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Cinema Cafe ~シネマ・カフェ~

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デトロイト・メタル・シティ

2009-02-15 | 邦画(さ・た)
 デトロイト・メタル・シティ
 



  あらすじ 
おしゃれな渋谷系ポップミュージシャンに憧れ、大学進学を
機に田舎から上京した心優しき青年・根岸崇一。
「NO MUSIC NO DREAM」を胸に、デスレコーズの新人ミュー
ジシャン募集に応募するが、本人の意志を無視して悪魔系
デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」(通称DMC)の
ギターボーカル「ヨハネ・クラウザー・II世」として売り出され、
あろうことかカリスマ的人気を博してしまう。

【出演】
松山ケンイチ、加藤ローサ
秋山竜次、細田よしひこ
松雪泰子、鈴木一真
高橋一生、宮崎美子
大倉孝二、岡田義徳
ジーン・シモンズ




  感想  ※ネタバレ注意

300万部突破の若杉公徳の大人気ギャグ漫画「デトロイト・
メタル・シティ」の実写映画版。



原作コミックは何度か読んだことがあって、立ち読み
しながら大爆笑してしまった記憶がある‥(苦笑)。
それくらい面白い原作に近づける為に、よくここまでの
キャストがうまい具合にハマッた映画も久しぶり!

特に主人公の根岸くん=クラウザーさんを演じる松山
ケンイチくんは、見事すぎる演技っぷりとビジュアル!
はじめてCMでクラウザーさんを見た時は、あまりの
そっくりさにびっくりしたものです。
松雪泰子の社長も良い味出してるし、狂信的“ファンたち”
もまさに原作どおりといった感じで爆笑必至☆
「恨みはらさでおくべきか」とか辺りから、松山ケンイチ
くんが壊れていくのも面白かった☆



根岸の田舎の家族との、つかの間のひと時などは
良かったですし、もっと原作にないような映画
ならではというエピソードや物語ですすめて
もらった方が良かったと思う。
ここまでビジュアル的に見事だったから尚更そう
感じてしまった。
原作を知っている人には、少し物足りなかったかも。

それでもあのバカさ加減といい、シュールさと良い
十分楽しめると思います☆


【評価】
 (4点/5点満点中)

 デトロイト・メタル・シティ HP

たみおのしあわせ

2009-02-11 | 邦画(さ・た)
 たみおのしあわせ


  あらすじ 
父・伸男と2人暮らしの神埼民男はオクテで恋愛下手だが
最近お見合いした瞳とはうまくいき、結婚を目前に控えて
いた。一方伸男は部下の宮地と交際中。しかし民男の目を
気にして、関係を秘匿していた。そんな中神埼家の天井裏に
ニューヨークから逃げ帰った親戚の透が居着く。
透は偶然宮地に発見されてしまうものの、なんと2人は恋に
落ちてしまい…。

【出演】
オダギリジョー、原田芳雄、麻生久美子
小林薫、大竹しのぶ
富士眞奈美、川辺久造、石田えり、忌野清志郎




  感想  ※ネタバレ注意

お見合いをしてなんとなく結婚へと進んでいく息子の民男。
部下とつきあいつつも息子の目を気にしてしまう父の伸男。
そんな2人の関係を通して、しあわせのかたちをゆるゆると
映し出していく、コミカルなドラマ。



オダギリジョーと麻生久美子さんが出演しているという
理由と見た感じから、ゆるゆる系の邦画なんだろうなって
だけで、かりて観ました。

見た目からして、奥手な青年・民男を演じるのはオダギリ
ジョー。そしてそんな民男の父・伸男を演じるのは原田芳雄。
人気ドラマ「時効警察」でもオダギリジョーと共演した
麻生久美子が演じる、民男の婚約者・瞳。

