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ウォール街狂乱日記

2009-10-28 13:10:48 | 成功するための業界知識本
「悪名高き証券詐欺事件を起こした張本人が、その過激な反省を赤裸々に告白」
著者/ジョーダン ベルフォート 出版社名/早川書房 2,100円

◆目次
序章 青二才
第1章 羊の皮を被った狼
第2章 ベイリッジの公爵夫人
第3章 どっきりカメラ
第4章 ワスプ天国
第5章 最強のドラッグ
第6章 規制当局くそくらえ
第7章 小さなことにくよくよしろ
第8章 ヘボ靴屋
第9章 プロージブル・ディナイアビリティ
第10章 邪悪な中国人
第11章 指人形の世界 
第12章 悪い予感
第13章 資金洗浄入門
第14章 世界中どこまでも
第15章 告白者
第16章 もとの木阿弥
第17章 偽造の達人
第18章 フーマンチューと運び屋
第19章 らしくない運び屋
第20章 アリの一穴
第21章 おためごかしの体裁づくり
第22章 別世界の昼食
第23章 薄水を踏んで
第24章 政権交代
第25章 リアル・リアル
第26章 死人に口なし
第27章 若死にするのは善人だけ
第28章 死者よ、永遠なれ
第29章 破れかぶれ
第30章 だめ押し
第31章 父の喜び
第32章 さらなる喜び
第33章 執行猶予
第34章 呪われた旅路
第35章 嵐の前の嵐
第36章 収監、強制施設、そして死
第37章 病膏盲に入る
第38章 第三帝国の虜囚たち
第39章 ドラッグ・カウンセラーを殺す六つの方法
終章  裏切り者たち

オビに「飲む、打つ、買うは福利厚生です!」というインパクトある太字が踊り、その下には「スコセッシ&ディカプリオで映画化決定!」と書かれていたのが、この『ウォール街狂乱日記』です。

新宿紀伊国屋の1階右奥エリアで発見したこの本には、ウォール街の実態が包み隠さず明かされています。

印象的だった箇所を、いくつか御紹介します。
言葉が汚い点は、御了承下さい(笑)。


マンハッタンの5番街沿いにそそり立つ、近代的な41階建てのビルの23階。黒光するマホガニーのデスクが並び、黒い電話線が迷路のように錯綜している。15メートル×20メートル以上もある広いフロアも、立ち並ぶデスク、電話、コンピュータのモニタ、それに70人もひしめく嫌らしいヤッピーどもで、息がつまるようだった。午前9時20分。彼らはスーツの上着を脱ぎ、とりどりに『ウォール・ストリート・ジャーナル』に顔を埋めて、世界の帝王の身分を満喫していた。

世界の帝王。目指す甲斐があった。そんな男たちの脇を通り過ぎながら、安物の紺色のスーツにどた靴の自分も、できるものならあやかりたかった。だが、新たな上司は、それが身の程知らずな願いであることを、すぐさま思い知らせてくれた。

「お前の仕事は…」安物のスーツの襟につけたプラスチックの名札に視線を走らせながら彼は言った。

「…つなぎ屋だ。わかるか、ジョーダン・ベルフォート?一日に500本は電話をかけまくる。秘書連中の守りを何とかくぐり抜けて、相手を電話に引きずり出せ。何も売らんでいい。推奨銘柄も何もそっくり忘れろ。お前の仕事は、ただ社長連中に電話をつなぐことだけだ」

彼はさらに言葉の毒をためてから、おもむろにそれを吐きかけた。

「そして相手が電話口に出たら、こう言うんだ。“こんにちは、誰それさん。スコットに電話を替わります”私に取り次いだら、すぐさま次の電話をかける。できるか?それとも手に余るかな?」

「いえ、できます」胸の中で高潮のようにうねる不安を抑えつつ、私は虚勢を張った。研修期間は6ヶ月。長く、つらい半年になりそうだった。その間は、このスコットのような、ヤッピーの肥だめに吹き上がるあぶく野郎に、生殺与奪の権を握られるのだ。(※中略)


「正直言えば」スコットが唾を飛ばして言った。「お前がこの仕事向きだとは思っちゃいない。ウォール街はお前のような小僧の来る所じゃない。ここは殺し屋、金目当てに魂を売る者たちの街だ。ま、俺が採用を決めるのでなくて良かったな」スコットは皮肉な薄笑いを浮かべた。(※中略)


スピーカー越しに、LFロスチャイルドのセールス・マネージャー、スティーブン・シュワルツの声が鳴り響いた。

「諸君。今朝は先物も堅調だ。東京からは、大型の買い注文が入っている」

スティーブンはまだほんの38歳だったが、昨年は200万ドル以上を稼いでいた。(ここにも世界の帝王あり、だ)

「寄りつきから、10ポイントの上げだ。さ、電話を手に、乗って、乗って、乗りまくれ!」(※中略)


いま私が綴ろうとしているのは、その狂気―ウォール街誕生以来、最も強気の博打打ちだった者たちの狂気―の物語だ。その過程で、私の頭の中にこだましていた声を、そっくり再現したい。

それは皮肉で、軽薄で、利己主義的で、たいてい卑しい声だった。その声が、私のたがのはずれた快楽主義を正当化した。その声が、周囲の人々を堕落させ、繰り、アメリカの若者世代全体に混乱と狂気をもたらした。

私はクイーンズのベイサイドで育った。そこではニガー(黒人への蔑称)とかスピック(プエルトリコ人への蔑称)とかウォップ(イタリア人への蔑称)とかチンク(中国人への蔑称)などという言葉は、不潔きわまりなく、いかなる時も口にしてはいけないものだった。

実家では、どんな人種偏見も厳しく戒められた。偏見を持つのは劣った人間の証拠、未開人の証と考えられていた。私も子供の頃から、青年期でも、そして狂気のさなかでさえ、そう思っていた。だが、汚い言葉遣いは―とりわけ狂気が根を張ってからは―驚くほどなめらかに私の口をつくようになっていた。もちろん、そのことも私は自己正当化していた。ここは、ウォール街だ、礼儀正しさだの良い言葉遣いだと気にしちゃいられない、と。

どうして、こんなことを告白しているのかって?それは、私の人物像の虚実を知って欲しいからだ。また、二児の父として、いつか彼らに話してやりたいことがたくさんあるためでもある。彼らにはいつか、優しい父さんが、いま彼らをサッカーの試合場に車で送り届け、PTAの会合に出席し、金曜の夜には共に過ごし、シーザーサラダを作ってやる父親が、かつてどんなに見下げた人間だったのかを、語らなくてはならない。

だが、何よりの願いは、鼻先でスプーンを吸い込み、胃のむかつきを薬でごまかしている貧富の別なき人々にとって、私の人生が教訓になることだ。天賦の才能を得たことを喜びながらそれを悪用している人々に、悪の道を行き、快楽主義におぼれてやろうと思っている人々に、私の経験から学んで欲しい。そして、ウォール街の狼と呼ばれることになにがしかの憧れを抱く人々に。


全て著者の実体験だけに、事実のインパクトの強さに圧倒されます。

金融業界で成功を目指す人には、必見の内容です。


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