春の黄緑 秋の黄橙

「悲願花」 下村敦史先生

「悲願花」 下村敦史先生
読み終わりました。 痛々しく思いながら読みました。
 
(ネタバレ有ります。(*_ _))
内容は「一家心中で生き残った女児」の17年後が主人公、
そして「衝動的に子供を道ずれに自殺を図り、生き残った母親」が
もう一人の主人公のダブルキャストと言う感じです。
 
内容的にも重く。読み応えもあり、感情移入する内容もあります。
「幼い子を持つ母親の吐露」「美味しい所だけ取っていくイクメン」とか、
このあたりは、世の子育て世代の男性にも読んで欲しいなと思ってしまった。
(でも、子の居ない私には、この女性の気持ちが世の女性の気持ちと同じなのかは判らない。)
 
この本の主テーマは、「被害者と加害者」。
P208、P209、P210の内容は思っている事を代弁してくれている。(略して紹介)
『 ―略― 違いを認めて多様性を大事になんて綺麗事で、常日頃そんな風に口にしている人間ほど、
自分と相反する考えを認められない。
同じ思想や思考の者同士で集まり、排他的で、攻撃的だ。 
―略― 多様性の重要性を呪文のように唱えている時点で、自分の絶対的な理想を持っているから、
―略― 他人を自分の思想に合わせて矯正しようとする。
―略― 弱者の味方面する人間は、誰も救ってはくれなかった。
立ち直りかけても、「あなたは私たちが守ってあげなければいけない可哀想な弱者なの」
というスタンスで彼らの理想の被害者像を押し付けられた。 
―略― 別の弱者や被害者を探し求め、また仮面の笑顔と綺麗事ですり寄っていく。
―略― 事あるごとに自分の「弱さ」や「被害」を叫ぶようになっている。 ―略― 』
(この文面は被害者側の吐露です。)
 
そして、P274の21章。
そうだったのか。
「生き残った女児」は本当の意味で守られてきたのだと知る。
 
ここでの(誰かは明かせないが)「登場人物」の言葉
『お互いに「被害者」と「加害者」を繰り返す負の連鎖はここで断ち切ろう』
 
う~ん、深い。 上の登場人物に泣きそうになった。
 
う~ん、そうか。
「視聴者の代表“面”」「市民の代弁者」を表しているメディアの
昨今の有り方に気持ち悪さを感じている視聴者の一人として、
だから気持ち悪いんだなと妙に納得した。
(勝手に自分の中でリレーションしてます。)
 
 今日もお花をどうぞ。
(彼岸花を載せたい所ですが、写真に撮ってなくて別の花です。)


今日も読んで頂きありがとうございました。
(*^_^*)


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