『冬雷二〇二三作品年鑑・合同歌集』
2024年7月23日印刷発行 編集発行人大山敏夫
冬雷短歌会の作品年鑑が発行された。今年は7年目。
毎年書いているが、本当に頭が下がる約500頁の大冊である。
あとがきによると参加者は103名。会員の自選40首とエッセイが載る。
本年をもって企画終了の予定だそうだ。
この作品年鑑は、会員各位の生きた記録である。
拾い読みしながら目にとまった作品を一部紹介する。
御岳山ケーブルで登る展望台スカイツリーの光るが見える 伊澤直子「ゆるゆると」
わがバイクを試乗せる夫暴走し木々薙ぎ倒しシャツを破りぬ 井上槇子「気候変動」
ツバクラメ道行く我に低く飛ぶ去年は気づかぬビル駐車場 小田原禮子「紫のタオルハンカチ」
上野駅公園口に人を待ち一人帰りしとほき日のこと 小林芳枝「うどんを煮込む」
数行の中の言葉を練り直す包丁の刃を研ぎゆくやうに 桜井美保子「サーベルの展示室」
会員の皆さんは全国各地にいらっしゃるのだなぁと思いつつ頁を捲った。
待合せの時間に早く着きすぎて聖橋渡り少し歩みぬ 大山敏夫「逆走車」
うぐひすのおほらかに鳴き卒塔婆を風が鳴らして誰もゐぬ墓地
*昨年のいまごろの当ブログの記事で「二〇二二」なのに
「二〇二三」と誤記していたことに気づく。失礼しました。
今年発行の作品集が「二〇二三」です。