他の邦画やドラマで観ていて、麻生久美子さんが好きな
ボクとしては、オダギリジョーと麻生久美子のお見合いから
結婚へと進んでいく設定は何かすごい良い感じの印象
をボクは受けました。麻生久美子さん、キレイですね。

それ故か、ラストに向かっていくうちに民男の父・伸男が
絡んでくるところから、すごい観ていても嫌になってきて
観るの辞めようかなって思ってしまった(苦笑)。
ボクには大人のエンターテイメントはわからないのかも。。
でもラストでまさかの展開だったから、ちょっとビックリ
させられましたけど…それが監督の狙いだったりして。

でも終始、オダギリジョーが演じた民男がかわいそうと
いうか…ほんと題名じゃないけど「たみおのしあわせ」って
何なんだろうって思いました。

謎の忌野清志郎さんは、どんな役目だったのかは不明
ですが、そのシュールさと正しいのか正しくないのか
よくわからない発言をするのが面白かった。





【評価】
 (3.5点/5点満点中)

 たみおのしあわせ HP

Sweet Rain 死神の精度

2009-01-17 | 邦画(さ・た)
 Sweet Rain 死神の精度



  あらすじ 
死神が現れるのは、人が不慮の死を迎える7日前。
観察期間の後、「実行」か「見送り」かを判断するのが
仕事だ。楽しみは、CDショップで、“ミュージック”を
聴く事である。今日の「ターゲット」は、27歳の一恵。
家族を亡くし、恋人にも先立たれた薄幸の女性だ。
しかし、ひょんなことから音楽プロデューサーが彼女の
声に惚れ込み、歌手にならないかとスカウトされる。
一恵の将来を期待し、死神は死を「見送り」にする。

【出演】
金城武
小西真奈美
富司純子
光石研
石田卓也
村上淳
奥田恵梨華
吹越満




  感想  ※ネタバレ注意

伊坂幸太郎の「死神の精度」が映画化。
不慮の死を遂げる事になっている人間の前に現れ、観察期間
の後、死=「実行」か生=「見送り」かを決める役目の死神。
ある女性を「見送り」にした事から、様々な人の運命が少し
ずつ変わっていく。



う~ん、どうしても「ジョー・ブラックをよろしく」とかぶってしまい
比較してしまう。しかもその「ジョー・ブラックをよろしく」が
かなり良い映画だっただけに、それ以上を死神というジャンルで
この物語でいくには難しいと思った。

でも、死神のいる場所から現世に電話ボックスから出てくる時の
金城武は本当にかっこいいと思いました。
出てきた瞬間思わず、かっこいいなぁ~と思った。
それに犬を連れているところが、犬好きのボクには何か好感を
持ってしまった。
それにミュージック(音楽)が好きなところも☆
役どころもどこか抜けている感じが面白かったです。

この映画は、映画化よりもドラマ化の方がしっくりくる感じが
しました。映画の中でエピソードがいくつかあってそれは
どれも繋がってるという内容。
普通に観ていても、それは何となく気づけると思います。
ただ薄幸の女性・一恵が、ちょっと変わり過ぎな気がしました。

それに音楽プロデューサーが登場して、一恵の声が最高の声を
している。プロデュースしたいという場面で、金城武じゃないけど



ボクも「ミュ、ミュージック?」って思わず声に出ました(苦笑)。
ちょっとこの辺りは、どうなんだろうって思いましたけどね。

この原作は面白そうだなって思ったので機会があったら読んで
みたいと思いました。


【評価】
 (3.5点/5点満点中)

 Sweet Rain 死神の精度 HP

ザ・マジックアワー

2008-12-15 | 邦画(さ・た)
 


  あらすじ 
港町・守加護でクラブ「赤い靴」の支配人を任されている
備後は、ギャングのボス・手塩の情婦・マリに手を出したのが
バレて大ピンチ。5日以内に幻の殺し屋・デラ冨樫を探し出して
連れて来なければ命はないと脅される。
が、デラの居場所に皆目見当もつかない備後は替え玉を仕立てる
苦肉の策に出る。そこで白羽の矢が立ったのが売れない俳優・
村田大樹。
主演映画を撮りたいと村田を騙し守加護へ連れて来るのだった。

