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Symphonyeel!(シンフォニエール!)

ようこそ。閲覧者の皆さんとのメッセージが響き合う場となってほしいナ―という想いで綴ってます

クール・ランニング 『原題:COOL RUNNINGS』

2007-08-20 21:52:20 | シネマレビュー
【ストーリー】
常夏の地・ジャマイカから無謀にもボブスレーチームを組んで、1988年カルガリー冬季オリンピックに参戦した男達の実話を描いたスポーツ・コメディ。
舞台は1988年のジャマイカ。幼い頃から100m走でオリンピックを目指していた主人公デリーズは、最初で最後のオリンピック選考会で、隣のコースの選手の転倒の巻き添えを食い、出場不可能になってしまう。
それでもオリンピック出場の夢を見る彼は、とんでもないことを考え付く。
それはジャマイカ初の冬季オリンピックの出場。
とあるきっかけからボブスレー競技のことを知った彼は、幼なじみのお調子者や転倒事故で同じく夢破れた2人を巻き込んで、過去に2度金メダルを取ったアメリカ人選手をコーチに招いて猛練習を開始するのだったが…。


[作品・DVDデータ]
公開:1993年
監督: ジョン・タートルトーブ
製作: ドーン・スティール
音楽:ハンス・ジマー
製作総指揮: クリストファー・メレダンドリ、スーザン・B・ランドー
出演: レオン、ダグ・E・ダグ、マリク・ヨバ、ジョン・キャンディ
商品番号: VWDS-3622
時間: 98分
販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント


【コメント・感想】
ボブスレー競技の最終日・・・
「リズムを感じるんだ!1、2、3・・・・クールランニング!!」
タイトルのクール・ランニングという言葉は、旅に無事あれという意味です。

とあるテレビの洋画劇場で見たのですが、明るさとユーモアと希望に満ちた、スポーツ映画で、安心して楽しめ、感動しました。大好きです。
話としては極めて単純かつオーソドックスで、普通では考えられないようなハンデを背負いながら、個性豊かなキャラクターが、アタフタしながらも友情を深めてチームとなり、各自の問題をクリアしつつ夢のような目標に突き進み実現するというストーリーです。
重苦しさを感じず、話の展開のテンポもよく、キャラクターやそれ以外のジャマイカの人たちも表情豊かで、好きです。
この作品の凄みは、エッと思うようなストーリーが実は実話に基づいている、ということで、その事実が映画に重みを増しています。
そういう事実がなかったとしても個々のキャラクターはよく描かれていますし、エピソードも楽しいものばかりです。特に面白かったのは、アイスクリーム販売車で寒さに耐えたり、タイヤ付きソリで土手を滑り落ちたり、バスタブに4人で入ってカーブを曲がるイメージトレーニングをしたりするところですね。
南国特有の明るさで乗り切っていくシーンは見てて胸が熱くなります。
シンプルなコメディタッチながら、とても大事なことを教えてくれる、爽やかな映画です。
尚、彼等の行動を疲れた表情で見守るコーチ役を好演し、「ホーム・アローン」などでも有名な俳優ジョン・キャンディは本作公開直後に惜しくも亡くなっています。

「イメージ交響組曲 『ハウルの動く城』」

2007-08-20 21:23:14 | 聴いてほしいオススメCD
[CD詳細情報]
徳間ジャパンコミュニケーションズより出版
商品番号:TKCA-72620
定価:3000円
作曲・編曲・プロデュース:久石譲
演奏:チェコフィルハーモニー管弦楽団

[収録曲紹介]
①ミステリアス・ワールド
②動く城の魔法使い
③ソフィーの明日
④ボーイ
⑤動く城
⑥ウォー・ウォー・ウォー (War War War)
⑦魔法使いのワルツ
⑧シークレット・ガーデン
⑨暁の誘惑
⑩ケイヴ・オブ・マインド


