愛って意外と現実的っていうか
そのうちのどれかは誰もが経験してそうな内容だけに、そういう
意味ではリアルかも。

あっけなくフラれた佳代にしても、百瀬への思いを断ち切れずに
百瀬に迷惑を掛け、とことん自分を追い詰めていく、その中で
佳代の親友が完全にマルチ商法にどっぷりで、佳代自身、すがり
つく思いで、どんどん悪いところにいくのは、何だかこちらも
リアルなのかもね。

そんな2人とは対照的に、佳代の妹・桃は知らん顔。
佳代が怒りたくなる気もわからんでもないけど、現実は映画の
ようなドラマチックな展開ではない、ある意味リアルな恋愛模様
を楽しめる(?)かもしれないです(笑)。




【評価】
 (3.8点/5点満点中)

 さんかく HP

ちょんまげぷりん

2011-02-22 | 邦画(さ・た)
 ちょんまげぷりん

  あらすじ 
遊佐ひろ子は、子育てと仕事の両立に悩むシングルマザー。
やんちゃ盛りの1人息子、友也とわがままなクライアントに
挟まれ、生活費も値上がり。四苦八苦の毎日を送っていた。
冴えない毎日にストレスを溜め込んでいたある日、着物に
ちょんまげ姿の男に出会う。その男の名は木島安兵衛。
180年前の江戸時代からやってきた本物の侍だった。なぜ、
現代の東京にやってきたのか安兵衛自身も訳が分からず、
江戸から東京、街の激変ぶりにただ呆然とするばかり。
帰る方法は見つからず、行く当てもない安兵衛は、成り行き
で遊佐家に居候することに。すると安兵衛は、恩返しに遊佐
家の家事すべてを引き受けると宣言する。初めは俳優か頭の
おかしい男だろうと思っていたひろ子も、一生懸命に家事を
こなす安兵衛の姿を見て考えを改める。
現代では見られない筋の通った男らしさは新鮮で、ひろ子は
安心して仕事に打ち込み始める。父親不在に慣れていた友也
もひろ子同様。大人の男と一緒に暮らして守られたり、キチン
と叱られたりする安心感を初めて知るのだった。
このまま3人でずっと暮らしていくことを考え始めた頃。
秘められていた安兵衛の才能が開花する。それはお菓子作り。
刀をナイフに持ち替え、パティシエとしての実力を認められた
ことで、3人の間に築かれた微妙なバランスが崩れ始める…。

【出演】
錦戸亮、ともさかりえ
今野浩喜、佐藤仁美
鈴木福、忽那汐里
堀部圭亮、中村有志
井上順



  感想  ※ネタバレ注意

「アヒルと鴨のコインロッカー」、「ジェネラル・ルージュの凱旋」の
中村義洋が、荒木源の同名小説を映画化。
江戸時代からタイムスリップしてきた侍が、母子家庭に居候して、
パティシエとしての才能を開花させる。



江戸時代から現代の東京にタイムスリップした侍・木島安兵衛を
錦戸亮が演じ、その侍に巻き込まれるシングルマザーをともさか
りえが演じた。

江戸時代の厳格な男性が現代にやってきた時、世の男や女または
教育から社会まで…それらを見た時にどのように映るのか。
昔から、男は外向きの仕事、女は家内の仕事と決まっていると
主張する安兵衛だが、居候の身ゆえに内向きの事をこなすことに。

この原作の面白いところは、そんな侍に家事をやらせ、さらには
料理の世界、パティシエになるというんだから面白い。

そんな江戸時代の武士と現代とのギャップから、子供とカード
ゲームをする武士や、コメディタッチに、ほんわかと進みます。

ただ、原作の安兵衛と映画の錦戸亮では少し違うかな。
原作ではもっと、武士らしいし、ちょっと頑固。
映画では、錦戸亮が演じたからか少し柔らかい感じだった。
しかしその分、原作ではあまり描けなかったひろ子との恋のお話
などが、十分に盛り込まれていて、映像としては楽しめました。
そういう意味では、原作が好きな人も楽しめると思います。

