塗装前に、一旦ばらばらにします。
車輪には細く切ったマスキングテープを踏面にぐるぐる巻きにして、それの厚さでフランジもマスクします。
真鍮の部品はすべて洗浄します。もともと毎日工作が終わるときにクレンザーで磨き洗いして、フラックスを落としていますが、もう一度洗浄します。指紋を付けないために、家庭用の使い捨て手袋をはめます。
まず、サンポールで酸洗い。1分ぐらい浸します。これだけでピカピカになります。すぐに流水で洗浄します。これはしつこいぐらい。
そこで、もういちどクレンザーで磨き洗い。歯ブラシを使って丹念にやります。
クレンザーを洗い落すのは温水を使います。冷水ではどうしてもクレンザーが残ってしまう様です。乾燥はドライヤーを使います。こうすると、奥の方に回り込んだ水も蒸発します。熱くて手で触れなくらいに加熱しましょう。乾燥は1昼夜。十分に時間を取ります。
塗装は電動コンプレッサーを使っています。プライマーはマッハのメタルシールプライマーが具合が良いようです。これはシンナーで薄めずに一発吹き付け。少々ムラになっても大丈夫。黒の塗料は一応艶消しをつかています。シンナーにうっすら黒色が付くぐらいに薄めます。ほとんどシンナーを吹き付ける感じです。まず、吹き込みにくい個所を重点的にショット吹き(パルス吹き)。辛抱強く、少しずつ。これを乾燥をはさみながら2~3回繰り返します。そのあとから全体吹き。これもうっすらと色がつく感じにとどめて、一旦乾燥を待つ、を繰り返して、4~5回ぐらいで仕上げるつもりで。これなら途中でほこりなどがついても、乾燥させてから1000番ぐらいのペーパーで軽くさらえば取れてしまうので、そのあと吹き直せます。
塗装が終了したら塗膜を堅くするために、1週間以上そのまま放置します。
1週間後、組み立てながら楽しいタッチアップ。布巻き管に白を入れ、キャブ内はリターダーを入れた淡緑を塗ります。安全弁、汽笛、パックプレートのハンドル、コンプレッサーの超圧弁など磨きだしの部分はシンナーを含ませた小筆で辛抱強くなでると、塗料がとれて真鍮の地肌が見えてきます。くれぐれもいっぺんにたくさんのシンナーをつけないように!!
いよいよナンバープレートです。はじめはエコーあたりのパーツを流用するつもりでしたが、字体が違うので断念。やむなくなじみの模型屋さんを介してエッチング板を特注しました。そのために写真をスキャンして寸法を割り出したのですが、なんと、各車のナンバープレートの大きさが全くまちまちなのです。第一、正面のプレートは11、13、14号は丸なのに、12号だけ四角です。キャブやテンダーのプレートは、同一車でも違っています。やむなく、全部計測してエッチング原版を作りました。パソコンなしではできない作業でした。
こうして手に入れたナンバープレートは、やっぱりいいですね。雰囲気が盛り上がります。
ガラスに見立てた塩ビ板をキャブに貼り付けてたあと、テンダーに石炭を盛ります。夕張鉄道は実は石炭ではなく練炭を使っていたので、ごつごつした石炭ではなく、丸い石のバラスト(シーナリーストーン)を盛って、黒のラッカーをスポイトに入れて、静かに滴下しながら固めます。
最後にウエザリング。薄く溶いたプラ用塗料のダークアースがいいようです。これも、ほとんどシンナーを吹くつけてる感じで、さっと吹いては乾燥を待つ、を繰り返します。少しずつ色が出てきますので、全体の調子をみて、特に足回りとテンダーの側面を重点的に汚します。
そうして、スコップ、ポーカーなどのアクセサリーをのせ、機関士と機関助手をのせて完成です!!
ついでに反対側も…
で、ついに21形8両と11形4両がそろったのでした。
ところで、先行して完成した12号ですが、雑誌にも発表させていただいたのですが、それに先だって、いつもお世話になっている珊瑚模型の社長さんにお見せしようと、東京まで持参したのでした。何せ、寄せ集めとはいえ、ほとんど珊瑚のパーツと製品でできているからで、そのあたりもお話ししようというわけでした。たいていのことはほめてくださるやさしい社長さんですが、その時は、じっと12号をにらめっこしていました。そして、開口一番「うちでもやろうと思うんですよ。」 えっ!珊瑚がキット出してくれるなら、こんなに苦労しなかったのに…とおもいつつも、製品が出れば喜ぶ人もたくさんいるだろうと思い、「是非!やってください」と言ってしまったのです。それからいくつかの資料をお渡しして、珊瑚の11形キットの計画は着々とし進行。私の4両完成と同じような時期にめでたく発売となったのです。
珊瑚のキットがあるのに、なんでわざわざキットバッシング(キットの部品を寄せつめて模型をつくること)するのかと、疑問の方、真相はこうだったのです。
珊瑚のキットが発売になってから、ふたたび方南町に伺いました。素晴らしいキットの出来に、嘆息…、でせめて1箱は記念に買うことにしました。でも、いまさら16番をかって並べるわけにもいかず、思い切って13ミリを買ったのでした。社長の一言「同じじゃー詰まんないですよね!」さすが、モデラーの心理を心得ていらっしゃる!
11形は、TMSコンペで佳作にしていただき、TMSの表紙を2回飾る、栄誉に浴しました。製品開発のきっかけとなったという得難い経験を含めて、実に思い出深い作品になったのでした。

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ダマタカと申します、札幌在住です。
夕張鉄道に惹かれて、ご挨拶!!
夕張鉄道の96に拘って、沢山作っていらっしゃるんですね~~
もう1つ拘って、 13 mm ですか??
フリーの悪戯で、テンダーを2軸タイプにした事有ります。
96のテンダー3軸じゃー無くて、2軸も有りなんだーー
スゴイ人が顔を出されたなー と、ご挨拶申し上げます。
ご縁が有れば、今後よろしく御願いします。
ついに来て下しましたね。いらっしゃいませ。
クラブではなかなかお会いできませんが、最近、ブログを手始めに模型復活です。
そのうち例会にも出られるかな?
ブログの上では全くの初心者。今後ともよろしくお願いします。