【コメント・感想】
『ハウルの動く城』公開以前に、サウンドトラックとは別に、映画内容からインスパイアされて作られた交響組曲です。プラハまで出向いてチェコ・フィルハーモニー管弦楽団に演奏をゆだね、さらにミックスダウンとマスタリングはロンドンのアビー・ロードスタジオでおこなった、充実した内容のアルバム。
なぜ、東欧のチェコフィルなのか。
それは、「交響組曲『もののけ姫』」も録音したのがチェコフィルだった、というのもありますが、映画をご覧になった方はお気づきでしょうが、ヨーロッパ色が強い作品なので、音楽もヨーロッパの音でなければならなかったからだそうです(久石氏談)。
「100%音楽だけで世界観を作り上げることを念頭に置いた」と久石自身が語るこのアルバムでは、全編、緻密に構成されたオーケストラ作品が並んでいます。ただし、メインテーマである、「人生のメリーゴーランド」はエッセンスこそあれど、メロディとしてはどの曲にも入っていません。
まさに「久石譲さんだ!」いうメロディラインやハーモニーもふんだんに散りばめられ、何回聴いても飽きません。
宮崎駿作品のサントラは結構持っているのですが、このイメージ交響組曲は、オーケストラ作品としてまさに一級品とよべる作品であるといえるでしょう。おすすめはトラック①、③、⑩です。
オケ譜・吹奏楽譜があれば即演奏したい作品です。

(ちなみに、わたしのいきつけの映画館(金沢の某シネマスペース)では、9つあるシネマのうちの一つで、上映終了~次の映画の上映前の広告映像までの間、このアルバムがそのまま演奏されています)

「ハムレットへの音楽」より 『ハムレットとオフィーリア』 (A・リード作曲)

2007-08-20 18:42:36 | 聴きながら「お別れ」したい、私が泣いた曲
アルフレッド・リード=Alfred Reed (1921年1月25日 - 2005年9月17日)はアメリカの作曲家・指揮者。特に吹奏楽においては、この名を知らないものは居ないであろう、20世紀を代表する音楽家の1人である。
かの大曲「アルメニアン・ダンス」をはじめ、序曲、交響曲、組曲、その他作品において200以上の作品があり、そのうちのどれかに触れた・演奏したことのある吹奏楽人は多いはずだ。来日回数も多く、私自身も氏の指揮で、序曲「カーテンアップ!」を演奏したことがある。

今回、「泣ける曲」として残しておきたいのは、そのリード氏が作曲したウィリアム・シェイクスピア戯曲シリーズの「ハムレットへの音楽」の第二楽章・「ハムレットとオフィーリア」である。
「ハムレット」の作品概要、及び、この楽章が戯曲のどの部分の場面であるかは割愛させていただくことにして、まずは聴いていいただきたい。
クラリネットの静かなコラールと、カップミュートを装着したトランペット・トロンボーンのハーモニーに続き、木管が歌った後、オーボエの長いソロが続く。この旋律が涙を誘う。次第にホルンのオブリガードを伴ったヤマを迎え、静かに曲が閉じられる。

このテの哀愁を帯びた旋律を持った楽章を持つ曲は、リードの全盛期の作品に多く見られており(『プロセルピナの丘』や『オセロ』の第3楽章「オセロとデスデモーナ」etc…)、私自身が、高校2年生の夏、吹奏楽コンクールに出場した際の自由曲だったこともあり、取り上げた。わたしのパートであるトロンボーンは出番がほとんどないのだが、「ハムレットの、オフィーリアへの実らぬ恋」という観点から見ても、ハムレットの「悲劇的な最期というものを暗示させる」という観点から見ても、少ない出番を演奏し、曲を聴いていると、この楽章の持つ抑揚感はすばらしく、涙腺が緩む瞬間が非常に多い。

余談だが、吹奏楽にまつわる楽器を演奏している、あるいは実際に演奏している人間の中で、リードの作品が「大好き!」という人と「大嫌い!」という人は結構はっきり別れている傾向が強い。わたしは「聴くには楽しいけれど、演奏するとなるとちょっと・・・」という感じで受け止めているのだが―

