お多福 満腹 大福帳

金沢でお芝居にかかわっています。
今かかわっている舞台などの情報や、お芝居についての思いなど書いていきます

ヴォイスサークル金沢朗読公演 「注文の多い料理店」と「どんぐりと山猫」

2006年12月30日 | 各劇団公演案内
明日、31日(日)
金沢市民芸術村PIT2 ドラマ工房にて、
ヴォイスサークル金沢朗読公演が行われます。

芸術村のオールナイトイベントの一環として、
入場無料で行われます。


「どんぐりと山猫」  18時半・20時・21時半
「注文の多い料理店」 19時15分・20時45分・22時15分

演出     椿つねひろ

出演     市川幸子 川本千晴 佐藤マスミ 太島光一 茶谷明子 
       中川佳奈 西尾実奈 椿つねひろ

照明     松本徹(照研)
音響     東修
舞台監督   金山古都美


私は、明日観に行けないため
本日のゲネを観せてもらいました。

楽器やドラを使ったり、
スライドの映像を投影したり、
多少の動きもいれて、
朗読公演とはいえ観客を飽きさせない工夫が随所に見られました。

今日はちょっと出演者の皆さんが、固くなっているところがあったのか、
走り気味になっている部分がちょっと気になりましたが、
おそらく明日お客さんが入れば、落ち着くのではないでしょうか。

宮澤賢治の作品は、いろんな解釈のしかたができる、
やりがいのある作品です。
どんぐりと山猫については、
ちょっと私の解釈と違う部分もあったりしたのですが、
見る人によっていろんなとり方ができるのが
賢治の作品の良いところでもあります。

大晦日のひととき、
賢治の世界にひたって1年を振り返るのも
すてきな時間の過ごし方だと思います。

両作品とも、20分前後の短編ですが、
長時間に渡って交互に上演されます。
出演者の皆さんは、その間緊張感を持続させないといけないので、
なかなか大変かもしれませんね。

公演の成功をお祈りしています。

お時間のある方、ぜひご来場ください。

ドラマ工房☆キッズ☆クルー公演「青い鳥」

2006年12月25日 | 観劇レポート
クリスマスイブの24日、観てきました。

「青い鳥」は8年前の初演の際は、保護者として
スタッフで参加した思い出の公演です。
当時は、夫が演出兼犬のチロの役。
娘がチルチルを演じていました。

台詞も歌も、どれもこれも懐かしくて、
8年の歳月を振り返りつつの観劇となりました。

初演の際は、主要な役を地元の演劇人が演じていましたが、
今回はほとんどの役をキッズ☆クルーの子供達が演じています。
その数なんと31名!
こんなにたくさんの子供たち、それも個性豊かな子供達、
ひとりひとりに目配りをして今日の日を迎えた
キッズ☆クルーの指導者や、関係者の皆さんは
どんなに大変だったろうかと思います。

どの子も一生懸命に、自分の役柄を演じ、
その子が持っている最大限の力を発揮しようとしています。
何よりもみんなほんとに生き生きしているし。
うまいとか下手とかいう以前に、
そこにそれぞれがそれぞれの存在の仕方で参加していることに、
感動しました。

私のそばに座っていたおじいちゃんが、
上演中、何度もメガネをはずして涙をぬぐっておられました。
終演後隣りのご婦人に
「感極まりました。人前で喋れないし、家の中でも元気に喋れなかった孫が、
 あんなに立派な姿で一生懸命舞台に立って、台詞を言って…」
と話しておられるのを小耳にはさみ、
思わず私ももらい泣きしてしまいました。

このおじいちゃんにとっては、
何よりもクリスマスプレゼントになったことでしょう。
多分、家に帰られてうんとお孫さんを誉めてあげるんでしょうね。
そしてそれは、他の30人の子供達それぞれにもあてはまるのだと思うと、
温かい気持ちになりました。


スタッフとして参加されていた保護者の皆さんの頑張りにも驚きました。
小道具や衣装造り、受付まわりなど、
皆さんで力を合わせて公演を支えたそうです。
衣装も小道具もカラフルで素晴らしく、
8年前のものに加え新たにたくさんのものを製作されたと思いますが、
大変見事でした。

脇を支えた指導者の皆さんの演技も、こどもたちの芝居を引き締めていました。
ひとちゃんの夜の女王、迫力と貫禄たっぷりでした。
みついさんのお母さんの歌や、おばあちゃん役の演技さすがでした。
愼君も、お父さん役や時の老人という老け役を難なくこなしていました。
夫には、おじいさん役と樫の大王の台詞回しがほぼ同じで、
2役バレバレ(むしろその2役に深い意味があるのかと勘ぐりたくなった)と
ダメ出し(笑)をしておきました。

