◇ 稲継久嘉さんの短歌・俳句・川柳に親しむ
2015/12/17 《ぼやいてもマイナンバーは殴りこむ》 (稲継久嘉 毎日新聞やまと柳壇)
2015/12/03 《なだらかで先はまぶしい老いの道》 (稲継久嘉 毎日新聞やまと柳壇)
2015/11/12 《新蕎麦の美味いまずいは分らねど座を盛るために旨いと叫ぶ》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2015/10/16 《ほがらかに闘病談を交はしつつ共に快癒の日を夢に待つ》( 稲継久嘉 産経新聞奈良歌壇)
2015/10/14 《いつまでも争ひやめぬ人間の性を悲しみ歩むあぜ道》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/10/02 《ラニーニャとエルニーニョとが腕組んで太平洋の静けさ破る》( 稲継久嘉 産経新聞奈良歌壇)
2015/09/03 《内心は異議持つ者は多けれど水の流れの大同につく》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2015/09/02 《老いていく鏡姿に逆らひて三原色の衣装をえらぶ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/07/23 《年金の鉄壁保護を守るべしウイルスごときにゆめ荒さるな》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2015/07/22 《八方を海の囲へるこの国をたつた四本の溝が揺るがす》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/07/01 《吾妹子は炊事ゴミ出し洗濯と明るく雄をしく励んでくるる》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/06/17 《見つむれば四股を覆へる皮膚はみな瀬戸内海のさざなみのごと》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/06/03 《やられたら百倍返すなど唱へつつ四股に活入れ上り坂行く》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/05/27 《官製の弔意の文を読むだけで真心おくると言へるだらうか》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/05/14 《とり立てて羨むことは持たざるも目前すぐる健やかな脚》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2015/04/23 《休み明けの整形外科は多忙なり一割負担がきらりと光る》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2015/04/22 《あれほどの親しき友ら沙汰もなく木の芽吹き出る春は来たらず》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/04/08 《おもむろに地図をひらけど手をつなぎ家路たどりし細道はなく》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/03/26 《若きらが初発の便につどい来て黄色き声が飛び交いし朝》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2015/03/19 《玄関の施錠気になり起き上がる明けっぱなし昭和なつかし》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2015/03/04 《そこそこの長寿果たむこの四股で廃炉の目途をしかと見るまで》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/02/26 《ひそひそと支給を減らす話し声思い込みたるたる高齢者から》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2015/02/18 《存続の危機迫りゐる単線で先のみじかき級会に行く》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/02/05 《フィリピンの裸の子らは貧しさを幸せに変え果敢に生きる》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2015/02/04 《砂丘越しの潮騒のうた聞かむとして虫らと共に耳をそばだつ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2015/01/14 《はからざるGDPのマイナスは仕掛け人の匂ひをのこす》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/12/10 《核ゴミの中間置場も決めずして再稼働論たけなはなるらし》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/11/26 《動乱の十一年に生まれ出で戦争参加を見ざるわが身は》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/11/05 《帰りたきふる里の夢連なれど心を解かす抱擁はなく》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/10/29 《住みつきし民の日常異なれど環太平洋で地震がつなぐ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/10/15 《生涯は魚も虫もみな同じ慈悲の思ひは明日も変はらぬ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/09/24 《ぎりぎりで次の四季への戸を開ける自然は人をよく知りゐたり》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/09/11 《アイデアの浮かばぬ日には自分史の見えぬ部分を目を皿にして》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2014/09/04 《秘境めく笠荒神の森翳へ詩情ゆたかに蕎麦食べに行く》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2014/08/26 《今日もまた独り居の部屋寂しくてテレビのボリューム少し上げたり》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/07/29 《次つぎと身の不具合な部位増えて耐へ得る角度をひねもす探す》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/07/03 《バスにして明日もゆっくり老いてゆく》 (稲継久嘉 朝日新聞大和柳壇「ゆっくり」)
2014/07/01 《弁当を食べずこらへて残し置き友と河原で開けし日のあり》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/06/17 《もののふの天下をめざす鬨の声夕霧となりて城跡に満つ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/06/03 《街なかは高層ビルの並び立ちわが古里は眠りにつきぬ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/05/01 《マチュピチュにまがう石積む城跡に歴女は集い何を夢見る》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2014/03/25 《登り来ていまや父母なき古里の不変の山河になぜか涙す》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/03/18 《ふるさとの峠に立てば田や畑に別離さけびし日の浮かび来る》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/03/04 《シビアなる表情うかべ始まりし会議はなべてアハハと終へし》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/02/20 《核ゴミの数十年後地底にて相見るはこの子らの誰ぞ》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2014/02/04 《はるかなるチェルノブイリが列島に日び迫り来る秋の日の午後》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/01/28 《地球はいま迷路に入るや列島の四季の巡りを壊しにかかる》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/01/14 《氷塊の一つか二つ生るるらし耳遠く聞く冷蔵庫の音》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2014/01/07 《パズルにておぼえし語彙の二つ三つ老いゆく脳にさだかに生きる》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/12/17 《田も畔も水のぬるみも共どもに万物震る冬に向かひぬ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/12/12 《ドラマには涙に無援の質ながら蟹のお産になぜか涙す》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2013/11/21 《秋風のすすきの原をかき分けて初粉匂う蕎麦たのしみに》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2013/11/13 《マンションのペットの許可の申請にメダカ十尾とふ報告のあり》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/11/05 《ふるさとを夢見てをれば夭折の健ちゃん連れて蝉取りの夏》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/10/16 《ヨーロッパ周遊旅行の便り増えアベノミクスの靴音響く》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/10/10 《着順の寸分の差を馬たちは計器にまかせ神にまかせる》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2013/10/01 