音源は多数あるのでいろいろ捜してみるとよいが、あえて無難な線で、東京佼成WO演奏・リード氏自ら指揮をした、このアルバムを。

アルフレッド・リード作品集 KOCD-3553
Music for “Hamlet“
Ⅰ)プロローグ:エルシノア城とクローディアスの宮殿
Ⅱ)ハムレットとオフィーリア
Ⅲ)俳優たちの入場
Ⅳ)エピローグ:ハムレットの死

ジェイムス・バーンズ 「詩的間奏曲」

2007-08-19 22:24:21 | 聴きながら「お別れ」したい、私が泣いた曲
ジェイムス・バーンズは、吹奏楽曲を中心とした、作曲家、指揮者。
1949年オクラホマ州ホーバート生まれ。現在カンザス大学で音楽史と作曲理論を教え、同大学の吹奏楽団をフォスター教授と共同で指揮、指導している。また米国吹奏楽協会のオスワルド賞を2度受賞している。
日本との関係が深く、東京佼成ウィンド・オーケストラへの客演や、95年からは洗足学園大学の客演指揮者として吹奏楽の指導をして、日本の吹奏楽界に功績を残している。佼成出版社からは3枚のCDが発売されている。

そのうちの一枚、アルバム「ペーガン・ダンス」に収録されている一曲がこれである。「Poeteic Intermezzo」というタイトル通り、詩を綴っていくかのような流れるような旋律が特徴。
温かみのある序奏から哀愁のあるホルンのソロ、そして木管が加わり、だんだんと曲調が明るくなっていく。そしてアゴーギクがかかる山を向かえ、温かみのあるコラールで曲が締めくくられる。

最初のホルンのソロの旋律は中森明菜が歌った「セカンド・ラブ」の冒頭に似ていて、それが涙を誘う。
吹奏楽曲の中の「しっとり系」の曲の中で一番好きである。
コンサートプログラムの中に取り上げられた例がなかなかないので、実際に演奏するか、上手な演奏を聴きたい。


死ぬ時に聴きたい一曲の一つの第一に挙げたい曲であり、その中でも吹奏楽曲という中では、流麗にして最高の泣ける曲だと思う。

【収録CD】
タイトル「ペーガン・ダンス」
CD番号:KOCD-3014
演奏:東京佼成WO
指揮:ジェイム・スバーンズ


湾岸マキシ3 シークレットカー出現方法 SUBARU R2

2007-08-19 21:26:38 | 湾岸マキシ3DX+

湾岸ミッドナイトマキシマムチューン3では、アザーカーとして、ナムコイエローに社名ロゴが入った、SUBARUの軽自動車・R2が走っています。
それを実車として使用することが出来るのです!

1)コインを入れ、「チューニングカードを持っていない」でプレイ開始。
2)メーカーをSUBARUに選択しアクセルを踏み、ハンドルで「アルシオーネSVX」を選択。この時点でシフトノブをニュートラルにしておきましょう。
3)その状態で、6(速)→4(速)というシフト操作を6回繰り返してください。(ムシ×6=虫・虫・虫・虫・虫・虫)
4)そこでR2に切り替われば完成です。色は選択することが出来ます。

最初は64psと物足りないですが、ストーリーモードの第1話をクリアするだけで、北見淳が320psのエンジンを換装してくれます。そこで、チューニングカードを購入し、あなたの好きなカードネームを入力すれば、マイカーの完成です。
そこからはあなた次第です―



ちなみに、私は持っています(笑)。黒色です。

コミック版「プロジェクトX 挑戦者たち」Handy Version 地上最強のマシーン F1への激闘

2007-08-18 11:58:06 | おすすめBooks
原作・監修:プロジェクトX製作班/作画・脚本:宮城シンジ
出版:宙(おおぞら)出版

プロジェクトXのコミック版の紹介もコレで第四弾になります。
世界最高峰のバイクレース、「マン島TT」を制したHONDAが、自動車を作るという目標を果たそうとした矢先、国の政策―「特振法」―が打ち出され、窮地に立たされたときに取った行動、それが「F1に挑戦する!」という、あまりにも無謀なコトでした。
クルマもののプロジェクトXの物語のひとつです。

