goo blog サービス終了のお知らせ 

Symphonyeel!(シンフォニエール!)

ようこそ。閲覧者の皆さんとのメッセージが響き合う場となってほしいナ―という想いで綴ってます

「ハムレットへの音楽」より 『ハムレットとオフィーリア』 (A・リード作曲)

2007-08-20 18:42:36 | 聴きながら「お別れ」したい、私が泣いた曲
アルフレッド・リード=Alfred Reed (1921年1月25日 - 2005年9月17日)はアメリカの作曲家・指揮者。特に吹奏楽においては、この名を知らないものは居ないであろう、20世紀を代表する音楽家の1人である。
かの大曲「アルメニアン・ダンス」をはじめ、序曲、交響曲、組曲、その他作品において200以上の作品があり、そのうちのどれかに触れた・演奏したことのある吹奏楽人は多いはずだ。来日回数も多く、私自身も氏の指揮で、序曲「カーテンアップ!」を演奏したことがある。

今回、「泣ける曲」として残しておきたいのは、そのリード氏が作曲したウィリアム・シェイクスピア戯曲シリーズの「ハムレットへの音楽」の第二楽章・「ハムレットとオフィーリア」である。
「ハムレット」の作品概要、及び、この楽章が戯曲のどの部分の場面であるかは割愛させていただくことにして、まずは聴いていいただきたい。
クラリネットの静かなコラールと、カップミュートを装着したトランペット・トロンボーンのハーモニーに続き、木管が歌った後、オーボエの長いソロが続く。この旋律が涙を誘う。次第にホルンのオブリガードを伴ったヤマを迎え、静かに曲が閉じられる。

このテの哀愁を帯びた旋律を持った楽章を持つ曲は、リードの全盛期の作品に多く見られており(『プロセルピナの丘』や『オセロ』の第3楽章「オセロとデスデモーナ」etc…)、私自身が、高校2年生の夏、吹奏楽コンクールに出場した際の自由曲だったこともあり、取り上げた。わたしのパートであるトロンボーンは出番がほとんどないのだが、「ハムレットの、オフィーリアへの実らぬ恋」という観点から見ても、ハムレットの「悲劇的な最期というものを暗示させる」という観点から見ても、少ない出番を演奏し、曲を聴いていると、この楽章の持つ抑揚感はすばらしく、涙腺が緩む瞬間が非常に多い。

余談だが、吹奏楽にまつわる楽器を演奏している、あるいは実際に演奏している人間の中で、リードの作品が「大好き!」という人と「大嫌い!」という人は結構はっきり別れている傾向が強い。わたしは「聴くには楽しいけれど、演奏するとなるとちょっと・・・」という感じで受け止めているのだが―

音源は多数あるのでいろいろ捜してみるとよいが、あえて無難な線で、東京佼成WO演奏・リード氏自ら指揮をした、このアルバムを。

アルフレッド・リード作品集 KOCD-3553
Music for “Hamlet“
Ⅰ)プロローグ:エルシノア城とクローディアスの宮殿
Ⅱ)ハムレットとオフィーリア
Ⅲ)俳優たちの入場
Ⅳ)エピローグ:ハムレットの死


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
気軽に思索の旅へ (誕生石はアクアマリン)
2008-03-13 14:45:59
「ハムレット」の音源を探し求めていたときにこの記事にたどりつきました。
私も吹奏楽部でした。高校三年の定期演奏会で、この「ハムレット」を吹いたんですよ。1stクラリネットです。「オーボエの長いソロ」の部分は、私がクラリネットでやっちゃいました。あの旋律は、思い出しただけでも涙しちゃいます。
実はブログで、高校のころの話を少しずつ書いています。その中で、この「ハムレット」に触れようと思っています。あなたの表現を借りるならば、当時「ハムレット」を吹いたことが、その後の「キツイ」状態をまさに「暗示」しているようです。
もしよろしければ、この記事にトラックバックを送信したいと思っています。プロフィール→プライベートメッセージへお返事をいただければうれしいです。
返信する
気軽に思索の旅へ (誕生石はアクアマリン)
2008-03-14 11:43:20
「ハムレットへの音楽」の記事は、了承を得てから書こうと思っていました。すみません。混乱させてしまいましたね。もう少ししてから書きます。
返信する
気軽に思索の旅へ (誕生石はアクアマリン)
2008-03-17 10:12:45
この曲を聞き直しました。ちょっと私、勘違いしてたかな?おしゃっている「オーボエの長いソロ」はオーボエが吹いていたと思います。どこかのソロ部分をオーボエの代わりに吹いた記憶があったので、勘違いしちゃったと思います。すみません。
返信する
「誕生石はアクアマリン」さんへ (Hibiki@管理人)
2008-03-17 23:27:58
たびたびコメントありがとうございます。

オリジナル曲は「ドラマ感」というか、そういったモノ・・・なんというか、「音楽性が低くつまらない」という意見が、自分の周囲において圧倒的に多いのです。
そんな中、私は、いくつかのオリジナル曲を愛して止みません。
これもそのうちの一つです。


今でもスコアを見ると思い出します。
リードの中は「オセロ」はウィンドアンサンブル的に、「ハムレット」はシンフォニックバンド的に書かれているような感じなんだ―という顧問の先生の下、練習に励んでいたあの頃を―
影譜が色々振られていて、そんな中でも先生は必要な楽器を全てそろえ、「この楽器の音が欲しいからその楽器で演奏しなくちゃ意味がナイだろ―」と言いながら指揮を振っていたことを―
私が学生指揮者の選考で、見事に大多数を占める女子部員から嫌われて、それでもなお、ひそかにスコアを持ち出し、自分でコピーして何度も参考音源を聴きながら和音や旋律の間を追っていた日々のことを―

「オリジナル曲」を含めた音楽の話ができる人の書き込みがこうしてあるのは非常にありがたいことです。

勘違いでもイイ―
こうして一つの曲に思いを馳せて書き込みをしてくれる、それで十分なんです、それでいいんです。


また遊びにいらしてください。
お待ちしております。
返信する