保護者や、保護者OBの皆さんによる母達のコーラスも良かった!
未来のこどもたちの合唱がいちばん好きでした。

実は、こどもと接するのが苦手で、
どうつきあっていいか戸惑うことの多い私ですが、
(だからこそ、キッズの指導者の皆さんには頭が下がります)
この公演で「ああ、こどもっていいなぁ、かわいいなぁ。」
としみじみ感じました。



「土田英生戯曲講座」第二回 報告レポート 2日目

2006年12月19日 | 戯曲講座
2日目は、朝10時から。
昨日と同じメンバーが集まりました。

さて、今日は前もって提出したあった課題について
土田さんから個別に添削してもらいます。
その間、各自昨夜みんなで考えた模擬プロットをふくらませて、
箱書きをつくる練習をすることになりました。

箱書きと言う言葉、戯曲を書いた経験がある人はご存じかもしれませんが、
実は私は初めて聞く言葉でした。
あらすじとか、プロットというのは、
話しのながれや設定を書いたものですが、
それだけではいざ台詞を書き出そうとしたとき、
どうすすめていけばいいか分からないことが多いようです。
登場人物が抱える背景や問題点が、どんなに面白くても、
それをどう台詞にしていくのか、
どんな順序で展開させていくのか、
それらをきちんと自分の脳内劇場で思い描き、
具体的に役者の動きや舞台への出入りを書いていく。

場ごとに(もしくは暗転ごとに)大きな箱をつくり、
そこへ細かく登場人物の動きを書き入れていく。
それが、箱書きだそうです。

ずっと場面が変わらず、一場だけで終わる芝居の場合は
箱はひとつ。
そのひとつの箱のなかに、芝居の流れが分かるように、
動きを書き入れていくわけです。

昨日作った摸擬プロットは、設定までで結局どうなるのか、
ラストはどうなるのかは決まっていません。
それも含めて自分なりに箱書きにして、
イメージを具体化していくことになりました。

それと同時進行でひとりひとり名前を呼ばれ、
後ろの席で提出した課題を添削してもらいます。

私はあまり集中力が長続きしないほうなので、
ひとりで箱書きを書いていても、行き詰まってしまい、
ついつい周りの人に話しかけてしまったり、
後ろで土田さんが他の受講生に向けて話している内容が気になり、
耳ダンボ状態になってしまったりで、
できの悪い小学生の自習時間みたいなことになってしまいました。
ものを真剣に考える時は、自分の家でひとりで集中するか、
もしくは昨夜のように、多人数で
あれこれケンケンがくがく話し合って頭を働かすかの
どちらが私には向いているのだと痛感しました。

課題は私は一応、1本完成させて提出しましたが、
20分くらいのものという条件をクリアできず、
だらだらと結局30分を超えるものになってしまいました。
でも、1本完成させて提出したのは私だけだったこともあり、
とりあえず完成させたことを評価してもらえました。
そして、これをこのまま書き足していって、
長いものにしていくようにすすめられました。

土田さんは本当に細かいところまで読んでいらして、
ちょっとした言葉の言い回しや、
台詞の嘘くさいところ、ムダな説明になっているところ、
矛盾点などを、原稿に赤で印をつけてあり、
ひとつひとつ指摘してくださいました。
そして、どうすればいいか見本のひとつとして提案していきます。

ついつい説明しなければならない場面の台詞は長くなりがちなのですが、
それを、間に他の人の台詞をはさむことで回避したり、
ギャグの部分がさらに生きるためのちょっとしたこつなどを
例を挙げながら教えていただきました。

私はついつい、台詞を理路整然ときちんと主語述語を正しい順にして
書いてしまいがちです。
自然な会話というのは、主語が抜けていたり、
先に結論や動詞がきて、あとで付け足したりということをしているはず。
書き言葉にならない、自然な台詞を心がけるように注意されました。

あとは、登場人物同士の感情の対立場面が唐突過ぎる点。
どうしても、そのシーンを書き込みたい私は、
ついつい性急にいきなりそこへもっていってしまいます。
「喧嘩が始まるときは、そんなにいきなりではないはずだよ。
 何かきっかけがあって、しかもそのきっかけはできるだけバカバカしいことのほうがいい。
 そのきっかけから少しずつ感情のズレに持っていくほうが
 お客さんも納得するし、ひきこまれる」
言われてみればそのとおりです。