【出演】
佐藤浩市
妻夫木聡
深津絵里
綾瀬はるか
西田敏行




  感想  ※ネタバレ注意

暗黒界マフィアのボスの愛人に手を出した男が、命を助けて
もらう代償に伝説の殺し屋を探し出すコメディー・ドラマ。
映画監督のふりをして無名の俳優を幻の殺し屋に仕立て上げ、
撮影と思い込み殺し屋に成り切る俳優に佐藤浩市、その俳優を
だます若者に妻夫木聡。
うそと思い込みが巻き起こす騒動を面白おかしく、絶妙な
三谷幸喜監督の脚本が光る。



題名の「マジックアワー」とは
夕暮れ時のほんの一瞬、世界が一番美しく見える瞬間のこと。

日本を代表する美術監督・種田陽平が手がけた見事な舞台
「つくりものの街」(エンドロールで作り上げている映像が
流れます。)で、繰り広げられるまるで演劇のような世界観で
あの佐藤浩市の本人はマジメにやってるのだが、観てる方は
事実を知ってるわけで、その食い違いからくるお茶目っぷりが
最高☆
実際のギャング同士の撃ち合いで、撮影と思い込んでいる
佐藤浩市が笑い転げながら撃ち合っていたシーンは思い出した
だけで笑えます!!
その他にもボスの机の上に乗って「オレがデラ冨樫だ。」と
いうシーンも最高です(笑)!
中盤から最後にかけて、少し無理のあるシーンも出てきます
けど、全然楽しめますよ!

他にも中井貴一、唐沢寿明ら主演級の豪華な役者が所々に登場
するあたり三谷幸喜監督の人脈のすごさがうかがえますね。
ちなみに映画『THE 有頂天ホテル』にも出演した只野憲二役
演じる香取慎吾が1シーンだけ登場してます。



この映画には、名作旧作のオマージュがテンコ盛り。
劇中の中で映画として登場する「カサブランカ」をパクッた
「暗黒街の用心棒」、故市川崑監督の「黒い十人の女」を
もらった「黒い101人の女」では、生前の市川監督の演出ぶり
が見られ、深津絵里が三日月に乗って歌うシーンでは、
見覚えがあるなぁ~と思ったら「ギター弾きの恋」で、曲は
ショーン・ペンがサマンサ・モートンに歌った「アイム・フォーエバー
・ブローイング・バブルス」といったこの映画の世界観を
作っていた。


【評価】
 (5点/5点満点中)

 ザ・マジックアワー HP

ドラゴンヘッド

2008-11-01 | 邦画(さ・た)
 ドラゴンヘッド



  あらすじ 
高校生のテル(妻夫木聡)は、修学旅行帰りの列車に乗っていた。
トンネルに入ったとき、突然、原因不明の大事故が起きる。
意識を取り戻したテルが見たものは、折り重なるようにして
死んでいる同級生たちだった。生き残ったのは、テルと
ノブオ(山田孝之)と、アコ(SAYAKA)の3人。
しかし、ノブオは恐怖から正気を失い、2人に襲い掛かろうとする。
ノブオから逃れ、トンネルの外に出たテルとアコ。そこには、灰と
化した大地が広がっていた。2人は、東京を目指して歩き始めるが…。

【出演】
妻夫木聡
SAYAKA
山田孝之
藤木直人




  感想  ※ネタバレ注意

若い世代から絶大な支持を受ける人気漫画家、望月峯太郎の
原作本が、映画化。
『ドラゴンヘッド』は、世界の終わりを迎えた人間たちの、
狂気の姿を描いたドラマ。



久しぶりに観る機会があったので、観てみました。

全編、ウズベキスタンでロケが行われ、東京ドーム約6個分に
あたるオープンセットには、ほぼ実物大の駅や病院などが組み
立てられ、物語の中で、なぜ世界は灰と化したのか?
生き残った2人が東京へと近づくにつれ、疑問と恐怖が次々と
襲い掛かる。