作品に登場するケーキや焼き菓子などは、甘いもの好きのボク
にはたまらない内容でした(苦笑)。




【評価】
 (3.8点/5点満点中)

 ちょんまげぷりん HP

シュアリー・サムデイ

2011-02-02 | 邦画(さ・た)
 



  あらすじ 
女の子にモテたい一心で文化祭に向けて必死でバンドの練習を
続けてきた男子高校生、タクミ、キョウヘイ、カズオ、ユウキ、
シュウト。だが学校の都合で突然、文化祭の中止が決定。
5人は抗議と文化祭復活の願いを込めて教室を占拠する。
だが、ハッタリのつもりで持ち込んでいた爆弾が誤って爆発
してしまう。学校爆破犯のレッテルを貼られ、5人は退学させ
られる羽目に。その後は、勘当、引きこもり、しまいには親の
自殺と、全員が見事に坂道を転げ落ちるような転落人生。
明るい未来なんかあるはずない…。そう思い込んでいたある日
、ヤクザ稼業に身を落としたカズオのせいで大事件が勃発する。

【出演】
小出恵介、勝地涼、鈴木亮平、ムロツヨシ
綾野剛、モト冬樹、原日出子、遠藤憲一
山口祥行、高橋光臣、須賀貴匡、高橋努
笹野高史、井上真央、阿部力、大竹しのぶ
津田寛治、妻夫木聡、上戸彩、小西真奈美
横田栄司、竹中直人、岡村隆史、吉田鋼太郎
小栗旬




  感想  ※ネタバレ注意

「クローズZERO II」などで活躍する俳優、小栗旬の初監督作品。
高校時代に学校を爆破して退学させられた5人の若者が、人生の
復活を賭けた最後のチャンスに挑む青春エンターテイメント。
「風が強く吹いている」の小出恵介、「少年メリケンサック」の
勝地涼、「のんちゃんのり弁」の小西真奈美など豪華出演陣が
顔を揃える。



あの小栗旬の初監督作品、自分の通う学校をしょうもない理由で
爆破しようとして退学させられた5人の若者が、3億円を奪われた
仲間の為に奮起する姿を面白おかしく描く。

構想9年、俳優として人気の高い小栗旬が、初監督した作品だが
さすがにすべてがうまくいくわけでもなく…バカで青臭い青春と
ちょいエロの荒削りだけど、それなりに楽しめる作品です。


チョイ役で出演している色んな役者も見れるのは面白いですね。
岡村隆史や大竹しのぶ、井上真央…監督の小栗旬と妻夫木聡など
小栗旬の顔の広さというか、それだけ名が売れてるということで
しょうか。ちょっと多すぎるような気が…。

青春おバカ映画なので、最初から最後までノリは小学生並みです
役者が何だかガチャガチャしてる感は否めない。
スピード感は感じられるのですが、物語の展開にムダが少し多い
ように感じられました。
例えば強盗するまでをもう少しはやめに展開して、そこからの
5人の動きを面白おかしくしてくれた方が楽しめたかもです。




【評価】
 (3.8点/5点満点中)

 シュアリー・サムデイ HP

劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル

2011-01-30 | 邦画(さ・た)
 



  あらすじ 
最強の霊能力者が村人を治める、因習に閉ざされた山村。
“カミハエーリ”と呼ばれるその霊能力者が亡くなり、次代の
カミハエーリを選ぶため、村では古くからの掟に従い全国
から霊能力者を集め、「霊能力者バトルロイヤル」が開催
されることになった。
妖術を使う男・鈴木玲一郎、カミハエーリの末裔・中森翔平
時間移動の女・高階美代子、不死身なお人・伏見達郎、未来
が見える女・村尾園子、踊る霊媒師・相沢天海らが参戦
する中、優勝者が手に出来るという財宝をせしめようと、
自称・超絶美人霊能力者の山田奈緒子も現れる。
さらに、愚かな風習をやめさせるために物理学者・上田次郎
が、招かれ渋々やって来る。生死を賭けてトップを競う、
恐ろしくも馬鹿馬鹿しい闘いがいま幕を開けた…。

