goo blog サービス終了のお知らせ 

Symphonyeel!(シンフォニエール!)

ようこそ。閲覧者の皆さんとのメッセージが響き合う場となってほしいナ―という想いで綴ってます

コミック版 「プロジェクトX 挑戦者たち」 ツッパリ生徒と泣き虫先生

2007-08-18 11:49:02 | おすすめBooks
サブタイトル:〈伏見工業ラグビー部〉日本一への挑戦
監修:プロジェクトX製作班/作画・脚本:六田 登
出版:宙(おおぞら)出版

私が大好きだったドキュメント番組、プロジェクトXのコミック版の紹介―これで第三弾になります。
かのドラマ「スクールウォーズ」や、照英さん主演の映画でも話題になった教育界屈指の伝説的実話ドラマ、伏見工業ラグビー部の、壮絶で人間豊かな物語が取り上げられました。
実は、私はドラマ「スクールウォーズ」を知らず、教員免許を取得するべく教職課程を選考している最中にこの回を見ました。それは、ロータリー2話が終わった次の回だったのです。
こんな先生が居たんだ、と圧倒されるばかりでした。
でも、プロジェクトXで見たときよりも、ドラマが伝わってくるのはこのコミック版です。

もう、どんなドラマか語る必要はないでしょう。
あえてここに書き記すとすれば、山口先生の心に響く一言が、表情豊かな漫画でつづられ(六田登先生はサーキット漫画・「F」の作者です、好きです)、プロジェクトX本編を見るよりも「スクールウォーズ」のドラマを再放送で見ている時よりも感動した、ということ、これは自信を持っていえます。特によかったのは、名門花園高校に118対0でボロ負けしたときに、山口先生がかけた言葉ですね。
「なんぼ相手が名門でも同じ高校生や・・・どうや荒木 お前なら喧嘩したら必ず勝つやろ どうや悔しいか?」
と部員たちに言ったその時、
「先生ッ・・・オレ悔しいッ 悔しいんじゃーッ」と泣いた部員たち。そのページを開くたびに熱いものがこみ上げてきます。

先生は本当に声かけが上手。生徒たちのよいところをうまく見つけて、心に響く一言を愛情込めて言う。それが一番素敵で、見習いたい部分です。
そして、ラグビーの精神である「ALL for ONE  ONE for ALL」の精神を懇々と語り、「お前は一人じゃない」と教えるところも。
ワルさしてるのを徹底的にしごいている先生は確かに壮絶だし、まんま体罰だらけだけど、私も両親には徹底的に叩かれて叱られてきたからよくわかる。
「何で怒られているのか、叱られているのかわかるから」

でも、主人公の山口先生ももちろん素晴らしい方だけど、陰で支える奥さん、立ち上がった先生、そして何よりも、先生のシバきに耐え、心を開いてひとつになった生徒たちが一番すばらしいな、と思うのです。それを考えたら、このストーリーの本当の主人公は生徒たちかもしれません(タイトルがそうなっているように)。
放送当時は、このお話が「プロジェクトX」に取り上げられるのは不思議な感じもしましたが、これは本当に勇気を与えられるお話です。

今回のコミック版はハンディバージョンではなく、定価1000円の「デラックス版(?)」です。ハンディバージョンにはない、山口先生のインタビューや、関連年表が挿入されています。その点も含めておすすめです。

ここで多くは語りません。
再放送後も人気が衰えることのない伏見ラグビー伝説へのプロジェクトストーリーに、このコミックでぜひ触れてみてください。


最新の画像もっと見る