北海道型鉄道模型を楽しむ

北海道の鉄道大好きな車両掛がノンビリとやってる、夕張鉄道を中心とした鉄道模型製作のブログです。(旧 夕張炭鉱鉄道の建設)

機関庫の製作(その6) 塗装編

2010-05-31 00:13:14 | ストラクチャー

塗装にはプラ用ラッカー系塗料のウッドブラウンが基本です。

これを側面全体に塗りましたが、写真でお分かりのごとく、相当きつめのウエザリングをするので、むらは気にせず筆で一気に塗ってしまいました。屋根と扉のトタン板は銀色のままです。

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ストラクチャーの塗装のポイントは、この後のウエザリングにあります。

とくに、実物の屋根はトタン板で塗装されていません。雨風にさらされると1年もしないうちにびっしりとさびが回ってきます。しかし、さびは均一になりませんので、ところどころ銀色が残ります。さらに、傷んだトタン板を後から葺きかえるので、一部だけ妙に新しくなっていたりします。この辺りをうまく表現するかどうかが、瓦屋根がない北海道木造ストラクチャーの肝であります。

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屋根の錆びた部分はプラ用水性塗料のウエザリング用の中のさび色を使います。ただ塗りたくるのではなく、雨水は上から下へ流れていくわけだから、水が流れ安い場所、あるいは雨上がりに水がたまりやすい場所などを意識して上から下へ筆を動かします。うすくかけて銀色が透けるところと、濃く塗料を置いて全くさびだけになってざらついているところを表現したりします。この辺りは写真で判断してもらうしかないんですが、決して横には動かしません。横のタッチは、錆びの表現を一気に不自然にします。

新しく葺き替えた場所は、なるべく波板一枚を一つの単位として、むしろ四角く、不自然なくらい大きくさび色を塗らないで残しておきます。

屋根の塗料が乾燥するまで十分な時間をおいてから、屋根には機関車の煤ついているという表現で、ウエザリングブラックを擦り込みます。ポイントは煙り出しのところは、煙りのためにほぼ真っ黒に、屋根のほかの部分はさびが強いところはより黒く(古いから)、銀色のところはあっさりと(新しいから)という具合です。

扉の上の妻面も煤けさせます。しかし側面の羽目板部分は黒くしません。実物を観察すると、この辺りに煙りが回ることは可能性としてほとんどないからです。むしろ雨にさらされやすい土台に近い部分にグレーのバステルをまぶして、木材が白っぽく風化していく感じにします。木造家屋の土台付近は絶対黒っぽくなりません。お忘れなく。

ウエザリングすると、それまでなんとなく今一な完成度のストラクチャーも一気に雰囲気が出てきます。ウエザリングブラックで手が真っ黒になりながら、ニコニコと「汚し」にいそしむ私でありました。


機関庫の製作(その5)

2010-05-29 23:39:10 | ストラクチャー

屋根はトタンの波板が全面に葺かれています。そこで、それを再現しようと考えました。

はじめは、エコーのエッチング波板を使おうと考えたのですが、全面に貼り付けるとかなりの重量になることと、金額もばかにならないと考えて、やめることにしました。その代わりに使うことにしたのが、いさみやから発売されているシール式のトタン板(波板)です。これはぺらぺらのアルミ箔を利用して波板にして、片面にのりを塗ってシール状にしたものです。軽量で、シールですからペタペタ貼れます。

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写真は現在在庫している茶色に着色されたものですが、模型のほうには銀色のものを使いました。屋根板は紙ですのでシールを貼り付けるのは簡単で、作業はスイスイ進みました。

木材の機関庫の上に一面銀色の波板を敷き詰めると、それはそれでいい眺めでしたが、なんと、写真を撮るのを忘れていたので、その姿をお見せすることはできません。

この波板は、扉にも使われていましたので、同じようにシール波板を貼り付けて表現しました。

いよいよ塗装ですが、その前に処理が必要です。レール製のつっかえ棒とシール波板は金属なので、塗料の食い付きを良くするため、プラ用塗料のための金属プライマーを塗ります。しかし、このプライマーのシンナーのためにシールののりがところどころはがれていまい、結局、瞬間接着剤のお出ましとなったのは不覚でした。やはりシールを信じたのは誤りでした。はじめから木工用ボンドを使って貼っておけばよかったのかもしれません。

塗装は、基本的にはプラ用のラッカー系塗料を使います。水性塗料は全面的には採用しません。今回はウエザリングのみに水性塗料を使いました。なぜなら、水性塗料を車体工作用ペーパーに塗ると、ボコボコになってしまうからなのです。お気をつけあれ。今回はとくに、張り出し室の屋根はトタン平板なので、ペーパーにじかにカッターで切り込みを入れて表現しています。そこで、これを保護する意味もあり、この屋根の部分は銀色のラッカー系塗料を下塗りして、もしもウエザリングの水性塗料が回りこんで、屋根をボコボコニしてしまうのを防ぎました。

つぎは塗装です!