【出演】
仲間由紀恵、阿部寛
生瀬勝久、野際陽子
松平健、佐藤健、夏帆
藤木直人、片瀬那奈
戸田恵子、平泉成




  感想  ※ネタバレ注意

自称・売れっ子マジシャンの山田奈緒子と、ガンコで騙され
やすい天才物理学者・上田次郎のコンビが超常現象の謎を
解き明かすドラマシリーズ『トリック』劇場版第3弾。
監督は「20世紀少年」シリーズの堤幸彦。



「お前たちのやってることは全てお見通しだ!」

ドラマから映画化し、それも第3弾にまでいくのは、トリック
がいかに人気の高い作品かがうかがえる。
今回の舞台は、万練(マンネリ)村という、いかにもな場所で
カミハエーリという村を支えてきた霊能者の継承者を選ぶべく
全国から集めるのだが…。

さすがに3弾とまでいくと、村の名前じゃないけどマンネリ化
はいなめないかな…。
貧乳に巨根ネタ、OK牧場ネタに、はじめて観た人は?マーク
のガッツいしまっ虫に至っては、3弾なんだから説明がないの
か、シュールなギャグネタもマンネリ化で、ラストまで人間
関係に特に進展もないままに終わるのは残念かな。

キャストは面白かったです、中々見ることは出来ない藤木直人
の王子様ファッションや上様の半分パロディ的な役をこなした
松平健は良かったかな、

こういうシュールな作品は現在となってはたくさん排出されて
るので、特に目立った感じではないです。
でも、ファンの人には変わらないトリックをまた観れるのは
嬉しいかもしれません。




【評価】
 (3.8点/5点満点中)

 劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル HP

シーサイドモーテル

2011-01-24 | 邦画(さ・た)
   


  あらすじ 
山奥の寂れたモーテル“シーサイドモーテル”。午後6時、103
号室でうたた寝していたインチキ美容クリームのセールスマン
亀田雅之の携帯が鳴る。電話の相手である社長に無理なノルマ
を課された亀田は、自分はこの仕事に向いていないのではないか
と思い悩む。そこに、コールガールのキャンディが入ってくる。
部屋を間違えたキャンディは、亀田相手に商売をしようとする。
一方、亀田も彼女にクリームを売りつけようとする。
キャンティの料金とクリームの値段がチャラであることから、
亀田は試しに彼女の脚にクリームを塗る。
キャンティは、一緒に逃げようと亀田を誘う。午後5時55分、
202号室では、朝倉陽一と二宮留衣が、ピザの配達を待っている。
到着したピザを受け取ろうとすると、ピザ屋の後ろから金融会社
の相田敏夫と舎弟チー坊が現われる。賭場で3000万の借金を踏み
倒して逃走した朝倉を追ってきた2人は朝倉にヤキを入れるため
伝説の拷問職人ペペを呼んでいた。

【出演】
生田斗真、麻生久美子、山田孝之
玉山鉄二、成海璃子、古田新太
温水洋一、小島聖、池田鉄洋
柄本時生、山崎真実




  感想  ※ネタバレ注意

岡田ユキオのコミック『MOTEL』を映画化。
山奥の寂れたモーテルに偶然集まったワケアリ男女の人間模様を
豪華なキャスティングのアンサンブルで描く群像劇。



海もないのに“シーサイド”と名付けられた山奥の小さなモーテル
を舞台に、偶然集まった11人の男女が繰り広げる運命の一夜を描く。


1つの舞台でのみ繰り広げられているという設定にこの配役を
観ていると、どうしても期待せずにはいられないのですが
物語はそこまでキャッチコピーにあるようなダマされるとか
ダマしてるとかでもない。ボクが想像してたような展開では
なかったので、役者が面白いだけに、何だか非常に勿体無い気が
しました。

それは、4つの部屋の展開のつながりは多少あるが、演じた役柄
たちの直接的なつながりが、ほとんど無いからかもしれない。



インチキセールスマンとコールガールの掛け合いや、スーパー
の社長の女装した意味と朝倉と相田が賭けをするシーンとか
それでも役者たちは面白可笑しく演じてくれてるので楽しめる。
正直、キャバクラ嬢と常連客はいらないと思いました。

ラストの海辺のシーンでは、ボクとしてはあの2人には”本物”
を手にしてほしかったかな、作品を通して救われた人が誰も
いないのが気になったもので。

ボクとしてはこの作品は、役者たちの演技で楽しんでもらえ
たら良いんじゃないかと思います。
麻生久美子のコールガールも見れましたし、山田孝之のこういう
役も面白いですし、古田新太の怪演っぷりはさすがです。




【評価】
 (3.8点/5点満点中)

 シーサイドモーテル HP

食堂かたつむり

2010-12-26 | 邦画(さ・た)
 



  あらすじ 
料理店のアルバイト・倫子が仕事から帰ると、同棲中のインド
人の恋人と家財道具が消えていた。倫子は、シングルマザーで
スナックを営む母・ルリコを嫌い、10年前に東京の祖母の家に
移り住んだ。そこで料理の手ほどきを受け、自分の店を持とう
と修業を積みながら貯金してきた。祖母も亡くなり、恋人にも
裏切られた倫子は、ショックで声が出なくなる。
倫子は仕方なく実家に帰る。ルリコはペットの豚・エルメスを
溺愛しており、一文無しの娘を助けようともしない。スナック
の常連客で会社社長のネオコンとの関係も続いているようだった。
倫子は村の農夫・熊さんの手を借り、実家の物置を改造して、
食堂かたつむりを始める。その食堂は、お客は1日1組、決まった
メニューはない。事前のやりとりでイメージを膨らませて、
その人のために料理を作る。倫子の料理は、客たちに不思議な
変化をもたらしていった。

【出演】
柴咲コウ、余貴美子
ブラザートム、田中哲司
志田未来、満島ひかり
江波杏子、三浦友和




  感想  ※ネタバレ注意

女性読者の支持を集め、26万部を超えるベストセラーとなった
小川糸の同題小説を映画化。
失恋が原因で声が出なくなってしまった倫子を柴咲コウが演じ
その母を余貴美子が演じた。



自分の夢の為に貯めた貯金と恋人にそれを奪われて、頼らない
と決めていた実家へ戻ることになった倫子。
そんな倫子が実家で、食堂を開くことに…。

原作は読んでいないんですが、原作に忠実に映画は作られて
いるとのことですが、いまいち話の内容がよくわかりにくい
部分が多いでした。

倫子の作る料理を食べると幸せになるという内容は面白いん
ですが、あのエキセントリックな母親とのやり取りなどを
みているだけでは、その内容に意味を持たせにくいような
気がします。説得性に欠けるというか…。
そもそも倫子の配役に柴咲コウが適していたのか微妙です。

料理もあんまりおいしそうに見えないのも残念かな。
「南国料理人」や「かもめ食堂」のように、本当においしく
見えたり、観終わった後にご飯が食べたくなるような、
食べることが幸せと感じれる映画ではないです。

どちらかというと最後の料理もショッキングな内容で、
ダークジョーク系と時折映像に出るアニメーションから
ポップな内容ですかね。




【評価】
 (3.8点/5点満点中)

 食堂かたつむり HP

さまよう刃

2010-12-07 | 邦画(さ・た)
  



  あらすじ 
残虐な犯罪を続ける少年犯。彼らは“少年法”に保護されて
いる。最愛の娘が、少年達によって、凌辱され殺された。
ある日、謎の密告電話により、失意のどん底に落ちていた
父親・長峰重樹は、犯人を知ることになる。
「我が国の法律では未成年者に極刑は望めない!」復讐が何も
解決しない虚しい行為だと分かっていながら、父親は自ら
犯人を追う…。
そして、長峰を追う2人の刑事。織部孝史と真野信一。被害者
の絶望は、永遠に消えない。そして、少年達は犯した罪と同等
の刑を受けることはない。
法律を守る。という建前の正義を優先する警察組織に、不条理
さを感じる刑事たち。それぞれが苦悩しながら、事件は衝撃の
結末に向けて、加速していく…。

