プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

許してはいけない 東電の電気料金値上げ

2011年12月24日 | 日記
 東電が、来年4月から企業向けの電気料金値上げを決めました。家庭向けの料金の値上げも、「来年の早い時期に国に申請をする」(以下、引用は『朝日新聞』)とのことです。どうもこれは、国有化阻止のための悪あがきのようです。ただ、政府の考える「ヤラセ国有化」では、これまで癒着してきた政府と東電、霞ヶ関の官僚が合体して、これまで以上に強力な癒着構造を作ってしまうだけのように思いますが・・・兎に角、事故を超した張本人が、地元の理解等が得られず原発停止、再稼働できない、その代行の火力発電の燃料代が嵩んだからといって、利用者に負担を押し付ける、そんな馬鹿な道理はありません。(総括原価方式そのものが、その馬鹿な道理で東電に利益を与え続けてきたのではありますが・・・)

 今の状態で電気料金値上げを許してはいけません。その前にすることがあるのです。元中央大学教授の奥村氏は、「まず東電自身と株主と銀行が相応の負担をすべき」、その為に「会社更生法を申請して、賠償するべき。税金や電気料金などで、国民が直接負担するのはその後」だと言います。「倒産すれば、会社の資産などが売却され、株価はゼロとなり、銀行などの債権者は債権放棄するのが原則」、「日本航空が倒産した時は、100%減資して、銀行は5、200億円の債権を放棄し、さらに3,200億円の追加融資を迫られました」が、東電もこうした法的整理を行なうべきなのです。

 今後、賠償や除染、事故処理そして廃炉費用と、何十兆掛かるかは分かりません。東電自身がます会社としての責任を取って倒産し、株主や金融機関の責任を問うて初めて、国民の税金投入や電気料金値上げが議論されるべきなのです。一部東電OBの僅かばかりの年金カットでは、到底国民と利用者の理解が得られるものではないと思うのです・・・

市民原子力委員会 提言27

「東電は、福島第1原発人災事故を起こし、膨大な量の放射性物質を放出し、莫大な数の人々を被曝させました。その重大極まりない事故の責任を取って、経営陣は今すぐ辞任すること。そして企業としての破綻を認め、会社更生法を申請し、法的整理を受け入れること。会社更生法に基づき、株主、銀行はその債権を放棄し、応分の負担をになうこと」

P.S. 米国が34年ぶりに2ヶ所4基の原発新設の申請を認可するとのことです。東芝の買収した米ウェスティング・ハウス社の改良型加圧水型炉だそうですが、これまで新設が行なわれなかったのは、コストの面が一番大きかったそうです。元々原発は、税金を注ぎ込み、高い電気料金を請求するからこそ採算が取れるものなのです。韓国も30年ぶりに原発の新規建設の候補地を2ヶ所選定したそうです。原発の輸出もイ・ミョンバク大統領自ら先頭に立って宣言していますから、まさに原発は国策なのであって、この流れは最早止まりようのない巨大な濁流となってうねっているように感じます・・・

P.S.2 (記憶が定かではないのですが、)福島第1原発から海へ放出された放射性物質の量を、海外の研究者が試算していましたが、2.7京ベクレルでした。東電の発表している量の30倍です。これだけ海が放射能汚染されてしまったわけなのですが、(某週刊誌の取材で)茨城県の大津港のアジ、タイ、ヒラメ、アイナメ、カナガシラ、アンコウ、那珂港のタイ、ホウボウ、ヒラメから14~59ベクレル(検体は可食部のみ)が検出されています。また、塩釜や気仙沼のマグロからも10数ベクレルのセシウムが検出されています。暫定基準値以下といってしまえばそれまでですが、回遊魚は一ヶ所に留まってはいませんから、日本の何処にいても、放射能汚染魚を食べざるを得ないということになります。魚のみならず、食品の検査体制をもっと全国的に整備していくべきだと思います・・・

P.S.3 これほど海の放射能汚染が心配される中、(某週刊誌によれば)横浜市は横浜港に面した南元牧廃棄物最終処分場に、1キロ当たり6.468ベクレルの焼却灰、約2、700トンを埋め立てしようという計画があったそうです。周辺住民は勿論、漁業関係者、港湾関係者、議会にさえ何の告知もなく埋め立てようとしていたのに抗議が殺到して現在は当面凍結だそうですが、同じような計画が、「東京。夢の島をはじめ、大阪湾フェニックスセンター、広島・出島地区廃棄物処分場ほか全国に80ヵ所以上」あるそうです。まさに恐れていた放射性廃棄物の二次拡散、二次汚染が現実のものとなろうとしています。これは、8、000ベクレル以下は無条件に埋め立てられる、10万ベクレルでも(低い)条件をクリアすれば埋め立てても良いという、まさしく政府の誘導した政策の結果です。罪は極めて深いものと思います・・・

市民原子力委員会 提言28

「放射性廃棄物の法的定義は100ベクレル/㎏であって、100ベクレル/㎏以上の放射能汚染された汚泥やガレキ、除染土壌は、基本的に移動したり、焼却をしないこと。これらの放射性廃棄物はドラム缶に入れた上で、遮水の完備したコンクリートに囲まれた施設で厳重に管理すること」

 ちなみに、100ベクレル/㎏以下は大丈夫なのかというと、そうではありません。そういう問題ではないのです・・・