日本製F1マシンの歴史的初勝利―1965年の10月のメキシコGP。
古きF1の―今のF1のエアロダイナミクスとは程遠い葉巻型の形をしていた時代―歴史を紐解くと出てくるこの1ページ。そこにも、知られざるドラマがあったのです。

F1マシンのエンジンを担当した、「エンジンの鬼」新村公男氏と、F1メカニックの若い男たち、そして、社長本田宗一郎のチャレンジと戦いの物語が、熱いセリフのマンガで綴られています。
私が一番感動したのは、「心を一つにして一体になる」というコトの大切さです。
そして、自分のテリトリーに篭りっきりになるのではなく同職場内の別の場所・現場を見て、現実を目の当たりにし、重大なことに気がついたとき、そこでどう動くか、の大切さです。
勝てるマシンを造ろうと、現地スタッフの要望に応えるという、新たなプライドを見つけ、動き出したときの新村氏のピュアで熱い姿は私の心に響きました。
ストイックさだけではいけないし、ストイックさもなしにノンベンダラリとやってて周りや現場を見ようとしない(ただ「見る」のではなく「真剣に見る」のが大切!)のはもっといけない・・・。
相手への思いが伝わらない悔しさとはどういうことなのか、そして思いが伝わったとき・通い合ったときの集団が生み出す、奇跡にも似たチカラ―
それを教えてくれる物語です。
忙しいからといってその忙しさに溺れているだけの上席者に是非読ませてやりたい本です。

また、私は、日本車メーカーがどのようなストーリーをたどったかすら知らない、単なる「クルマ好き」ですが、これは、HONDAというメーカーが、どのようにして今日のようにあるかの一部分を知る物語でもあります。
「ホンダはホンダの道を行く―」
「最高の車を作るには、何が必要かを一気にわからせてくれる だから―俺たちにはレースが必要なんだ」

スポーツカー不毛の時代にあって、今もなお、エコロジーしながらとことんスポーツカーを追求するHONDAは、同じF1に参戦しているメーカーであり、日本トップの座をほしいままにしていながらマーケットを重視しすぎるあまりスポーツカーを出していないTOYOTAにないスピリットがある―
HONDAのチャレンジングスピリット、「R Spirit」に、このコミックで触れてみてください。

コミック版 「プロジェクトX 挑戦者たち」 ツッパリ生徒と泣き虫先生

2007-08-18 11:49:02 | おすすめBooks
サブタイトル:〈伏見工業ラグビー部〉日本一への挑戦
監修:プロジェクトX製作班/作画・脚本:六田 登
出版:宙(おおぞら)出版

私が大好きだったドキュメント番組、プロジェクトXのコミック版の紹介―これで第三弾になります。
かのドラマ「スクールウォーズ」や、照英さん主演の映画でも話題になった教育界屈指の伝説的実話ドラマ、伏見工業ラグビー部の、壮絶で人間豊かな物語が取り上げられました。
実は、私はドラマ「スクールウォーズ」を知らず、教員免許を取得するべく教職課程を選考している最中にこの回を見ました。それは、ロータリー2話が終わった次の回だったのです。
こんな先生が居たんだ、と圧倒されるばかりでした。
でも、プロジェクトXで見たときよりも、ドラマが伝わってくるのはこのコミック版です。