いきなり本題から言い争いになることは確かに少ないです。

そういえば、今まで私が観た土田さんの作品
「初恋」「遠州の葬儀屋」「約三十の嘘」「燕のいる駅」などなど、
どれも日常のほんの些細なことを喧嘩の導入として使っていて、
それがとてもリアリティをもって胸に迫ってきました。

戯曲講座のあと、家にある土田さんの作品のいくつかを
観てみて改めて納得しました。

さて、3月10日までに通常の芝居の長さを想定した
箱書きを書いて提出することになりました。
次回の講座ではそれをもとに講義があるようです。
「男の花 女の冠」の稽古と本番をはさむので、
私はできるだけ早めにめどをつけないと。
同時進行で他のことができない不器用タイプです。

次回の講座も、とても楽しみです。

そして、3月10日のMONOの北九州公演「地獄でございます」
観に行くことになりました!
こちらも、今からわくわくしています。


「土田英生戯曲講座」第二回 報告レポート 1日目

2006年12月17日 | 戯曲講座
16日(土)19時~21時半と、17日(日)10時~13時、
待ちに待った戯曲講座第二回目が開かれました。

課題はなんとか提出したものの、
おそらくつっこみどころ満載の出来であるとは覚悟していました。
それでも、講座が楽しみだったのはやはり土田さんの講義が
楽しく、身になるものであるということが前回で身にしみているからだと思います。

何人かの知人の演劇関係者に
「絶対、聴講だけでもしたほうがいいからっ!」と力説し、
すすめるほど私は講座の内容に満足しています。

さて第1日目の様子から。


この日は、全員で模擬プロットを作ってみようということで始まりました。
いろんな戯曲の作り方があるけれど、
とりあえず基本的な方法として、やってみることになりました。
そのまえに、プロットづくりをする上で注意すべき点について
土田さんから説明がありました。

戯曲というのは、映像とちがって自由に場面や時間を変えにくい。
たしかに暗転を利用すると、時間や場所を変えることができるが、
よほど面白い工夫がないかぎり、暗転というのはお客さんが飽きてしまう。
なるべく暗転は作らずすすめる工夫をしょう。
ある程度、場面をひっぱらないと成立しずらい。

舞台は、お客さんとの空気のかけひきであるから、
芝居がはじまってすぐは、お客さんが
舞台の世界に入っていくためのストロークが必要。
はじまってすぐの間は、台詞が意味として聞こえてこないことが多いので、
凝縮した場面や台詞をつくってひきこんでいかないといけない。
そのためには、凝縮するための場面や、登場人物の配置が大事。

などなど。
一生懸命、メモしたのですが、まだまだ書き漏れがあるかもしれません。
この説明の間に、サービス精神旺盛な土田さんは、
ギャグやご自身の見聞きした経験を面白おかしくさしはさんで、
分かりやすく楽しくすすめます。

で、具体的に模擬プロットをみんなで考えていくのですが、
そのときも、登場人物の決め方として、
はじめから大人数を考えると、
ひとりひとりに事情や抱える問題を設定していく際に、
ハンデになるので、
はじめは最小限でいってみようということになりました。
そして、どうしても必要な場合のみ、増やしていこうということでした。

登場人物の性別、年齢、2人の関係、舞台となる場所、時間、
2人がかかえる問題などを、
順にひとりひとり、思い思いに提案していきます。

で、30代後半の宅配業の兄と、20代前半のベリーダンサーの妹が、
病院のなかにある花屋の前で、深夜2時にもめている
という何がなんだかわからない設定が決まりました。
私はどうしても無難に無難にまとめようという気質があるのですが、
びっくりするほど突拍子もない発想をする人もいて、
面白いものだとつくづく感じました。

で、なんで花屋の前で深夜2時にもめる必要があるのか、
みんなで考えていきます。
演劇というのは、突拍子もないあり得ない設定に、
何か小道具なり、理由なりを付け足してどうリアリティをもたすかなので、
それを考える練習としての模擬プロットづくりです。

誰かが何かを提案すると、
他の誰かが、「いやいや、それはムリだろう」とか「嘘くさいのではないか」
「だったら、こういうふうにすればつじつまがあうのでは?」
などと考えていきます。

通常はこの作業をひとりでやっていくわけです。

これを説明するのに、土田さんはノストラダムスの話をしてくれました。
ノストラダムスは、予言の書を執筆する際、
息子に様々な質問をしてもらい、それに答えるかたちで
予言をまとめていったとのこと。

テレビの脚本をたくさん手がけている土田さんは、
テレビの脚本づくりについても紹介してくださいました。
打ち合わせということで、ブレーンが集まり、
あらゆる視点から脚本家に質問していって詰めていくそうです。

なるほど、視点を変えた質問をしていくことで矛盾点や問題点というのは
見えてくるものです。

ということで、
結局この兄妹は、明日大手術をするお父さんのために、
5年前熟年離婚をして出て行った行方知れずの母親を呼ぶかどうかを
もめているという設定が決まりました。
で、なんで花屋の前かというと、
その花屋は実は、父親が経営していた花屋で、
そこにはお母さんの連絡先が分かる何かがあることにしょう…
ということになりました。

でも、これでも矛盾点はたくさん、つっこみどころもたくさんあります。
それをパズルのように、あれこれ入れ替えたりしつつ
埋めていく作業をしました。


最後に土田さんから、なぜプロットづくりが大事かという説明。
ストーリーやあらすじを決めただけでは、
実際に台詞を書き始めようとしたときに役にたたない。
登場人物が抱える背景や問題を決めただけでは、
説明台詞ではなくそれをお客さんに伝えるのは難しい。
それらをどういうかたちで表現するのかを、
考えるためにプロットづくりや箱書き(←コレに関しては次回)が必要である。
舞台上ではつねに何か事件やできごとが動いていないと、
説明ばかりだとたいくつであり、
登場人物のなかになんらかの対立の構図をつくることで
興味をひっぱることができる

というような内容だったと思います。
わ~、どなたか、フォローよろしくです。

丹念に、丁寧に、分かりやすく、
戯曲を書き始めるための準備段階について講義していただきました。

2日目は、課題提出者への個別の指導と箱書きつくりについて学びます、
ということで1日めは終わりました。

このあと、土田さんを囲んで受講者有志と飲み会に行きました。
私は、先日の「東京タワー」のドラマについて、
あれこれ質問できてとても楽しい時間を過ごすことができました。

2月~3月初旬にかけてある劇団MONOの新作公演のちらしや、
3月にある土田さんの作品を生瀬さんが演出する舞台のちらしをいただきました。

2月~のMONOの公演は、「男の花 女の冠」の稽古と本番にもろかぶりなので、
見に行くのが難しいのですが、
唯一北九州公演のみ、「男の花 女の冠」公演終了後なので
日程的に行けそうでした。
壱ちゃんとなんとかして行きたいよねと盛り上がりました。


わ~、気がつけばまとまりのない
長文レポートになってしまいました。
お読みくださった方、ありがとうございます。

聴講生から受講生に切り替えて、本当に良かったと思っています。

では2日目のレポートはまた後日!





wowowo加入しました

2006年12月14日 | その他
ついに、わが家もwowowに加入しました。

どうしても、今月のラーメンズ「アリス」と、
ラーメンズの片桐くんとシティボーイズのきたろうが共演した舞台「泥棒役者」
シティボーイズの「マンドラゴラの降る沼」が見たかったからです。

で、番組一覧を調べたら、
NODA・MAPの「贋作・罪と罰」(←松たか子主演のやつ)や
「走れメルス」(←深津絵里主演のやつ)とか、
「魔界転生」(中村橋之助と成宮寛貴)、
「天保十二年のシェイクスピア」(唐沢寿明と藤原竜也)までオンエアされると知り、
もう大騒ぎです。

来月は、新年早々三谷幸喜が作・演出したパルコ歌舞伎「決闘!高田馬場」。

wowowのほんの初期に、加入していたときは、
こんなにステージの放送はなかったように記憶しています。

これでは、スカパー!のシアターテレビジョンよりも
私好みの舞台のオンエアが多いかも知れません。
もっと早く加入しておけば良かったとちょっぴり後悔しています。

なかなか、東京まで芝居を観に行くことができないので、
これだけオンエアしてくれるとほんとにありがたいです。

もちろん生の舞台に勝るものはないのですが、
それでも観られないよりはよっぽどいいです。
いつも演劇雑誌の記事や、写真で内容を想像するだけだったので、
とても嬉しいです。

でも、ちょっと自分で驚いているのは、
自分の好みの舞台が商業演劇に傾きつつあるということ。
若いときは小劇場ばかり観ていたのですが、
その頃小劇場でばりばりやっていた役者も演出家も皆、
商業演劇のほうに移動?して、随分魅力的なメンバーが揃い、
新劇の役者と小劇場出身の役者、映画やテレビ出身の役者との
コラボレーションを楽しめます。
しかも予算をたっぷりかけた豪華な舞台を観ることができます。

もちろん、小劇場には小劇場の良さがあるのですが、
残念ながら私の世代が観てしっくり来る小劇場が
だんだん少なくなってきています。
それに、まめに新しい小劇場をチェックする時間も情熱もなくなり、
新しい出会いが減っています。

これではいけないと思うのですけど。

どこかオススメの、新しい劇団とかあります?

来年は、なんとか観劇旅行の回数を増やしたいものです。

それまでは、wowowと、シアターテレビジョンでがまんです。

情報宣伝用の写真撮影をしました

2006年12月13日 | 「男の花 女の冠」本公演 稽古場より
今夜9時に集合して、
宣伝用のキャスト集合写真を撮りました。

キャストが決定して、これが初めての顔合わせとなります。

写真撮影に入る前に、
今後の稽古予定をたてるために、スケジュール申請表を
演出助手のコトミさんと小川さんからもらい、
記入していきます。
稽古日程をを一覧表にすると、なんだか日があるような錯覚に陥るのですが、
実際の実質的な稽古時間はほんとに短期間です。

いかに濃密な稽古にしていくかが鍵だと思いました。

「お~い、幾多郎」のときのように、事前に自主稽古は行わず、
西川さんが稽古場入りされる前日に、
一度だけ確認作業としての読み合わせをすることになりました。

たしかに、演出家不在のままああだこうだやっても、
船頭のいない船のようなもの。
演技や役の解釈を勝手に固めず、演出が入ったときに柔軟に対応できるように
準備しておくことになりました。

写真撮影は、ドラマ工房内で行いました。
今、ドラマ工房はキッズクルーの公演「青い鳥」のための舞台と客席が作られていました。
キッズクルーの子ども達の稽古が終わるの待って交替。

今回、夢二とたまきの間に生まれた息子チコを演じるのは、
キッズクルー所属の男の子所村ゆうたくん。
ゆうたくんもまじって準備です。


この写真は、写真撮影しているところを小川さんに撮ってもらったものです。



さて、どんな写真になっていることやら。
上は白いシャツ、下は黒っぽいものということで統一しました。
集合写真なので、ほとんど下は写らないとは思ったのですが、
私はちょっとした遊び心で長めのカフェエプロンに黒いパンツを合わせてみました。
女将なので、前掛けをしている…という自分なりのこだわりです。
全然うつってないけど。
いいんです。
自己満足です。あはは。

てなかんじで、初顔合わせの夜は終わりました。

次回、みんなと会うのは年があけて、7日に新年会で。
場所など詳細は未定のようですが、
稽古開始にむけて少しずつチームワークができていけばと思っています。

また、稽古場の様子や関係者の紹介記事など少しずつUPしていきますね。




Tone!Tone!Tone!第4回公演「銀河鉄道の夜」を観てきました

2006年12月12日 | 観劇レポート
12月10日(日)芸術村、パフォーミングスクエアでの公演を観てきました。

Tone!Tone!Toneの公演を観るのは、実は初めてです。

3月の「男の花 女の冠」本公演で車夫を演じる上山くんが出演するということで、
10時半からの公演を観に行きました。

10時半!
もしかして、大人の劇団の公演で10時半という時間に公演するのは、
ここだけではないでしょうか?
最近、レイトショーを各劇団がどんどんとりいれているなか、
これはとても画期的です。
私、個人的には午前中に観劇ができると午後の時間があくので、
正直とても助かるのですが、
一般的に果たして10時半という時間帯に
お芝居を観に来る人がたくさんいるのだろうか?
と、ちょっと不思議に思いつつ、会場に着くと、
なんと客席は8割以上埋まっているのではありませんか。
これには驚きました。

出演者が28人という大所帯、チケットが500円という破格の安さということで、
動員数が多いのでしょう。
うまく3公演にお客さんがばらけてくれたということなのかもしれません。

ただ、パフォーミングスクエアに作られた座席、
前方4列にフラットに椅子が並べられ、
その後方に一段あげて4列ほどの椅子がまたフラットに並べられていました。
私は前方の4列目に座ったのですが、
客席から舞台が見えにくく、役者が座ったりすると完全に見えないのが、
とても残念でした。
芸術村の何もないところでの客席造りは、たしかに手間暇かかって大変ですが、
どの席からもストレスなく見える客席造りを工夫してほしいです。

さて、感想です。
まもなく開演のアナウンスとともに、舞台から
衣装をつけメイクをした役者たちが、次々と登場し、
客席の中を縦横に自由に動きまわります。
来てくれたお客さんたちに挨拶し、会話しています。
みんな生き生きととてもいい顔をしているし、
お客さんも皆嬉しそうです。
こういう始まり方、以前市民劇場で俳優座の「十二夜」を観たときも
こんなかんじでした。
これから何が始まるんだろうという、わくわく感があり、とてもいい感じです。

今回のこの公演の場合、3公演の開演時間から察するところ、
終演後のお客さんの送り出しをする時間がとれないので、
それを開演前にやっているのかな?とも思いました。
「ご来場ありがとうござます」
「頑張ってね」
「はい、頑張ります」
みたいなやりとりがあちこちで聞かれました。
出演者の家族や友人が多かったようで、とてもアットホームな雰囲気でした。

開演すると、出演者全員による歌からはじまりました。
これが、すごく良かったです。
28人の声の厚みが感じられ、客席の通路と舞台にずらりと役者たちが並んで
歌う姿は壮観でした。

全体を通して、たくさんの出演者で合唱するところはどこも良かったです。
主な役の人たちには、それぞれソロの場面があるのですが、
とても巧い人、う~ん…という人いろいろで、
ソロで1曲歌うということの難しさを痛感しました。

上手側のスピーカー近くに座ったせいもあってか、
音がやたら大きく耳に響き、ちょっとしんどかったです。
伴奏とソロの声のバランスがとれていない箇所があり、
歌詞が聞き取れなかったり、
効果音が大きすぎて、台詞が聞こえなかったりしました。
こういうのって、テクニカルリハーサルやゲネプロの際に、
チエックしているはずなんだろうけど、どうしてなんだろう?
とっても残念でした。

先日kazariの公演で、大家さん役を好演していた方が、
コロスで出演していました。
ほとんど台詞もなく、目立つ場面もないのですが、
ついついそこに目が行ってしまう不思議な華があり、
ちょっとした後ろの芝居や、唄っているときの表情など、
とても魅力的でした。

出演者の皆さんは皆ひたむきで、一生懸命さが伝わり、
とにかく舞台にいることが楽しいという思いはよく伝わりました。
ただ、一生懸命になりすぎて自分の台詞を言うことだけに気をとられて、
相手の台詞を聞いていなかったり、
気持ちが高揚してくると、やけに早口になり、
大事なキーポイントになる台詞が
さらっと流れてしまっていました。
いじめっこのザネリや、個性的な鳥捕りなど、
演技に工夫をしているのですが、
ついつい自分だけで演技してしまうところがありました。

周りとのバランスをとって、演じることができれば
より面白いものになっていくのではないでしょうか。

あとは、メイクをほとんどしていない人と、
なんだか大きな劇場向けのように濃い人と、いろいろだったのが気になりました。
顔色のトーンや、どの程度までメイクをするか、
揃えたほうがいいように思いました。

それにしても、朝早くからの公演、
そして一日3公演というハードなスケジューをこなした
そのエネルギーとパワーに驚かされました。
支えるスタッフも大変だったことと思います。
お疲れ様でした。

銀河鉄道の夜は、いろんな作家がいろんなかたちで芝居にしています。
今まで、何作も観てきましたが、
観れば観るほど、その内容の深さに惹かれます。

この作品を選らんだのは、大正解だったのではないでしょうか。

出演者の皆さんの生き生きした表情と楽しそうな様子に、
舞台に立つことの原点を見たように思えます。
今後の活動に期待しています。







劇団北陸新協公演 「見果てぬ夢」を観てきました

2006年12月05日 | 観劇レポート
初日を観劇してきました。

実は、個人的にこの「見果てぬ夢」という作品には思い入れがあります。
数年前、タント演劇学校で夫が演出して上演しました。
その前に、夫は抗ガン剤治療を受けていたこともあり、
このお話に出てくる夫婦の思いはとてもひとごととは思えず、
公演を観に行った際には大泣きしてしまった思い出があります。

久しぶりのこの作品との出会い。

北陸新協の公演は、いつも装置が本格的です。
緞帳のあるホールで、きちんとした装置を使った公演をする
数少ない地元劇団として、貴重な存在だと思います。
今回も病院の庭と、病院の出入り口がとてもリアルに再現されていました。
本物の木2本が良いアクセントになっています。

新協さんの公演で、私がいつも感じるのはキャスティングの意外性です。
ここ何年か、私が読んだり観たりしたことのある演目が続いているので、
観に行く前になんとなくキャスティングを予想するのですが、
ことごとくはずれます。
おお、そう来るかとか、その手があったかとか、それもありですね、
という感じでいつも驚かされます。
今回も、よっちゃん(所村さん)に若い看護婦役というのは
かなり驚かされました。
ところが、軽やかに若くて元気な看護婦さん役を演じきったよっちゃん。
「男の花 女の冠」の公演では妖艶な風神、
夢宇人の前回公演「半神」では、天使のような少女。
そして、今回と様々な役を演じ分けていることに改めて脱帽です。

それと、私がこれまで観た舞台ではほとんど良い人を演じていた記憶しかなかった
カルロス田中さんが、
今回はかなりアクの強い社長役をとても楽しそうにのびのびと演じていたのが、印象に残りました。
もしかして、こういうアクの強い役のほうが田中さんにあっているのかもしれません。
ちょっと意表をつかれました。

その田中さんの奥さん役を演じていらした方、
衣装が素晴らしかったです。
おそらく自前のスーツやお着物だと思いますが、
いかにもやり手のキャリアウーマン風のすっきりしたデザインで
仕立てや材質の良い物を、ステキなバッグや靴とあわせて
場面ごとに替えていらしたところに、役者魂を見ました。
なかなかあそこまで衣装に凝るのは、地元の公演では難しいと思います。
装置が白っぽいため、衣装の色やデザインがとても目立ちます。
田中さんの衣装も、何処で見つけたんだろうと思うような
どくどくしいデザインのパジャマやシャツが面白かったし、
若い劇団員のカップル役の横川さんと二ノ宮くんの衣装も、
色合いがとてもきれいで良かったです。
画家役の吉岡さんのパジャマも可愛かったし。


惜しいのは、社長の奥さんの、ご主人への愛情に裏打ちされた憎まれ口…という複雑な心境が、
わかりずらく、ただ気の強い奥さんという印象が強かったことです。

この役、戯曲では親子になっています。
ワンマンでアクの強い社長と、その跡取り息子という設定を、
夫婦に変えたのはいいのですが、それならきっちりと夫婦の情愛を
主人公夫婦、亡くなったご主人の赤ちゃんがお腹にいると言う老女、
そしてこの社長夫婦、それぞれの愛情のあり方を対比させてほしかったです。

それと横川さんと二ノ宮くんの台詞のやりとりに、
距離感が感じられなかったのが気になりました。
大きなホールでの発声は、なかなか難しいのかもしれませんが、
常に大きな声ではっきりくっきり言うことに気をとられているかのような、
横川さんの声の出し方だと、細かな感情の動きが伝わりにくかったです。
二ノ宮くんは、12EXの前回公演「REVOLVER 8.14」の時にも感じたのですが、
声がこもってしまい聞き取りにくい箇所がたくさんあり、
大事なキーワードをさらっと流してしまったりするところが残念でした。

主人公夫婦を演じていた、愼くんと吉村さんは、
とても好感の持てる穏やかな演技をしていたのですが、
ちょっと残念だったのは、お互いへの愛情がちょっとこちらに伝わりにくかったことでした。
ラスト近く、自分の病気のことを奥さんにちゃんと話し、
奥さんがそれを受け入れ「うん」「うん」と返事する、
とてもすてきな場面があるのですが、そこのやりとりがもうひとひねりあったらなぁと思います。
初日に観たので、もしかしてそれ以降変わっているかもしれませんが。

新米医師役を演じた濱東さんや、婦長役の厚沢さんは、
さすがに確実な演技を見せてくれました。
でも、濱東さんの風貌や印象はどう見ても新米医師には見えず、
演技でおどおど自信なげな表現をしていても、
熟練のベテラン医師に見えてきます。

愼くんと濱東さんが逆のキャスティングを見てみたいものだと思いました。

それと、どうしても納得できなかったのが、
自分の命が残り少なく、もしかして奥さんのお腹にいる赤ちゃんの顔を
見ることができないかもしれないと思った愼くんが、
画家の吉岡さんに自分の顔と奥さんの写真を参考に生まれてくる赤ちゃんの顔を
描いてほしいと、スケッチしてもらうシーンで、
愼くんは客席に対して横向きになっていたこと。

