写真は今朝の朝日新聞です。
ジュリー「精神的にも肉体的にも落ち込んだ時期を乗り越えて、シローが来てくれました」
場内はざわめきました。
「え~シロー」
車椅子に乗り、両脇をスタッフさんに支えられたシローがゆっくり登場しました。
わりと最近見たどこかの映画の試写会の時の服装と同じような感じでした。グレーのハンチングをかぶり、サングラスをかけてステッキついて。
サリーがギターを置いて、迎えにいき、
ジュリーといっしょに両脇を支えて、譜面台の前の椅子に座らせました。
ひとりで立っていられる感じではなかったです。
ジュリーは傍らにずっと立って、サリーはちょっと心配そうに見守り、タローもニコニコしながら見守り、みんなが温かく迎えた、という感じでした。
わたしはもう泣けて泣けて…。
ジュリー「ここまで来てくれる気力が戻ってきて…」
シロー「うれしいです」
話す声は弱々しそう。
ジュリー「それでは1曲歌ってもらいましょう」
シロー「1曲と言わず2曲…と言いたいところですが、1曲…、それもまともに歌えるかどうか…」 ジュリーはシローに顔を寄せて、うんうんと頷いていました。
シロー「この曲ね、高いところがあるんですけど」
ジュリー「うん」
シロー「練習したら出ないんです」
ジュリー「出てた出てた、だいじょうぶ」
シロー「このステージに上がれるのは全部ジュリーのおかげなんです。ありがとう」
ジュリー、“いいからいいから…”って感じで頷いていました。
ジュリー「じゃ歌って。若葉のころ」
わたしは原曲を知らないのですが、ちょっとゆっくりめにしていたのでしょうか。
歌っていくにつれて、だんだん声が出てきたのはさすがだなぁと思いました。
語りかけるような感じだったけど、しっかり歌いきりました。
シロー「このステージに立てるなんて夢のようです。この話を聞いたのは1ヵ月以上前で、ジュリーが“歌いたかったら歌っていいんだよ、でもシローにはトークもあるじゃない”と。でも僕は泣き虫で、しゃべってて泣いてしまったらしゃべれないから…。」
会場からの「イケるイケる」の声に「どこがイケてんの」なんて返す余裕も出てきました。
シロー「このあとのショーはすばらしいですから。リハーサル見ちゃいましたから。迫力あるよ。僕は厳しいからね。練習見て、ジュリーにダメ出ししたりして。ジュリー、ここはこういう風に歌った方がいいんじゃない…なんて。きょうはこのあとすごいのが待ってるからね。逃げ出さないでください。」
ジュリーが左、サリーが右について、シローを立ち上がらせました。
シローはサリーの顔を見て、「あんた誰や」
サリー「兄です、兄」
サリーと並んで袖に歩くシロー。
来た時よりも足取りはかなりしっかりしていました。
サリーは「サービスに前歩こ」
と、ステージ前面を歩かせて帰りました。
わたしの位置からは、袖の車椅子に座ったシローまで、よく見えました。
しばらくそのままでステージを見つめていたシロー。
ジュリー「岸部七郎です、シローありがとう~。かつみが抜けて大変な時に、無理やりメンバーにさせられて、勉強してギターの練習もしてたんですけど、やめとくわ…ってなって、それからいっぱいしゃべるようになって、シローのしゃべりを聞いて、今の僕のしゃべりの一部になってるわけです。
次は兄が歌います」