ちょうど原作の漫画を読んでいた頃が、世紀末前だったから
たくさんの人が、この漫画に影響されたと思います。

確かに、トンネルの中でどんどん闇に取り込まれていくノブオ
は恐ろしいし、ドキっとさせられます。
それに外へ出たテルたちを待っている外の世界の人たちや
日本の現状を知った時の、自分たちの未来への恐怖感も漫画では
非常に強く感じられ、そこから立ち上がっていくテルたちの
ハングリーさも見られたのですが…

この映画では、初めから最後までずっと泣きごとばかりで
確かにこの状況に立たされたら、どうしようもないのですが。
ちょっと、しつこかったように思います。

これだけのセットや舞台が用意されていたのに、何だか
改めて勿体ないなって気持ちになりました。


【評価】
 (3点/5点満点中)

全然大丈夫

2008-10-26 | 邦画(さ・た)
 全然大丈夫


  あらすじ 
古本屋の長男で植木職人の照男は、人を怖がらせることが
好きな29歳。世界一のお化け屋敷を作るのが夢で、暇さえ
あれば人を怖がらせて楽しんでいた。照男の幼馴染みの
久信は、30歳を目前にして自分の仕事に自信を持てずに
悩んでいた。ある時、久信の職場にアルバイトの女性、
あかりが入ってくる。あまりの不器用さにクビになった
あかりは、照男の古本屋でバイトを始める。
あかりに恋をした照男と久信の秘かなバトルが始まった。

【出演】
荒川良々、木村佳乃、岡田義徳
田中直樹、伊勢志摩、村杉蝉之介
きたろう、江口のりこ




  感想  ※ネタバレ注意

独特の風貌と佇まいで、強烈な印象を与えている荒川良々
(あらかわ・よしよし)が初主演を果たした憩い系ムービー。



夢は大きいが努力もせず、無責任で文句ばかり言っている
主人公が、恋や友情を通してほんの少しだけ人生を考える。
藤田容介監督は、荒川良々を主演にすると決めていたという
作品。
確かに、このキャラ…彼にぴったりな気がします。
そんな荒川良々が演じる役は、世界一のお化け屋敷を作る
のが夢で人をびっくりさせるのが好きな植木職人の照男。

物語の中でも観てるこっちまで、ビックリするシーンが
いくつか登場するが、ちょっとシュールです(笑)。
こういうシュールさや、ほのぼのした系が好きな人には
ピッタリかもしれませんね。
ラストもほのぼのして終わるので観終わった後も、ボクは
時間を有意義に過ごせたのか、まったり出来たのか
ちょっとわからなくなりました(苦笑)。

荒川良々さんが好きな人には、小ネタも満載でたまらない
映画になってると思います。




【評価】
 (3.5点/5点満点中)

 全然大丈夫 HP

疾走

2008-10-23 | 邦画(さ・た)
 疾走


  あらすじ 
“沖"と“浜"という2つの地域が存在する、ある干拓地。
“浜"の人々は“沖"を蔑み近寄ろうとはしなかった。
シュウジは両親が自慢する出来のいい兄シュウイチの
ことが大好きな、“浜"に住む心優しい少年だった。
そんなシュウジを取り囲むように起こる様々な出来事と
出会う人。“沖"に越してきた“鬼ケン"と呼ばれる
ヤクザものと奇妙な出会いと突然の死。“鬼ケン"の
情婦で、シュウジに性の目覚めを抱かせる大人の女、
アカネ。幼い頃、両親を自殺で失ったことで、世の中を
斜に見ることしかできない孤独な少女エリとの淡い恋。
自らの不貞から弟を殺人者にしてしまったという重荷を
背負いながら、シュウジとエリを導く“沖"に出来た
教会の神父。やがて、大好きな兄シュウイチが挫折の後
に起こした放火事件から、家族は離散し、シュウジの
運命の歯車が狂っていく。