機関庫の製作(その4)

2010-05-27 23:27:05 | ストラクチャー

屋根まで完成したら、すぐにでも塗装したいところですが、少し考えました。

機関庫の側板には補強のつっかえ棒がたくさん並んでいます。つっかえ棒は古レールでつくられているので、是非再現したいところです。しかし16番のレールはもともとオーバースケールなので、そのままでは使えません。やむを得ず、Nゲージの細めのフレキシブルレールの引き抜きを使うことにしました。所定の長さに糸のこで切り出し、図面に合わせて、曲げてあります。

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問題はもう一つ。側板はSTウッドで、レールは金属なので、その接着をどうするのかということです。この組み合わせなら通常はエポキシ接着剤を使うところですが、はみ出しの処理に苦労しそうなのと、塗料ののりが今ひとつなのでやめにしました。で、結局、安易に瞬間接着剤となったわけですが、ご存じのように瞬間接着剤は衝撃に弱いので、簡単に取れてしまう恐れがあり、こんな出っ張りのある部分なので、取扱注意となってしまいました。実際、このあとの作業中に何回か取れてしまいましたが、瞬間接着剤の気軽さで、修理はかえって迅速に行えました。エポキシを採用したら、修理に汗をかいていたでしょう。

そうです、この修理を予想していたので、塗装してからの取り付けでは、修理が大変になると思い、先に取り付けることにしたのです。

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とにかく、取り付けてずらっと並んでいるつっかえ棒の図で、また悦に入ったのは言うまでもありません。こうして喜ぶと、しばらく眺めて工作が数日から数か月も止まるという、困った癖がいまだに直りません。まあ、仕事じゃないんだから、先を急ぐ理由もないのですが、少し焦ったりします。

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でも、実物の写真と見比べると、まだ太いような気もします。むしろ思い切って真鍮角材にしてしまったほうがよかったかな?


機関庫の製作(その3)

2010-05-27 00:54:58 | ストラクチャー

小屋組み全体には真鍮のアングルをかぶせて固定しました。アングルの上が屋根の峰の位置になります。本来なら角材を一本、小屋組みのてっぺんに通すのですが、それだとせっかく作った小屋組みに欠き取りを作らなければならず、それが面倒なので、アングルでエイヤッ!と瞬間接着剤で付けてしまったのです。大事なところになると、一気にズボラになる悪い癖です。

とにかく、屋根組ができたので、屋根をのせることになりました。屋根の基本構造はいさみやの車両工作用方眼紙です。鼻隠しはSTウッドの帯板を使っています。屋根の頂上には延々と続く煙り出しがありますが、これの屋根も同じ構造です。煙り出しの側面は1.5角材で組んだ枠組みにSTウッドの板を斜めに並べて表現しています。

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金属の煙突の傘はエコーの機関庫用煙突のパーツを使いました。本体の煙突はパーツでは長さが足りないので、別に6ミリ真鍮パイプから切り出しました。6本も立てるのでにぎやかなものです。わきの張り出し室の煙突はモルタル製なので、角材をサーフェイサーで固めてモルタルのような質感を出して、頂上の雨除けのアーチはプラ板を曲げて作りました。

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いつもなら、この屋根の方眼紙にカッターで筋目をいれてトタン板を表現するのですが、この機関庫は長年の風雨にさらされた結果、傷んでしまい、張り出し室の一部を除いて、上から一面にトタン波板が葺かれています。そこで、これを表現する必要があるのですが、これは訳あって塗装の後の工程になることになったので、今はこのままとしました。

ちなみに、屋根をかけたあとの庫内の様子をお見せします。二線の庫内線の間に並ぶ柱は、珍しく丸太なのです。手抜きなのか、雰囲気を追求したのか、今となってはわかりませんが、とにかくストラクチャー工作では珍しいヒノキの丸棒を利用して作りました。

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庫内なんて省略してしまうところですが、実は貴重な実物の写真が公開されていまして、無視すると色々多方面からご指摘がありそうで、それが怖いばかりに言い訳のために作ってしまったのです。ハイ!私は小心者です。

でもこうして、「錯綜して見える小屋組みの下に、居並ぶ柱の列の向こうに小さな引き戸が見える」図なんか見ていると、ぐっと来てしまって、「いやー、模型はいいなー」なんて…、完全な自己陶酔です。

いやいや、模型製作なんて、所詮、自己陶酔。そう思って模型をいじっていると、気楽にどんどん楽しめたりします。むー、今夜はビールでも飲んで寝るとしましょう。


機関庫の製作(続き)

2010-05-26 01:00:12 | ストラクチャー

昨日の記事で書き忘れたのですが、チョッパーを使ういちばんの利点は、角材を斜めに決まった角度で切り離すことができることです。

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屋根の小屋組みを作る場合、直角ではなく斜めに切った角材を合わせて屋根の角度を出さなければなりませんが、この機関庫のようにでかいストラクチャーだと、10個以上の小屋組みを量産しなければならず、カッターや糸鋸では、早々に嫌気をさして放り出すところです。

実際の製作は、小屋組みの実寸大の図面を方眼紙に書いて、それに合わせた形で角材をチョッパーでスパスパと切り出し、それを図面の上に透明プラ板を載せて、その上で図面に合わせるように木材を並べて、木工用ボンドで組み立てます。ボンドははみ出ますが、むしろそのはみ出しで透明プラ板に貼り付けるような感じです。ボンドが乾けば、プラ板とボンドは軽くコジルだけではがれるので、これを繰り返します。こうして比較的正確な小屋組みを量産しました。

Photo

扉の骨組みも同じ工法を用いました。扉は開閉できるように蝶番をつけてあります。これは以前、東京のユザワヤで友人と探し当てたドールハウスの家具を作るための真鍮パーツですパーツです。とても塩梅がいいのですが、これも最近見かけませんね。ドールハウス界も家具は自作するより出来合いを用いる傾向が強くなっているようです。趣味の世界はどこでもお手軽路線ばやりです。趣味でお手軽というのは、どうも…なんて爺くさいこと云っていますが、実は手抜きのためのパーツや道具探しがいちばん楽しいと思っているのが自分なのですが…

模型趣味というのは因果なものです。