プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

放射能都市濃縮

2011年12月13日 | 日記
 昨夜NHKの「クローズアップ現代」で、コンクリートで覆われた都市における放射性物質の都市における濃縮問題を特集していましたのでご紹介します。(以下、要約です)

 茨城県の守谷市の公園では、空間線量1.3μSv/時、土壌2万6,000ベクレル(セシウムだと思います)の放射線が検出されています。同市の他の地点では、事故後、線量は低下傾向にあるのですが、この公園だけが事故後線量が突出して上がり続けています。原因はアスファルト道路の整備と人工河川にあるようです。

 アスファルト上の放射性物質は雨水で流され、人工河川に入り、やがて公園にまで流れ着きます。その結果、34倍も放射性物質が濃縮したということのようです。同公園の最高線量は3.8μSv/時もあり、今後も濃縮が続き、線量は高くなると予想されています。同市は立ち入り禁止になっていますが、市町は広域の河川流域の除染や、除染後に出る放射性廃棄物の処理を考えて、「どうしたらよいか分からない」と言っていましたが、濃縮され溜まった放射性物質は除去していかなければいけないでしょうが、問題は保管先です。

 放射性廃棄物の問題は、これまで何度も取り沙汰されてきましたが、同問題はさらに深刻さを増しています。千葉県柏市では、一般ゴミを焼却場で燃やした(放射能汚染された)焼却灰が年内で一杯になる予想です。最高7万800ベクレルの焼却灰の処理は、原発と同じく防護服を着ての作業で、被爆の危険を伴います。ドラム缶の表面線量でも4μSv/時あるそうです。もし保管場が確保されなければ、焼却がストップし、ゴミの収集すらできなくなる非常事態になります。大量のゴミが排出される都市の、そのゴミが汚染された現在、都市の中に「小さな原発」が出現するという、皮肉な結果となっています。(何度も繰り返しますが、基本的に核ゴミは燃やしても、移動してもいけない、というのが大原則です・・・)

 また同県では、新潟に埋め立ての為送っていた焼却灰から28,100ベクレルの放射性物質が検出され、地元の方の反対で送り返されてきたそうです。都市部で濃縮された放射性廃棄物が行き場もなくさまよっている事態は、まさに不気味なこの社会の実態を体現しているだけでなく、極めて危険です。国は10万ベクレル以下ならコンクリートで固めれば埋め立てられるとしていますが、その固化する施設はなく、その放射性廃棄物を埋め立てる処分場もないというのが現状なのです。こうした状態の中、自治体は苦悶していますが、国や東電に回答を求めても、未だ何ら答えは返ってきてはいないのです・・・

P.S. 放射性廃棄物の処理が待ったなしですが、某TV番組を観ていますと、当の東電と経産省(政府)は全く違うことに血道を挙げているようです。東電は資本注入なしで、賠償金や廃炉費用を国(というより国民)から搾り上げたい、一方経産省は株式を買うという形で資本注入し、経営権を握り東電を支配したいのです。官僚の巨大な天下り先を作り、また同時に株主や銀行の利益を確保する狙いです。被災者や被害を被った国民やその対応に苦慮する自治体のことなど、何も考えず権力闘争にのぼせているのです・・・

P.S.2 国民無視の政府、官僚は、SPEEDIの使用を、まともな避難計画を立てようとしている自治体に認めないようです。(以下参照は『朝日新聞』)原発銀座福井県の隣県である滋賀県は、福島第1原発並の事故が起こった場合の放射性物質の拡散予想を県民に示す為、SPEEDIの使用を6月以降で4度文科省に求めてきましたが、「検討する」としたまま回答を得ていないそうです。大金を使って作り上げてきたシステムを、当の事故時に使用(利用)せず福島県民を被曝に導いたばかりか、避難計画をつくるために欠かせない放射性物質の拡散状況の予測図を得る為のSPEEDIの利用を、(最も近い敦賀原発から13キロにある)滋賀県に認めないというのです。一体、どういう了見なのでしょうか?腐り切った政府の対応を、見せ付けられているようで怒りを禁じえません・・・