もう、どんなドラマか語る必要はないでしょう。
あえてここに書き記すとすれば、山口先生の心に響く一言が、表情豊かな漫画でつづられ(六田登先生はサーキット漫画・「F」の作者です、好きです)、プロジェクトX本編を見るよりも「スクールウォーズ」のドラマを再放送で見ている時よりも感動した、ということ、これは自信を持っていえます。特によかったのは、名門花園高校に118対0でボロ負けしたときに、山口先生がかけた言葉ですね。
「なんぼ相手が名門でも同じ高校生や・・・どうや荒木 お前なら喧嘩したら必ず勝つやろ どうや悔しいか?」
と部員たちに言ったその時、
「先生ッ・・・オレ悔しいッ 悔しいんじゃーッ」と泣いた部員たち。そのページを開くたびに熱いものがこみ上げてきます。

先生は本当に声かけが上手。生徒たちのよいところをうまく見つけて、心に響く一言を愛情込めて言う。それが一番素敵で、見習いたい部分です。
そして、ラグビーの精神である「ALL for ONE  ONE for ALL」の精神を懇々と語り、「お前は一人じゃない」と教えるところも。
ワルさしてるのを徹底的にしごいている先生は確かに壮絶だし、まんま体罰だらけだけど、私も両親には徹底的に叩かれて叱られてきたからよくわかる。
「何で怒られているのか、叱られているのかわかるから」

でも、主人公の山口先生ももちろん素晴らしい方だけど、陰で支える奥さん、立ち上がった先生、そして何よりも、先生のシバきに耐え、心を開いてひとつになった生徒たちが一番すばらしいな、と思うのです。それを考えたら、このストーリーの本当の主人公は生徒たちかもしれません(タイトルがそうなっているように)。
放送当時は、このお話が「プロジェクトX」に取り上げられるのは不思議な感じもしましたが、これは本当に勇気を与えられるお話です。

今回のコミック版はハンディバージョンではなく、定価1000円の「デラックス版(?)」です。ハンディバージョンにはない、山口先生のインタビューや、関連年表が挿入されています。その点も含めておすすめです。

ここで多くは語りません。
再放送後も人気が衰えることのない伏見ラグビー伝説へのプロジェクトストーリーに、このコミックでぜひ触れてみてください。

コミック版「プロジェクトX 挑戦者たち」Handy Version 運命のZ計画

2007-08-17 11:06:50 | おすすめBooks
原作・監修:プロジェクトX製作班/作画・脚本:横山アキラ
出版者:宙(おおぞら)出版

ロータリー編に続いて、「クルマもの」のプロジェクトX・コミック版です。
これもハンディヴァージョンで手にしました。

このお話は、単一車種では世界一の売り上げ台数を記録した伝説のスポーツカー、フェアレディZ誕生の知られざる物語で、「ミスターK」の愛称で呼ばれるZの父・片山豊、デザイナー・松尾良彦らを中心とした、苦闘の物語が描かれています。
ちなみに私は、Zを所有できる経済力はないですが、嫌いな車ではありません。いいクルマだと思います。モデルチェンジのたびの斬新なスタイリングは、幼い頃、わくわくして眺めたものです。

1960年代の欧米で日本車=「二流車」でした。そんな時代に、世界に通用するスポーツカーを作ろうとした人たち―。片山さんも、松尾さんも、社員の中では「浮いた存在」「問題社員」として通っていた人たちでした。しかし、「何とでも言ってくれ、おれはやる!」「そんなコトいったって、そう思ったんだからしょうがないじゃないか・・・」「のぞむところだ!」となにくそ根性でがんばって、自分のポリシーを見事に貫き通して成長し、幾多の試練を乗り越え、Zと言う車を作り上げたことで、認められたのです。「浮いた存在」=「出る杭は打たれる」の図式が成り立ちやすい日本にあって、ここまでできる人はそうないと思います。
自分も、よく集団や組織の中では「変わり者」「浮いた存在」としてとられがちだけれど、このお話に登場する技術者たちのように、熱い思いを抱いて事を成し遂げたことはまずありません。このコミックは、よほどの変わり者でも、浮いた存在の者でも、熱い思いを抱いて、とことんまでぶつかり合って、いい物を作っていこうとすれば成功するんだ、という好例であり、私の心の支えとなっている物語のひとつです。