【出演】
手越祐也、韓英恵
中谷美紀、豊川悦司
大杉漣、寺島進
加瀬亮




  感想  ※ネタバレ注意

一人の少年に降りかかる悲愴な運命を描いた衝撃のドラマ。
圧倒的な筆力で描ききった重松清の傑作小説を、海外から高い
評価を受ける「弾丸ランナー」「ポストマン・ブルース」の
SABUが監督。

「誰か、一緒に生きてください。」

内容は相当重い映画です、題名通りラストでの彼女を背負って
叫びながら走る姿が印象的で、重たいですが切なくなりました。

ある二人の兄弟、兄のシュウイチと弟のシュウジは昔の陸地で
ある「浜」と、干拓されてできた「沖」に二分された街の中で
兄弟は「浜」の子供。特に理由はないが「沖」の人間を差別し
「沖」の人間は「浜」の人間を嫌う、そんな差別のある社会の
中で弟のシュウジは、鬼ケンというヤクザものと出会い。
そしてその鬼ケンが変死体で見つかるところから物語りは
始まります。


しばらくしてその鬼ケンの住んでいた家に、1人の神父が街に
やってきます。そして1人の少女と出逢い‥街は「沖」の
再開発で揺れていきます。。

シュウジは兄が好きでした。そんな兄が放火犯で捕まってから
すべての歯車が狂いはじめます。


この映画を観てこれまでのSABU監督のイメージが一変
しました、SABU監督のほかの作品にあるようなシュールで
ユーモアのある人間臭さのある映画から、この映画はひたすら
暗くて救いようのない世界が広がっています。

原作も1人の少年を取り巻く世界が、少年の想いとはウラハラ
にまったく救いようのない方向へ進んでいくようである。
読む側に衝撃を与えるほどの、重たさがあるらしいので機会が
あれば、元気があるときにでも読んでみたくなりました。


【評価】
 (4.5点/5点満点中)

Shall We ダンス?

2008-10-10 | 邦画(さ・た)
 Shall We ダンス?


  あらすじ 
真面目でこれといった趣味も持たないサラリーマンの
杉山正平は、ある日の会社の帰り、電車の中から見える
ダンス教室の窓に、物憂げに佇むひとりの女性を見つけた。
その美しい姿に目を奪われた彼は、数日後、その“岸川
ダンス教室"を訪れる。中年のたま子先生の勧めでグループ
レッスンを受けることにした杉山は、同じく初心者の田中
少しダンスを齧っている服部とともに、生まれて初めての
社交ダンスを習い始めた。
杉山が見かけた女性はこのダンス教室の娘・舞で、ダンス・
コンテストの最高峰ブラックプールに参加してアクシデント
に見舞われてから、パートナーに対する信頼感を持てなくなり
、父親から半ば強制的にダンス教室の先生をさせられて
いたのだった。

【出演】
役所広司
草刈民代
竹中直人
渡辺えり子
草村礼子
柄本明
徳井優




  感想  ※ネタバレ注意

ひょんなことから始めた社交ダンスを通して、平凡なサラリー
マンが人生を見つめ直す姿を描いたハートフル・コメディ。
監督・原案・脚本は「シコふんじゃった。」の周防正行。



この映画を観たのは随分前ですが、少し前にハリウッドで
リメイクされたのも記憶に新しいですよね。

特に趣味もなく、平凡に毎日を暮らしていた役所広司演じる
杉山が、ダンス教室の窓際に、物憂げに佇むひとりの女性
草刈民代演じる舞を見つけ、ダンス教室の門を叩く。

そこには様々な個性豊かな面々と、社交ダンスが繰り広げ
られていた。
次第に杉山も社交ダンスの魅力に引き込まれていく。
そして東関東アマチュアスポーツダンス大会に出場する
事になる。



この映画を観て、社交ダンスを始めた人も少なくないでしょう。
それだけこの映画が与えた影響は、これまでの社交ダンスの
イメージを変えた作品でもあります。

ダンスの経験がないボクですけど、この映画を観た後は
興味がわきました。
この映画では、ただの社交ダンスをしてハッピーエンドに終わる
という映画ではなく、社交ダンスにおいてパートナー同士が
どれだけ大切な関係なのかも教えてくれてます。

何も若い高校生や大学生たちだけが青春映画ではなく、何かに
直向きに頑張る姿は、中年サラリーマンでも関係なく感動させて
くれるんだなぁって思わせてくれる良い映画です。
ボクも最近仕事で忙しいからって、あんまり触れてない楽器たちと
もう一度頑張らないとって思いますね(苦笑)。


【評価】
 (5点/5点満点中)

世界の中心で、愛をさけぶ

2008-10-03 | 邦画(さ・た)
 世界の中心で、愛をさけぶ



  あらすじ 
高校時代、初恋の相手だったアキ(長澤まさみ)を病気で
失った朔太郎(森山未來)。それから十数年がたち、大人
になった朔太郎(大沢たかお)には律子(柴咲コウ)という
婚約者ができた。ところが結婚を目前にしたある日、律子が
「心配しないで」と書き置きを残し失踪。
朔太郎は彼女の行き先が2人の故郷である四国だと知り、
すぐさま後を追う。だが故郷をたどるうち、しまいこんで
いたアキの記憶が次々と甦った朔太郎は、思い出の迷宮に
迷い込んでしまう。

【出演】
大沢たかお
柴咲コウ
長澤まさみ
森山未來
山崎努
天海祐希
杉本哲太




  感想  ※ネタバレ注意

発行部数200万部突破という片山恭一のベストセラー小説を
映画化。主演は昨年から『解夏』など主演映画が目白押しの
大沢たかおと、行定勲監督とは『GO』以来の再タッグとなる
柴咲コウ。現在を生きる2人の思いに沈んだ表情と、回想
シーンの長澤まさみと森山未來のキラキラと輝いた表情の
対比が、物語のせつなさを際立たせる。


恋人が亡くなるなど、切ない恋愛ものの火付け役となった
この映画。
恋人がこの世からいなくなるんですよ、悲しいに決まってる
じゃないですか‥そんな王道パターンの恋愛映画。
でも、恋人同士の情景や演技者たちの上手さもあって
良い映画になってます。

長澤まさみを映画やドラマで、よく観るようになってきたのも
この映画ぐらいからでしたね。
本当に可愛らしい子で、この映画でもすぐに感情移入して
しまうくらいでしたね。



原作から入ったボクは、映画でのオリジナルストーリーに登場
する柴咲コウ演じる婚約者・律子の存在が恋人を亡くして
しまった「喪失感」を薄らいでしまっているように思いました。

あの読み終わった後のせつなさは無くなっていました。
原作では、もっと「死」という言葉が具体的に敏感に表現していて
愛する人を失い、残されたものにだけ漂う「喪失感」がそこには
ありました。
だから原作では、朔太郎のおじいちゃんが重要な位置にいたと
思います。だから映画では山崎努が演じるとあって、山崎努は
好きな役者さんなので期待していたのですが、映画ではテーマが
違うように感じました。

映画の中で、起承転結させる為に必要だったのかもしれませんが
現在の恋人と未来に歩みだす現実は、見たくなかったです。


【評価】
 (4点/5点満点中)