【出演】
寺尾聰、竹野内豊、伊藤四朗
長谷川初範、木下ほうか、池内万作
岡田亮輔、佐藤貴広、黒田耕平
酒井美紀、山谷初男




  感想  ※ネタバレ注意

直木賞作家の東野圭吾の問題作でもある本作「さまよう刃」を
映画化。
主演の長峰役には『半落ち』『博士の愛した数式』の寺尾聰。
警察官として、真の正義と現実の狭間で苦悩する若手刑事に
竹野内豊とベテラン刑事には伊東四朗が演じた。



まだ未成年の残酷な行為によって娘を失った長峰のもとに密告
電話があり、そこへ行くと娘の陵辱ビデオを見つけてしまう。
そこへ偶然帰ってきた少年を、惨殺してしまう。
それから長峰は、もう一人の少年を追って復讐鬼となるが…。


原作を読んだあとに映画を観たのですが、この原作で守られる
のは法律であって、未成年の少年たちは法では裁かれない。
裁かれないことで増長する少年たち。
加害者や加害者遺族は少年法の中で揺れる。

原作では、少年たちが獲物を狙うように物色するシーンや長峰
の娘を陵辱する生々しいシーンなどが鮮明に描かれているが
映画では、そのほとんどが削られてしまっている。

法の矛盾や苦悩を訴えたいのなら、その人が抱えた怒りや
悲しみ、憎しみを体感する必要があると思う。
寺尾聰がどんなに上手く演じようが、長峰の怒りや苦悩が
うまく伝わらないのが非常に残念。




【評価】
 (3.5点/5点満点中)

 さまよう刃 HP

書道ガールズ!!わたしたちの甲子園

2010-11-29 | 邦画(さ・た)
 
  


  あらすじ 
四国中央高校・書道部の部長を務める里子は、書道家である
父に認められるため、真剣に書道に取り組んでいる。しかし
真剣なあまり、他の部員に厳しすぎるのが玉にキズ。そんな
ある日、書道部の顧問を務める池澤先生が、校庭に生徒たち
を集め、大音量の音楽にのせて大きな書をしたためてみせる。
これを見て感激した書道部員の清美は、父が営む文房具店の
閉店セールの呼び込みとして、里子たちを巻き込んだ「書道
パフォーマンス」を計画する。

【出演】
成海璃子
山下リオ
桜庭ななみ
高畑充希
小島藤子
金子ノブアキ




  感想  ※ネタバレ注意

書道部の高校生たちが、大きな紙の上で洋楽やJ-POPSにのせて
筆を走らせ、書の腕とパフォーマンスを競い合う…。
小さな町の女子高生たちが、町おこしのために“書道パフォーマンス
甲子園”を始めた実話を描く感動作。



作中の香奈じゃないけど、感動した!!(笑)

いや、本当に感動しました。舞台となる愛媛県四国中央市は、紙の
生産高日本一を誇る「紙の町」。
そんなこの町でも不況に襲われ、昨今の巨大ショッピングセンター
が次々と出店していく中、商店街では閉店が続く。

そんな中、愛媛県立三島高等学校書道部の部員達が、町を盛り上げ
ようと地元のイベントやショッピングセンターなどで書道パフォー
マンスを始め、テレビ局に取り上げられ書道パフォーマンス甲子園
を開催したという実話を基に作られている。

書道と言えば想像するのは、和紙の上を筆で心を沈めて書くような
そんなイメージだけど、この書道パフォーマンスは違う!
巨大和紙に重量のある巨大な筆を持って、全身全霊を使って書く
というもの!しかもJ-POPなどの音楽にあわせて団体で踊る
競技なのです。

女子高生たちが奮闘するとあって、「スウィングガールズ」などの
よくある青春ものだけど、今回は町おこしが含まれているので商店街
の人たちやそこで暮らす女子高生たちのエピソードも織り込まれて
いて、泣けます。



成海璃子が書道の家の子とあって、書道に対してストイックに
向き合っているのだが、そのせいで周りとは対立したりしてしまう
しかし、色んな人の出会いで楽しく書道をするという事に向き
あい書道パフォーマンス甲子園へと繋いでいく。
成海璃子にはこういう役の演技が本当にハマりますね。

元気いっぱいの香奈役を演じた桜庭ななみや、わけあって書道
から離れている美央役の山下リオ。
天然?のメガネ娘の清美役の高畑充希や過去にいじめにあった
経験を持つ内向的な小春役の小島藤子など、それぞれの個性も
それぞれのエピソードも丁寧に織り込まれていて、良かった。
それに3バカトリオ的な男子生徒たちが妙に調和してた(笑)

何度も墨を浴びるなど、冴えない感じで、何事にも興味をしめ
さない池澤先生も女子高生たちを影から見守り、彼女たちを
支えていく。

書道をしていた人の文字って本当にキレイですよね。
字がきれいな人は憧れます。
作中で書かれた「再生」という文字からも、文字が魅せる力を
感じずにはいられません。
文字が伝える魅力も感じられる作品です。

この映画を観れば、元気いっぱいの女子高生たちに、元気を
たくさんもらえるはず。
本物の書道ガールズも登場する甲子園シーンもすごい!
きっと初めて見る人は、そのパフォーマンスに驚かされると思います。
いやー、やっぱり青春映画は良いですね!
心が洗われるような気持ちです。


【評価】
 (4.2点/5点満点中)

 書道ガールズ!!わたしたちの甲子園 HP

時をかける少女

2010-11-01 | 邦画(さ・た)
 



  あらすじ 
高校卒業を間近に控えた芳山あかりは春からの新生活に対する
期待に弾んでいた。そんな中、母・和子が交通事故で昏睡状態
に陥る。和子は初恋の人・深町一夫にメッセージを伝えるため
時を越える研究をしていた。
あかりは母に代わって1972年にタイム・リープを申し出る。
あかりのタイム・リープは成功したかに見えたが、なんと誤って
1974年に飛んでしまう!果たしてあかりは深町に出会い、母の
想いを伝えることができるのか…?

【出演】
仲里依紗
中尾明慶
安田成美
勝村政信
石丸幹二




  感想  ※ネタバレ注意

原作は実写、アニメと幾度も映像化されてきた筒井康隆のSF
傑作短編小説。本作は原作小説の“その後”。
主人公・芳山あかりを演じるのは、アニメ版『時をかける少女』
で主人公・真琴の声優を務めた仲里依紗。
あかりが恋に落ちる青年・涼太を『ROOKIES-卒業-』の中尾明慶
、母・芳山和子を安田成美、物語のキーパーソン・深町一夫
を映画初となる元劇団四季の看板俳優・石丸幹二が演じている。



アニメ「時をかける少女」は観たのだが、実質的な本作の前作
にあたる映画は未見ですが、ある程度の前作のあらすじを
知っていれば、十分観れる内容でした。

アニメで主人公の真琴の声優にあたった仲里依紗がこの作品の
主人公にあたるところを観ると、アニメ版がヒットしたのに
少なからずリンクさせたい製作者側の意図が見えるけど、
仲里依紗の演技は前から注目していたので、彼女が間違えて
目的の年代とは違う年代に飛んだり、さかのぼった過去の世界
でその当時の服装や流行に溶け込む姿は面白い。
まるでアニメ版の真琴のキャラがそのままみたいです。

そして何といっても、涼太を演じた中尾明慶が当時の年代の
髪型や服装が似合いすぎているのも違和感無さ過ぎて中々の
配役でした。

タイムスリップした当時の再現模様が、低予算なのか何だか
浮いてみえるのは勿体無いですが、そこは主人公のあかりの
若い頃の父親に会ったり、彼女自身の恋、母親に頼まれた深町
一夫に会うという展開と人間模様で保たれているように思います。

過去にさかのぼるという作品は多い中で、今の時代のように
四六時中誰とも繋がっているような時代でなく、携帯もなく
お互いの思いを、考えて行動しなければならなかった当時
だからこそ、純愛青春ものは生きてくるような気がします。

ラストのフィルムを観るシーンは、中々胸にじーんと来る
ものがあります。




【評価】
 (4点/5点満点中)

 時をかける少女 HP