Yumi @ Sudan

北アフリカの国、スーダンでの生活日記

9月11日に思うこと

2006-09-12 | everyday
 昨年ニューヨークへ行く機会があった。
ワールドトレードセンター跡地は工事中で、その周りにはたくさんの観光客、賛美歌を歌う人たち、無数のメッセージが壁に貼られていた。
「忘れてはいけない!」と。

テロリストのイメージはターバンを巻いた男たち。

遡って、1998年8月21日、アメリカは、タンザニアとケニアの米大使館爆破への報復とテロ抑止として、アフガニスタン、スーダンに対し、巡航ミサイル・トマホーク100発を発射し、計7カ所を攻撃した。それも突然。
スーダンの首都ハルツーム市内の薬品工場周辺では数十人の死傷者が出た。
アメリカは「テロの首謀者がウサマ・ビン・ラディンだという“明白な証拠”があり、過去のテロ攻撃と今後のテロ計画の情報をもとに、スーダンの工場に化学兵器製造の疑いがある」ことを根拠にした。

その薬品工場は私が住んでいるところから、遠くないところにある。ほんとにただの薬品工場だったそうだ。そしてその廃墟はいまだそのまま。
建て直しをするお金なんてないだろう。誰も賛美歌なんて歌ってない。黙祷をする観光客もいない。

今日、ワールドトレードセンターの悲惨な出来事を、繰り返してはならない人類の過ちとして、思い出す人は世界中に多くいるだろう。
私も、犠牲者の方々には心からご冥福をお祈りする。忘れちゃいけないとも思う。

じゃあ、8月21日、誰がアフガニスタンとスーダンの犠牲者を思っただろう。

命は奪うものでも、奪われるものでもないはずなのに。



写真は、近所のおじちゃん。コーランを片手に。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする