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重力ピエロ

2009-11-19 | 邦画(さ・た)
 



  あらすじ 
遺伝子を研究する大学院生・泉水と芸術的な才能を持つ2つ
年下の弟・春は、仲の良い普通の兄弟だ。優しい父と三人で、
平穏に、そして陽気に暮らしている。だが、この家族には春の
出生に関わる哀しい“過去”があった。その原因をもたらした
“ある男”が街に戻ってきた。そして、時を同じくして不審な
連続放火事件が発生する。その現場には謎めいたグラフィック
アートが残されていた…。

【出演】
加瀬亮
岡田将生
小日向文世
吉高由里子
岡田義徳
鈴木京香
渡部篤郎




  感想  ※ネタバレ注意

伊坂幸太郎原作の、70万部を超えるベストセラー「重力ピエロ」
を映画化。
物語の核となる兄弟役を演じるのは『それでもボクはやってない』
の加瀬亮が兄を演じ、『天然コケッコー』の岡田将生が弟を演じる。
伊坂氏の原作ものとしては『アヒルと鴨のコインロッカー』と同様
原作の舞台でもある仙台でロケを敢行、生活に根ざした仙台の
街中が描かれているのが興味深い。
数々の謎が伏線を張りながら、絡み合ったすべての謎が解けた
とき過去から現在へとつながる家族の真実が明らかにされる。



”愛”は重力を超える‥。

あらすじを読んでから、このタイトルを観たとき誰も想像出来ない
親子の、兄弟の絆がそこにはある。
この映画は単純なミステリーじゃない。伊坂幸太郎作品に良く
みられるラストに向けて、すべての事柄が一致していくのは
観るものを離さない。
遺伝子記号も春の尊敬するガンジー等偉人たちも、その謎
に関わっているので、セリフからすべてが見逃せない。


「わたしたち、そのうち宙に浮かぶかもね。」

完璧な両親だと正直思った。そんな家族の中で弟は、不安要素
の一人、自分の持つ出生の秘密や消してしまいたい過去すべて
燃やしてしまいたかった。
そして春は、兄に気づいてほしかったんだと思う。
血の繋がりはなくっても、家族であることに変わりはない。
その証拠に兄の泉水は、弟が苦しんでいる原因を消してしまおうと
同じことを実行しようとする。

愛は重力を超える…本来この映画は、重たいもので終わるはずが
この作られた世界観の中で、それを感じさせない観終わった後
に本当に浮いたような…そんな気持ちにさせてくれる気がします。


弟の卒業アルバムの写真の中に、弟のいるところ必ず写ってる
春のストーカー・夏子さんを演じた吉高由里子が面白かった!
写真の写り方が異常なんですが、最高ですw




【評価】
 (4.5点/5点満点中)

 重力ピエロ HP