プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

放射能汚染ガレキのリサイクル?

2011年12月26日 | 日記
 環境省は、「福島県内で発生したコンクリートくずの処分をめぐり、・・・同県内で再利用するための安全基準を『放射性セシウムが1キロ当たり3千ベクレル以下』と決めた」(『朝日新聞』)とのことです。『健康に影響はない』(廃棄物対策課)そうですが、こうした汚染ガレキはこれまでもセメント会社に買ってもらっていました。売れる者は廃棄物ではなく、商品だといって・・・実はお金を払って引き取ってもらっている(逆ザヤ)で、処分場で処分するより安くつくというので、(重金属類等の)有害な物質を含んだ廃棄物を、「リサイクル」の名で違法投棄をしてきたのです。

 もっと酷い場合は、「汚泥を加工した肥料を市民に配る」(以下、引用は『週刊女性』)、「これが一番安上がり」なのです。「中越地方の一部では汚泥肥料の無料配布が始まっている」、「民間業者が引き取った場合は、当然、自治体の垣根を越え、市場に出回ってしまう」ことになります。「落ち葉を発酵させて腐葉土を作るケースがありますが、ほぼ野放しの状態」だそうです。

 今回の災害で発生したガレキは福島228万トン、宮城1、584万トン、岩手が508万トンで合計2,320万トンで、その殆どが未処理のまま山積みされています。一部の山からは火災も発生、有毒ガスの発生が心配されていますが、こうしたガレキには、放射性物質は勿論、(重金属類をはじめ、化学物質や細菌やウイルス等の)有害なものが種々混在しています。安易に移動、焼却、廃棄してはいけない物なのです。ましてやリサイクルや無料配布などすれば、全国に放射性物質のみならず有害物質を含んだ有害廃棄物が拡散、汚染を繰り返してしまいます。

 神戸大学大学院教授の山内氏は、運搬過程、ガレキを荒仕分けする作業場、焼却場の煙突からもれ出る煙で間違いなく(汚染が)拡散します」と警告されています。こうしたガレキの(放射能)検査は、「環境省はガレキの周り1メートルぐらいのことろをぐるっと回って、放射能濃度を測定」しただけ、「自治体の調査にしても、ひどいところだと真ん中を1日に1回、1ヶ所だけ測っているだけ」、「高い線量の廃棄物が混じっていましたが、きちんと調べていないため、存在すら知りませんでした」という有様です。この汚染ガレキを政府(環境省)は「押し売り」まがいのガレキ受け入れの「要望書」を各自治体に送りつけているのです。(手を上げた自治体もありましたが、多くの場合、住民の反対で止めているようですが)兎に角、まともな検査すらなされず、ガレキを拡散し、汚染を広げようと政府はしているわけなのです・・・
 
市民原子力委員会 提言29

「放射能汚染のあるガレキは、その内容物の精密な調査を行い放射能濃度を測定すること。また放射性物質以外の有害な重金属類、化学物質等の検査も行い、その汚染の実態を調査すること。その上で、放射性物質に関しては、100ベクレル/㎏、その他の有害物質もその法令に基づく基準に則り、適正に処理すること。決してリサイクルや無料配布は行なわないこと。」

P.S. 南相馬市総合病院では、6月末からバス移動式のホールボディー・カウンターを借りて、内部被曝を検査、9月からは最新式のWBCで検査していますが、希望者が殺到し、「1円の診療報酬」もなく、1日6時間で110人の検査を担当者の含めて7人の職員の方々が激務を続けておられるそうです。まあ言うなれば、まともで良心的な病院なのですが、希望者からの怒りの矢面に立たされ、激務の上に辛い思いをされているそうです。これも全て、事故を起こした東電と政府の無策がその最大の元凶なのですが・・・

市民原子力委員会 提言29

「政府は、原発事故によって避難された住民の方々は勿論、放射能汚染された地区に居住する住民、或いは被曝した可能性がある全ての地域の住民の内部被曝検査が実行できるように、政府の持てる施設と設備を開放し、検査を実行する病院や自治体への人的支援及び財政支援を行うこと。また診療報酬の見直しを速やかに実施すること」