この季節、カミさんがときどきコンビニでわらび餅を買ってきてくれます。透明のパックに入っている簡易な和風スイーツとでも呼ぶのでしょうか。自分ではなかなか買わない商品です。
ここ2,3年で何回かいただきましたが、けっこう美味しいんです。冷蔵庫で冷やしているためか、まわりのきな粉は常温ですが、中身のデンプンがヒヤっとしてとろけるように喉を滑り落ちていきます。わらび餅って、こんなに美味しいものだったっけ? と感慨ひとしおです。
熾烈な競争を繰り広げるコンビニ業界のトップシェアのお店で夏場に何年も販売している商品ですから、きっと評判もよいのでしょう。
わらび餅といって一番古い記憶は奈良でのおやつだったと思います。それ以前にも食べていたのかもしれませんが、記憶にはありません。
東大寺二月堂への裏参道の階段を上ると二月堂とは反対の左側の建物に当時「お休み処」と暖簾か旗竿の案内があって、一緒に旅行していた何人かで入ってお茶とわらび餅(奈良だから「葛もち」と言っていたかも)をいただいたことを憶えています。
ただ、味の方は記憶が定かでなく、たぶんその時代の素朴なものだったのではないでしょうか。とてもコンビニで何年も定番であり続けるほどの実力はなかったと思います。それでも奈良で(はじめて?)食べたという記憶とともに味覚としてではなく、わらび餅というその名が特別な思いとともに懐かしく思い出されます。
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