途中、画家とのやりとりのなかで泣き笑いの顔になっていくのですが、
横向きだとその効果が半減。
あそこは、愼君の顔を客席に正面向きにして、
顔の変化をみせることで心情の動きを感じさせるべきところではないのでしょうか?
なぜ、横向きにしたのかが気になります。

ラストシーン、老婆のまわりにスライド映像で白い花を映す演出は
とてもすてきで心に残る場面でした。


老舗劇団、そして毎回台本選択のセンスが抜群のところです。
稽古も長期に渡り、丁寧に繰り返しているとのこと。
今後の公演も観続けていきたいです。





市民劇場例会 俳優座公演「きょうの雨 あしたの風」を観てきました

2006年12月01日 | 観劇レポート
現在公開中の映画「武士の一分」や、「たそがれ清兵衛」などの原作を書いた
藤沢周平の作品をもとにした脚本ということで、
とても期待して観に行きました。

山本周五郎や、藤沢周平の書く、時代劇は今はもう忘れかけてしまっている、
日本人の美しい心や、ひたむきに暮らす貧しい人々のつつましい暮らしのなかの
喜びや悲しみを丁寧に描いていて、読むと心が洗われます。

この「きょうの雨 あしたの風」は、藤沢周平の6つの作品を、織り交ぜて、
同じ長屋に住む3つの家族と、その周りの人々の暮らしを描いています。
そのためそれぞれの家や、一膳飯屋など、舞台転換も多く
それをどう演出するのかと思ったら、
2つの回り舞台を作り、花道も使い、スピーディーに転換していました。
時には、出演する役者自らが、その家をのぞき込むという演技のなかで、
回り舞台を動かすというなかなか面白い転換方法をとっていました。

俳優座のお芝居は、以前やはり市民劇場の例会で見た記憶があるのですが、
その時に比べ良い意味でも悪い意味でも芝居が大きく、やたら分かりやすくなっていました。
借金の取り立てにくるヤクザ者は、いかにもな悪者、
長屋のおしゃべりおばさんは、いかにもな出しゃばりっぷり。
無口な桶職人や、お人良しな左官屋夫婦も、いかにもな善良っぷり。

漫画チックな動きや、正面切った芝居、
ああ、ここは決めぜりふなんだなぁというところでの、
見栄の切り方、
全てきっちり押さえるとこを押さえた達者な演技と演出でした。


おそらく、全国の演劇鑑賞団体に向けての公演ということで、
中高年の方たちに分かりやすく、楽しく見てもらおうという意図なのでしょう。
昨夜は、たまたま私の後ろの座席の数人の仲良しおばさまグループが、
観劇中、とにかくのべつまくなしお喋りされていました。
家でテレビを見ているような感覚で、
いちいち見たままの感想をそれぞれが口にするのです。

「あら~、可哀相に火事で焼け出されたんやわ」とか
「あの人、きっとお金持ちのうちの人なんでない?」とか
「はよ、逃げればいいのに」などなど。

ふだんだったら、集中して見られないので「お静かにお願いします」と
言うところですが、
なんだかこのお芝居では、それも許してしまえそうなそんな空気が流れています。
ぴりぴり緊張感漂わせて見るかんじではなく、
ゆったりのんびりと、その長屋をのぞき見しているようなそんな感じ。

私があと、15才くらい若かったらおそらく、
「わ~、勘弁してくださ~い」と思ったはずですが、
最近の私はとても守備範囲が広がっているので、
全く抵抗なくその世界に入っていくことができました。

時代劇もなかなかいいなぁと思って見ていました。

ただ。
この脚本なら、べつに舞台でやらなくてもいいんじゃないだろうか?
むしろ、テレビや映画でやったほうが良さが出るんじゃないか?
メインの役に、もっと華のある役者さんを配置したほうが、
見応えがあるのではないだろうか?と思いました。

舞台でやるには、舞台でやるからこそ表現できるもの、
もしくは舞台でしかできない何かがあってこそではないのかなぁ。

そんな不満はすこしありました。

でも、自分で自ら選んで絶対見ない芝居を観ることができるのが
市民劇場の良いところだと思います。
好きな芝居だけ選りすぐって見るというのもいいけれど、
こうしてふだん見ない種類の芝居を観て、
新たな発見をしたり、自分のなかにある違った感性に気がついたりするのも
なかなかいいものでした。