私が医師になって約30年、がんの治療法は当時と比べ物にならない程進歩をして、ロボットが手術をするようになって、服用回数が圧倒的に少ない画期的な薬が次から次と出てきて、不治の病と言われた数々の病気が完治するようになって、当時は見たこともなかった無痛分娩が主流の時代にとって代わるようになってきているのに、何故かつわりの研究は治療法は1mmも進んでいませんでした。
命にかかわるようなことは滅多にないことと、研究者に女性が少ないなど医学界や研究界にもジェンダー格差があり、女性特有の問題は軽んじられてきた結果なのではないかとも言われております。
今回ネイチャーというかなり権威のある雑誌につわりと「GDF15」というホルモンが関係するという研究が出ており、つわりの治療につながる可能性もあるとのことでした。
日本でもそろそろ国や学会がつわりの研究にしっかりと予算をつけて、真面目に向き合う時期に来ているのではないかと思います。そして将来つわりの研究が専門の教授が誕生する位にならなくてはいけないと思っております。