それでもボクはやってない

2008-09-29 | 邦画(さ・た)
 それでもボクはやってない



  あらすじ 
大事な就職の面接を控えた日の朝、大勢の通勤客に
混じって満員電車から駅のホームへ吐き出された
ところを痴漢に間違われ現行犯逮捕されてしまった
金子徹平。連行された警察署で容疑を否認すると、
そのまま拘留される。その後も一貫して無実を主張
するものの、結局は起訴される事に。徹平の無実を
信じる母や友人・達雄の依頼でベテランの荒川、
新米の須藤の二人の弁護士が徹平の弁護を引き受け
いよいよ裁判が始まる…。



【出演】
加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ、役所広司




  感想  ※ネタバレ注意

『Shall We ダンス?』の周防正行監督が痴漢冤罪裁判に
注目し11年ぶりに放つ新作は裁判を通して矛盾だらけの
日本の姿そのものをも浮かび上がらせる。



前作の封切り後、じっくり時間をかけて地道な調査活動を
続けてきた監督が「どうしても作りたかった」という、
日本の刑事裁判に疑問を投げかける社会派の作品である。

周防監督は、2002年に東京高裁で逆転無罪判決が出された
事件をきっかけに痴漢冤罪に関心を持ち始め、自ら取材した
数多くの同種事件の実在エピソードを作品中に散りばめる
など、痴漢冤罪事件を通じて、日本の刑事裁判の実態を
映像化している。

ずっと観よう観ようと思っていて、やっと観れました。
やってないことをやっていると疑われ、誰も耳を貸して
くれない‥取調べや拘留の中で犯罪者扱いされていく。

疑われた者の拘留中の扱い、一度疑われた時の対応は
酷いものです。現状の中で本当に映画どおりだとしたら
警察官や裁判のあり方も実態も矛盾だらけで、自分が
同じ立場だとしたら冷静でいられるはずもないです。

物語が進むにつれ、親と友達、弁護士や同じ冤罪事件に
関わっている協力者たちが、観ている方まで冤罪主張を
している側に引き込まれていきます。
いったい加瀬亮演じる金子徹平は無罪か有罪なのか‥。
 実際にビデオで現場を
 再現して、痴漢行為は
 不可能に近い事がわかり
 探していた目撃者の女性
 も現れ、証言台に。
 
 この辺りから、もしかして
無罪かと思うのですが‥最後の方で、協力者の1人が
冤罪(恐らくですが)で罪に処せられるところから雲行き
が怪しくなってきます。

そして‥判決の日。


真実は、当事者だけが知りえることです。
裁判官や警察・検事、弁護士‥みんなその状況や
証拠、集められた資料の中で有罪か無罪を決める。

しかし、警察の取調べの陰湿さ、初動捜査の遅れから
冤罪事件を作ってしまうという恐ろしさ。
この映画では、その恐ろしさを目の前に突き出して
います。本当に良く出来た作品です。

1度観ておくと現状の警察や裁判・社会の色々とした
面から見ることができて勉強になります。
いつか自分たちにも、その判決下す一員にならなければ
ならない裁判員制度も始まります。

ボクたちが下す判決によって、その人の人生が変わる。
ボクらの段階では、状況証拠と供述書で判断するしか
ないのです。
それまでに当事者たちが感じたことや、体験したことは
その紙きれには書いていません。
しかし、物語の中の裁判官だって客観的に見なければ
数多くの事件や裁判の中で、自分が飲み込まれてしまい
肝心の真実を見誤ってしまいます。
裁判員制度が始まる前に観ておきたい作品です。

考えさせられる内容でした、ボクは車通勤なので電車に
乗る機会は少ないのですが、疑われないように自分を
守るのも気をつけないといけないですね。
変な世の中ですね。

本当に難しい‥判決を下す裁判官も、人が作った法も
すべては人が作り出したもので未完成のもの。
犯罪も人がつくるものです‥。
解決していこうと思ったら、人が世の中からいなく
なってしまえばという結論にならない世の中になって
ほしいものですね。




【評価】
 (5点/5点満点中)

 それでもボクはやってない HP