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共生者 株式市場の黒幕とヤクザマネー

2009-10-29 13:03:40 | 成功するための業界知識本
「日本の証券マーケットの闇に迫る、あるエキスパートの手記」
著者/松本弘樹 出版社名/宝島社 1,000円

◆目次
序章  最後の大物仕手
・東の加藤晃、西の西田晴夫
・東京ガールズコレクションとの意外な関係
・最上恒産・早坂太吉を喰った札付きの共生者
・暴対法とITバブルの鬼っこ
・女相場師・白杉恵子と西田晴夫
・NOVA“幻の資金調達”の真相

第1章 N氏銘柄
・「シルバー精工」株価20倍暴騰の舞台裏
・仕手戦に勝つための黄金律
・カモは信用空売りする投資家
・西田銘柄の最高傑作「宝林」
・仕手戦に組み入れられる外資系ファンド
・「明日までに株券を入れないと、口座が飛びます」
・音楽配信ビジネスと西田マネー
・ヤクザマネーの痕跡を消す
・ストックオプションと企業の「経歴ロンダリング」

第2章 六本木人脈
・西田スタイルの投資勧誘法
・大学時代から空売りで儲ける
・中江滋樹VS西田晴夫
・六木会、B&Bの会、日本ベンチャー協議会
・「ネズミ講組織」の温床=街の投資顧問
・“環太平洋リゾート王”高橋治則からの依頼

第3章 西田帝国とソフトバンク
・ソフトバンク“北尾軍団”の闇
・「孫正義が注文を出しているのでは?」
・仕手の錬金術にそっくりの「含み資産経営」
・ITバブルを起こした資金の秘密
・西田式連勝スキームのトリック

第4章 帝国スキームの逆流
・タックスヘイブンの西田ファンド
・“ヤミ金”五菱会のマネロンと同じ手口
・私募CBでボロ会社をしゃぶり尽くす
・打ち砕かれた上場投資顧問会社の野望
・帝国スキームの崩壊始まる
・西田が10億円を持ち逃げされた「イタリヤードの悪夢」

第5章 共生者の群れ
・ブローカー、経済ゴロ、ヤカラ、詐欺師
・起業家と暴力団を結びつけるもの
・ゼクー利権の黒幕たち
・裏口上場のための「ハコ企業」
・ヤングエグゼクティブと暴力団マネー

第6章 ファイナンス中毒
・投資組合を使ったスキーム第1号
・銀行に潰された「キムラタン」のファイナンス
・東大出公認会計士のアイディア
・投資組合を悪用した錬金術「ディストレビューション」
・久間銘柄「千年の杜」急騰のカラクリ
・「大物仕手」の錬金術をコピーしたリーマン・ブラザーズ

終章 金融アウトロー2.0
・「一石三鳥」を狙った新株予約権の画期的スキーム
・共生者たちの仲間割れ
・錬金術の舞台は市場外に移った
・投資会社クオンツの内紛と稀代の女相場師
・アーティストハウスHDに送金された3億円の行方
・略奪者に成り下がる錬金術師たち


この本は以前週刊新潮で紹介されていたので、買ってみました。

この本のまえがきは、以下のような感じで始まります。


2007年11月、NHKスペシャルで『ヤクザマネー~社会を蝕む闇の資金~』と題した特集番組が放映され、話題を呼んだ。この特集をまとめた書籍も、好評を博しているという。ホームページに掲げられた番組のイントロダクションには、概ね次にようなことが謳われている。

暴力団は今、覚せい剤や賭博などで得た資金を、新興市場やベンチャー企業への投資への投資に回し、莫大な収益を上げている。その裏で暗躍しているのが、表向き暴力団とは関わりのない元証券マンや金融ブローカーだ。危機感を強める警察は、暴力団の資金獲得に協力する一般人を「暴力団と共生する者」=「共生者」と呼び、その存在を問題視し始めた。資金獲得の現場に初めて潜入し実態を迫るとともに、それを許容する社会の責任を問う―。

実際、番組は複数の暴力団関係者への直接取材を交えた意欲的な内容だった。ただ、こと「共生者」に関しては、その真の実態にほとんど迫れていないのではないか、というのが私の感想である。

実は私自身、この特集の取材班から取材を受けている。記者たちは暴力団に「市場の恵み」をもたらす「共生者」たちの姿を捉えようと懸命だったが、結果的にその思いは果たせなかったようだ。私の知る限り、たとえば「仕手筋」と呼ばれる株の相場師グループの面々は、ことごとく取材を断っている。貯め込んだ犯罪収益の“財テク”にいそしむのがもっぱらの暴力団とは異なり、錬金術のプロフェッショナルである金融のアウトローたちが、自らの“儲けのスキーム”を明かすことは決してないのだ。(※中略)

本書ではまず、金融アウトローたちの錬金術が90年代以降、いかにして変遷してきたかに焦点を当てている。その過程で、かつて私が在籍したソフトバンクの「成長の内幕」や、ITバブルの「知られざる事実」、そして最近市場を騒がせたいくつかの事件の背景について、できるだけ具体的な事実をあげて説明するように努めた。企業や人物についても、可能な限り実名としている。(※中略)

日本の証券市場の荒廃は、今、突然始まったわけではない。80年代のバブル崩壊から現在に至る20年間、証券業界の裏側では、中江滋樹が率いた「投資ジャーナル」グループの残党に始まり、先ごろ解散した「日本ベンチャー協議会」に至るまで、株価操縦的な手口で仲間内の富を拡大させていく錬金術人脈が、連綿と維持されてきた。暴力団が証券市場から莫大な資金を得られるようになったのは、こうした人脈の少なくない部分を「共生者」として取り込んでいるからなのだ。


これは一旦手に取ると、途中でやめられないほど面白い本です。


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