必要な調理器具や調味料(量)は、料理の腕前と好み(目的)で決まります。

「日本人の食事摂取基準」:男性の1日の食塩摂取量の目標値が8g未満,女性が7g未満という目標値があげられています。

フィトケミカル ベジブロス

2017年06月14日 | 単身料理教室

 フィト(ファイト)ケミカル:「フィト(phyto)」はギリシャ語で「植物」、「ケミカル(chemial)」は「化学成分」。つまり「植物由来の化学成分」という意味です。農林水産省では、フィトケミカル「機能性食品」と呼ぶことが多いように感じる。

 植物は、自分で移動できる動物と違い、強い紫外線や雨風など、過酷で変化の多い環境で生きなければならないため、自分を守るために、自ら作り出した色素や香り、辛み、苦みなどのフィトケミカルが約10,000種類もあるらしい。

 機能のなかでの注目は、抗酸化力です。私たちは、鉄がサビることと同様、放っておくとしだいに酸化していきます。

 特に酸化力の強い酸素を「活性酸素」、「フリーラジカル」などといい、それを防ぐ抗酸化力は、注目されてます。

 酸化は、老化、がん、認知症、生活習慣病の原因ともいわれています。

 人は植物が作るフィトケミカルを作り出すことはできません。それらを作っている「野菜や果物」を食べることで、体に重要な働きをする、フィトケミカルを摂り入れ、抗酸化力や免疫力をアップさせ、生活習慣病やアンチエイジングに活用できます。

 フィトケミカルはビタミン、ミネラルとは異なる物質の総称です。

 種類:主に、カロテノイド、ポリフェノール系のなかのフラボノイド、イオウ化合物など。ポリフェノールとカロテノイドは、どちらも抗酸化物で、色素であることは共通していますが、以下のような違いがあります。

 カロテノイドは脂溶性で、にんじんなどのカロテンの吸収を良くするために油分を使って料理すると良い、と言われています。ポリフェノールは水溶性が主ですが、細胞膜上では水溶性、脂溶性のどちらでも活性酸素に効果。 

 カロテノイドは植物、動物両方に含まれるが、ポリフェノールは植物のみ。 化学構造の特徴も違います。

 カロテノイド系 (前述)
・カロテン・βカロチン・リコピン・αカロチン・キサントフィル・ルテイン・アスタキサンチン・カプサイシン・ゼアキサンチン 

 ポリフェノール系のうちのフラボノイド(非フラボノイドもあるがカット)
・アントシアニン・カテキン・イソフラボン・ショウガオール

 ポリフェノールは、植物が光合成を行うときにできる物質の総称で、糖分の一部が変化し、植物の葉や花、樹皮などに成分として含まれていて、植物自身が生きるために持っている物質です。人間の体内に入っても、抗酸化物質として有効に働くことがわかっていて、体内に摂取、蓄積された悪玉のLDLコレステロールの酸化を阻害し、高血圧、動脈硬化および動脈硬化を原因とした脳血管障害、心臓病などの予防に働きます。

  硫黄化合物(含硫化合物)(主に刺激臭の成分)
・アリイン・アホエン・アリシン(硫化アリル)・イソチオシアナート

 にんにくやたまねぎなどのユリ科の野菜、大根やわさびなどアブラナ科の野菜に含まれる辛味成分。

 特徴は、強い刺激臭で、その臭い成分が強力な抗酸化作用を発揮。血栓を溶解させたり、血行をよくする働きもあり、血液サラサラ効果もある?また、強い殺菌力があるため、食中毒などを防ぐ薬味として使われています。代表的なのは「にんにく」です。殺菌・抗酸化作用のあるアリイン、発がんを抑制する硫化アリルなど硫黄化合物を複合的に含み、抗酸化作用やがん予防に高い効果を発揮します。

 フィトケミカルの種類は、他にも野菜や果物の色から分類する方法もあるようですが、とりあえず概要です。

 ベジブロスを作ってみよう。ベジブロスとは、野菜「ベジタブル」+だし「ブロス」=ベジブロス

 今まで捨てていた皮や葉、根や種や茎の先などの部位を使って煮出すだしのこと。作り方はインターネットにたくさんある。お酒で数十分煮た「だし、つまりスープ」を使うだけで、そのほかは捨てる。 

 そういえば、そのまんま野菜のスープラーメンなどの「出汁」でした。

 ベジブロスはフィトケミカルの宝庫。煮ることで野菜の細胞壁が壊れフィトケミカルが何倍も濃くなるし、体内に吸収しやすくなる。

 フィトケミカル」と「ベジブロス」は一緒に覚えるべし。

 にんじんの皮つきスープ。大根の皮つき味噌汁。ま、いいか。