７月３０日

今日、市の図書館へ行った。最初はソファーで本を読んでいたので気がつかなかった。
ふと横を見るとお母さんに抱かれた赤ちゃんが私の方へ乗り出してハイハイしようとしていた。
私は一目見るなり読んでいた本を投げ出してその赤ちゃんに見入ってしまった。
「まあ、何カ月？」と思わず声をかけてしまった。
「８ヶ月です」とはにかみながら若いお母さんは答えた。
穢れのない真っ白なふわふわの綿菓子のような身体だ。触れたいが自重した。
足や手は仏様のようだ。顔を近づけると私を見てニコニコ笑ってくれた。
「さぞかし、みんなから大事にされているのやろうね。」と私は言った。
「うん」とお母さんはうなずいた。
「でも子育ては大変でしょう？お母さんは特に」と聞いた。
「はい。でも楽しいです」
「そう、それは良かった。たくさん子供が欲しい？」
「ええ、たくさん欲しいです。あまり間をあけずに」
それを聞いて私は嬉しくなった。
そのうちお父さんらしき人が戻って来て横に立った。
私は「希望の光やね」と言って慌てて立ち上がった。
どうぞあの赤ちゃんが健やかに成長してほしいと願う。