Yumi @ Sudan

北アフリカの国、スーダンでの生活日記

サンちゃんの話 

2005-06-21 | everyday
ハルツームにサンちゃんが帰ってきたという噂を聞いてから、数週間、サンちゃんと連絡が取れずにいました。
サンちゃんが働いてるという、ファティアの家に行くといつもお使いに出ていたり、休みだったり、帰った後だったり。
「帰りに家に寄るように、サンティーのに言って!」って何度も伝言してもなかなか顔を出さない。
しばらく仕事を休んでたし、もうすぐ学校も始まるし、忙しいのかな?それならいいなって思ってた。

今日、朝からファティアに用事があって、ファティアの家に行くと、玄関にサンちゃんが立っていた。
「おー、ユミ。元気?どこに行ってたの???」
「サンティーのがどこへ行ってたの?でしょ!!」

南部の家族はみんな元気だったという。ただし、やはりお金がない。
弟、妹たちを学校へ行かせたい。自分が稼がなくてはどうしようもない。
迷ったけれど、再びハルツームへ戻ってきた。
でも2ヶ月以上もハルツームを離れてしまったから、仕事がなかなかない。
我が家も今はハミッドに週2回、お手伝いをお願いしている。それで十分。正直にいうと、ハミッドの方がサンちゃんの10倍以上お掃除が上手。私が出来ないことをやってくれる。

サンちゃんは何度か、我が家に来たけれど、大家のおばちゃんが、「ユミはいない」って言ったとのこと。
私は、夕方5時過ぎには大抵家にいる。
サンティーのが家に来たのは、仕事が終わってからの5時以降。
やっぱり私が南部出身のサンティーノを懇意にしているのが、気に入らないのかなあ。
何度こういう事が起きても、どうしていいかわからない。差別はとても根が深くて、東京でのほほんと育った私にはどうしても理解できない。大家のおばちゃんはきっと私のためを思って、サンティーノを追い返してくれたのだろう。それにしても、一言いってくれてもいいのに。

「ごめんね、出かけてたかもしれない」とサンティーノには言った。
「今度来るときは、ファティアの家で電話借りて、電話してから来てね」

ファティアは、サンティーのが突然休暇をとっても、帰ってきても、必ず引き受ける。
「自分の息子と同じように思ってるからね」っていう。
それにしては、かなり扱いがひどかったりするけれど、見捨てはしない。
ファティアの家にはサンティーノの仕事がいつだってある。お使い、お掃除、お洗濯、お買い物。
でもファティアのところのお給料だけでは足りないのだろう。

帰り際に、サンティーノがたどたどしい英語でお手紙をくれた。でも、以前よりずっと上達している。かなり勉強してるんだなあって感心した。

「Dear Yumi, まずはじめに、神のご加護がありますように。アーメン。南部から、ハルツームに戻ってきてから、僕は難しい状況にいます。また、あなたの所で働きたいです。近日中にお返事ください。サンティーノ」

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする