お多福 満腹 大福帳

金沢でお芝居にかかわっています。
今かかわっている舞台などの情報や、お芝居についての思いなど書いていきます

「憎悪」見てきました

2006年10月29日 | 観劇レポート
感想を…と思いましたが、来週も公演があるので、
ネタバレになっても申し訳ないし、
まだ見ていない方が偶然ここを見て先入観を持ってしまってもいけないと思い、
感想は来週の公演が終わってから書くことにしました。


2週に渡っての公演は、若手の劇団にするとわりと珍しいかもしれません。
1週目を終えて、じっくり劇場で手直しすることができるというのは、
とても贅沢なことですよね。

やってみて不都合だったところや、
お客さんの反応を感じて初めて気づいたところを時間をかけて練り直して、
よりよい舞台を目指して行くやり方はいいなぁと思います。

ジョキャニーニャのカンパニーの皆さん。
来週も頑張ってください。

劇団coffee ジョキャニーニャ公演 「憎悪 (ロミオ)」

2006年10月23日 | 各劇団公演案内
今週末から2週に渡り、劇団coffee ジョキャニーニャの公演が始まります。

   「憎悪 (ロミオ)」

 10月28日(土) 20時半~
 10月29日(日) 14時~ ・19時~
 11月 4日(土) 20時半~
 11月 5日(日) 14時~

    金沢市民芸術村 PIT2 ドラマ工房
    
    前売り 1500円
    当日  1800円

 出演     中里和寛
        岡崎祐亮
        吉原亜紀子(劇団ドリームチョップ)
        酒井智美(劇団羅針盤)
        中川佳奈(フリー)
        佐々木具視
        坂本裕美
        近藤隼人


「男の花 女の冠」でスタッフを担当してくれた吉原さん。
チャレンジ公演で同じ舞台にたったかなちゃんが客演しています。

ジョキャニーニャの公演は、思い切り大笑いさせてくれるので、
今からとても楽しみにしています。

12EXperience vol.15 「REVOLVER 8.14」で、
なかなか味のあるキャラクター頁を演じた中里くんにも期待。
もちろん、岡崎くんのパワフルな姿にも期待しています。

若々しくパワフルな舞台が見られると思います。
お時間のある方は、ぜひ!
 

劇団四季「異国の丘」を観てきました

2006年10月04日 | 観劇レポート
久々の劇団四季観劇でした。
正確な年数は覚えていないのですが、ひょっとしたら10数年ぶりのような気がします。

10代の時に見た「コーラスライン」。
多分初演だったと思います。
前田美波里さんが出ていたのですから。
もう、それが素晴らしくて終演後、あまりの感激に椅子からたちあがれませんでした。
自分が芝居をしているというのが恥ずかしくなるような、
そんな舞台でした。
その後、立て続けに四季を見つづけていた時期がありました。
コーラスラインも再演のたび、3度ほど観劇したのですが、
観るたびに、初めて見たときの感激の度合いから下がっていくのが悲しくなり、
観るのをやめてしまいました。

芝居というのは、そのときの自分のおかれていた境遇やその日の自分の体調、
観るときの環境、など様々なことに影響されて
面白かったり面白くなかったりするものだと思います。
あの、初めてコーラスラインを観た日を超える日は、もう2度とないのかもしれません。

で、異国の丘です。
大変良い席で観ることができ、開演前からわくわくしていました。
幕があがり、紗幕に描かれたシベリアの大地の白樺の木越しに
捕虜となった男たちが浮かびあがり、荘厳なコーラスがはじまりました。
素晴らしい歌声です。
圧倒的な声量と、声の厚み、深み、表現力。
さすがだなぁと感心していました。
ところが。
歌が終わり、台詞のやりとりがはじまって私はとまどいました。

独特の台詞まわしに面食らってしまったのです。
もしかして、外国人の役?
日本語が不自由という設定?
でも、九州弁や関西弁を話しているので、それは違うようです。
一部の人だけの特徴かと思えば、舞台にいる全員が同じ喋り方をするのです。

たしかにとても明瞭な発声。
全員がもの凄くいい声です。
でも、全ての言葉に力をいれ、母音をやたらめったらはっきり発音し、
距離感もへったくれもないやりとり。
え?
こんなんだったっけ?
あ、きっとシベリアの雪原で話しをしている設定だからかなと無理やり納得しようとしたのですが、
舞台が過去にさかのぼり、アメリカのパーティー会場に移っても、
全く同じだったので
あ、これが四季のミュージカルの台詞なんだと理解しました。

いつからこんなふうになったのかは知らないけれど、
正直度肝を抜かれました。

歌もダンスも、本当にすごいです。
素晴らしいです。
でも、台詞のやりとりになると、私はどうしても感情移入できなくなり、
思考が停止してしまいます。
これは、こういうスタイルなんだ。
こういうものなんだ。
と言い聞かせても、受け入れることができませんでした。

台詞のやりとりをいっさいせずに、全て歌とダンスだけで表現してくれれば、
おそらく感動したのではないかと思います。

もちろん、人の好みはそれぞれです。
あれがいいのよっ!とおっしゃる人もいるのでしょう。
でも、私はダメでした。

そして、これも仕方のないことなのかもしれませんが、
全ての情報を台詞で説明しているのも聞いていて厳しかったです。
絶対、そんなこと口に出して言わんだろうと説明台詞につっこみたくなるのです。

戦争はいけない。
戦争でたくさんの人がなくなった。
人の命の尊さを考えよう。

まったくおっしゃるとおり。
一部の隙もない、テーマのお芝居です。
でも、それを真っ向からあの台詞まわしと発声法で長時間に渡って訴えられると、
ごめんなさい、疲れました。

今度、四季を観るときは底抜けに明るいダンスと歌だけでつづるブロードウェーミュージカルにしたいです。

シルバーライニング・プロデュース公演「最後の恋」を観てきました

2006年10月03日 | 観劇レポート
市民劇場の例会で「最後の恋」を観てきました。

今回は、運営サークルだったので数回の会議に出席したり、
1名だけですがお誘いして会員になってもらったり、
目の不自由な方のための声の通信文の朗読をしたり、
当日パンフレットの販売をしたりと、
久しぶりに積極的な参加をした例会でした。
その分思い入れもあり、会員数がとりあえずの目標の二千名に到達したことを嬉しく感じました。
昔は、もっと会員数が多くて例会の回数が多く
行きたい日を選ぶ選択肢が多くて助かったのですが、
現在はなんだか寂しいことになっています。
あと百名増えれば例会数を1回増やせるとか。
先は長いけど、地道にやっていくしかないのでしょう。

会員の顔ぶれを見ると本当に年齢層が高く、
10代20代の人がとても少ないです。
私ですら「若い人」に分類されるのですから驚きです。
例会でとりあげられる作品が、どうしても現会員の要望に添ったものになるため
若い世代には敬遠される内容が多くなり、
そのため新しく入会する若い人が少なくなるという、
蟻地獄になっている気がします。

たしかに、今回ははずしたなぁという例会もありますが、
全く期待せずに観たものがとても良かったりすることもあるので、
なんとか若い世代の人も会員になって見続けてほしいものだと思っています。


さて。
今回の「最後の恋」の主演鶴田忍さんは、
2時間ドラマや連続ドラマで味のある脇役を務める事の多いベテラン俳優です。
鶴田さんが、能登を舞台にしたNHKの連続ドラマ「海図のない旅」に出演された際、
夫と私は方言指導で参加しました。
能登ロケも、名古屋のスタジオでの長期収録にも交替で付き合った折に、
鶴田さんには大変お世話になりました。
その後、「蜃気楼」東京公演にも観に来ていただいたりもしたご縁で、
昨日は楽屋を訪ねさせていただきました。

出ずっぱりの舞台、膨大な台詞、長期の旅公演にもかかわらずお元気そうで、
プロの役者さんの体力、気力に感心しました。

舞台のほうは、なんだかかなり分かりやすくすることを重視した演出で、
ちょっと説明的な演技や台詞まわしに戸惑うこともありました。
でも、年齢層の高い市民劇場の会員の方たちにはうけていたので、
これはこれでアリなのだろうなと思います。
3人の女優さんが1場づつ、交替で出てきて全て2人芝居で進んでいくため、
観客を飽きさせないようにしているのでしょう。
洋物の芝居は、国民性の違いというか風俗風習感性が根本的に理解出来ない部分があり、
正直苦手なのですが、
今回の芝居は主人公の年齢や結婚年数が、うちと近いため
とくに3場のやりとりはちょっと身につまされたり、じーんときたりしました。
3場の鶴田さんの包容力ある演技は、とても良かったなぁ。

それにしても、アメリカはあんなに心を病んだ人が多いのだろうか?

最後はハッピーエンドだったからいいけど、
心を病んだ人を明るく演じられると、まわりがみんな笑っていても
私は胸が痛くなってしまって辛かったです。
やっぱり、もっとからっとしたコメディーが観たいかな。