「Z」の意味は「究極」「頂点」の意味もありますが、片山さんがアメリカに赴任したとき、餞別として渡された「Z旗」から由来しているプロジェクトから採ったということは初めて知りました。
Z乗りの人も、そうでなくても、日本のスポーツカーの道を切り開いたZストーリーにぜひ触れてみてください。

コミック版「プロジェクトX 挑戦者たち」Handy Version 夢のロータリーエンジン誕生

2007-08-17 11:02:38 | おすすめBooks
原作・監修:プロジェクトX製作班/作画:広井てつお
出版者:宙(おおぞら)出版

NHKの人気番組「プロジェクトX 挑戦者たち」のコミック版です。
これは、コンビニなどで売られているハンディヴァージョンで、書店で売られている書籍版とは違って手に取りやすいのが特徴です。

このお話は、MAZDAがロータリーエンジンを開発・実用化し、幾多の困難・危機を乗り越え、ル=マン24時間耐久レースを制覇するまでを描いたプロジェクトXの中では珍しい2話連続の「ロータリーヒストリー」を一冊にまとめたもので、東の本田(宗一郎)と並ぶ名物社長、松田恒治とロータリーエンジン開発部長山本健一の半生、そして、ミスタールマンの異名をとる寺田陽次郎の物語がつづられています。

プロジェクトXに関する本は多数出ているので、文字ズラの本の方が、読み物としてはいいのですが、とっつきやすさを求めるならやはりコミック版です。ビデオ版が出ていないお話のものは、特に番組内で流れていないエピソードも含め、内容を漫画という絵で見ることができるので、お勧めです。このロータリー2話もそのひとつで、現在ビデオが出ておらず、アンコールの放送でも2話を1回の番組でやってしまったので、残念だったこともあり、手に入れました。
ロータリースポーツの歴史本だけではわからない、ドラマティックなコミックなので、本放送を見逃してしまった方、プロジェクトXの世界をコミックで読みたい方、ロータリーのことを知っている人も知らない人にも、おすすめです。
ジャパン・パワー、技術屋の大和魂、そして「ロータリースピリット」をこのコミックで感じてください。

しろいうさぎとくろいうさぎ

2007-08-17 10:56:31 | おすすめBooks
著者名:ガース・ウィリアムズ作/まつおかきょうこ訳
出版者:福音館書店

このお話は絵本です。
今、絵本を読み聞かせるというコトの重要性が問われてきていること、そして、このお話の内容に感動したので紹介します。

原題「THE RABBIT'S WEDDING」とあるとおり、このお話は、「結婚」、もっといえば「愛すること」「気持ちを伝えるコトの大切さ」を教えてくれる絵本です。
森の中に暮らす小さなうさぎたちが、真実の愛を見つけるまでを、素直な文章と素敵な絵で描かれています。くろいうさぎの悲しい顔、しろいうさぎのびっくりした顔など、表情豊かに描かれているのがよいです。
好きな人といつまでも一緒にいるにはどうしたらいいだろう―?あまりにも純粋なコトに共感して、何度も何度も読みました。好きな人といつまでも一緒にいること、これほど幸せなことはないのですが、私自身は弱虫なのと、こんなに素直に気持ちをぶつけることができない・・・傷つくのが怖い・・・それができれば苦労しないよ・・・!と心の中で何度、何百回とおもったことでしょう。
でも、いつか、好きな人に勇気を持って、くろいうさぎのように心を込めていえるようになりたいなと思いますが―

そして、「好き」「いつまでも一緒にいたい」という感情だけでなく、人にわかってもらおうとする気持ち、相手の身になって考えて思いを伝えることの大切さも教えてくれる本でもありました。

この本には実はもうひとつ隠された意味があり、それは黒人と白人が結婚する事に対する理解を広める事だそうです。人種問わず仲良くすること、これもすごく大事なことですよね。
いつまでも大事にしておきたい絵本であり、結婚する親友にプレゼントしても喜ばれる一冊であると思います。