お多福 満腹 大福帳

金沢でお芝居にかかわっています。
今かかわっている舞台などの情報や、お芝居についての思いなど書いていきます

ドラマリーディングとは

2006年02月06日 | ミニ知識
稽古のない日もできる範囲で更新していけたらなぁと思っています。

さて、今日はドラマリーディングについて。
このブログを読んでくださっている方の中には、
「ドラマリーディングってなに?」と思っている方もいらっしゃると思います。
そこで今日は、私が今まで参加したドラマリーディングを例にしてお話します。
これまで出演経験がある方や、ご覧になったことがある方はごめんなさい。
あとで、コメント欄でフォローしてくれると嬉しいです。

やはり、本公演とドラマリーディングの一番大きな違いは、役者が台本を持って演じる事でしょうか?
熱が入ってきて、台本から目を離して相手役や観客に視線を向ける場合も勿論ありますが、
基本的に台本は手に持っています。
台本を手に持っているため、当然動きも制限されます。

衣装も装置も、リアルなものを使用しません。
小道具も基本的には使いません。
音響と照明は、入ります。

金沢市民芸術村で上演された「蜃気楼」のリーディングでは、
衣装は黒ということで各自私服を用意しました。
私はカットソーとロングスカートでした。
ハイネックセーターとパンツの人もいました。
舞台に装置は何もなく、椅子を円陣に置いて座り、台詞を言う際には立ち上がりました。


「お~い、幾多郎」では、衣装は全員揃いの紺の作務衣。
舞台は、中央に格闘技のリングのような四角い舞台を組んでベンチを置き、
出番のあるシーンではその上に上がって演じます。
舞台上での動きも、決めてあるシーンはわずかでした。
あとは、その時の感情の流れややりとりに応じて自由に動きました。

出番が終わると、舞台の下に置いてある待機用の椅子に座ります。
待機用の椅子は、各自座る場所が決まっていませんでした。
座ろうとしたところに、すでに他の人が座っていたり、
同じ椅子を目指して2人がぶつかりそうになるのを、
何食わぬ顔で別の椅子に移動するというスリリングな経験をしました。

装置は、障子をイメージしたようなパネルと、
季節の生花を活けたものを置き大変雰囲気のあるものでした。


ドラマリーディングでは、観客は耳をすませて台詞に集中し、
想像力をふるに働かせて観劇します。
役者も、衣装や動きに頼れないので、本公演以上に生身の自分自身をさらすことになります。
また、台詞をきちんと伝えることや、相手役との会話のキャッチボールに嘘がないように気を遣います。
まぁこれは、本公演でも当然のことなのですが、リーディングではいっそう要求されるように思います。

本公演では、出番がないときは袖にはけて気を抜くシーンもありますが、
基本的にリーディングではずっと観客の目に入るところに待機しています。
観客は、意外に台詞を言っていない役者のことも見ていたりするため、
上演中は常に気を抜けません。
実は私は、いろんなところが突然かゆくなるたちなので、ホントに困りました。

さぁ、今回の「男の花 女の冠」はどのような演出になるのでしょうか?
西川さんの金沢入りが待ち遠しいですね。