《終日を一人こもりて意味なさぬ大声出してわれを確かむ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/09/17 《格好の悩みの種の汚染水》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/08/27 《核の出すごみは地底に塗りこめて素知らぬ顔で日日過ごせるや》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/08/06 《騒がしく桑食む音の満つるなか豊かな日日を送りゐし祖母》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/07/30 《わが父の倍の歳月生き延びて未完に満つる無様を詫ぶる》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/07/25 《こそこそと胸に刻みて横向けばもう忘却よこれも楽しき》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2013/07/02 《新聞の取り替へに来し若き娘は身の丈の束エイと持ち上ぐ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/06/25 《四年間わが通学を担ひ来し過疎鉄道の星霜しのぶ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/06/18 《あたふたと着たり脱いだり一枚を彼岸はわれの覚悟を試す》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/06/04 《ややおきて朧なイメージ張り合はせ会話をためす喜寿のクラス会》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/05/30 《渋滞の車列ごときにいら立てり免許は生涯無縁と決めたり》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2013/05/21 《久びさを夢路に会ひし亡き父はわれに気づかず仕事してをり》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/05/21 《三代の絆をつなぐまるポスト》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/05/14 《半鐘の姿は疾うに消えたまま変らぬ村に「ふるさと」ひびく》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/04/25 《この国は几帳面の三文字にて紙一枚も網棚になく》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2013/04/09 《行間を読んでください人生の終末に書く熱きおもひを》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/03/29 《車中なる取るにも足らぬいさかいを事件に曲げる世情訝る》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2013/03/19 《ただ独り壁と会話の日に慣れて今は事態の継続のぞむ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/02/19 《子ら共に漕ぎ出し行かむ疾風と怒濤の荒海ごとき今の世》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/02/05 《両親にもらひし躯幹にて生き行かむペースメーカー胸に蔵ひて》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/01/29 《診療の呼出しまでは笑みうかべ知己なるごとく語りかけらる》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/01/15 《体内の削除ボタンをさがし出し汚れし部位をすべて消したし》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2013/01/08 《細胞を組み換へ取り替へ補修して二百歳まで生きゆかむとか》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/12/18 《降りるのはたつた二人の無人駅開業の日の歓喜秘めつつ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/11/27 《朝夕の乗客減を嘆きつつワンマンカーは気丈に走る》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/11/15 《新調のバスなり若き運転手「お気をつけて」と輝ける朝》 (稲継久嘉 産経歌壇、小島ゆかり選)
2012/10/31 《妹は誰の血筋を継ぎたるや踊りと聞けば嬉きと出でゆく》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/10/16 《片隅に肩をすくませ集ひ来てすぐ打ちとける喫煙仲間》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/10/04 《闇の中すべての事象打ち消してリセット図る結氷の音》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2012/10/02 《増税は鼠のやうに忍び来て狭き米櫃かじり始める》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/09/27 《すぐ沈む麦わら束につかまりて泳ぎ覚えし一片の夏》 (稲継久嘉 産経歌壇、小島ゆかり選)
2012/09/25 《山崩し里を流しし雷雲は一気に去りて夏が焼きつく》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/09/11 《故郷に集へる友と力抜き播州訛りの湯船に浸かる》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/09/06 《おそろしき写真を見たりオスプレイ並木の枝を削ぎ落とし往く》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2012/07/31 《パソコンの修練の度にしたがひて書ける漢字が目に見えて減る》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/07/19 《朝夕の昇降客を為せるあと単線電車は午睡に入れり》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2012/07/17 《ふるさとの同胞の安寧見てゐむや赤く輝く鰯雲流る》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/07/03 《人名を思ひ起さむとて究極のア行カ行にて検索はじむ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/06/28 《職退いて留守番役を任される》 (稲継久嘉 朝日新聞大和柳壇)
2012/06/07 《世の中の迂闊の話を聞き飽きてテトラポッドのごとく居眠る》 (稲継久嘉 産経歌壇、小島ゆかり選)
2012/05/17 《さびしきは大声あげて誰何せず名前告げずに中座する会》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2012/05/15 山を越え単線伸ぶる故郷へ友の笑顔を追ひかけに発つ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/05/03 《立ち飲みの最後の一滴こぼさずに昭和のマナーひしと守らん》 (稲継久嘉 産経歌壇、小島ゆかり選)
2012/04/17 《知ることや心残りの多過ぎてエンディングへの遠きを祈る》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/04/12 《原発の再起動への発想の裏に渦巻く黒き蠢き》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2012/03/22 《日本史の人名得意なこの友にさよなら言ひて柩を離る》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2012/03/13 《孫持たぬこの身に雪は降り積もり明日の世代をひとり見てゐる》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/02/28 《陽だまりに早や先客の猫のゐて君も来たかとまじまじと見る》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/02/21 《山茶花の散りざまや良しくれなゐの花びら撒きて有終飾る》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/02/07 《デゴイチの通過の音が聞きたくてオープンリールテープ買ひたり》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2012/02/02 《出しゃばらず君の空気でいてあげる》 (稲継久嘉 毎日新聞やまと柳壇 題「空気」)
2012/02/02 《昼食か足を早めて病棟の廊下を歩む看護師の列》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2012/01/26 《年金が見えぬペースで細りゆく納屋のネズミの米齧るらし》 (稲継久嘉 産経歌壇、小島ゆかり選)
2012/01/14 《三陸の港に鬨の声あがる受難後初のかつを揚がりて》 (稲継久嘉 産経新聞産経奈良歌壇)
2011/12/13 《もう一度この身を奮ひ職安の「年齢不問」の欄に挑まむ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2011/12/13 《十二月ズバリ結論から入る》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2011/12/08 《一部には奢侈商品を現金で買い行く人のあるは不況か》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2011/11/15 《老人は路傍にしやがみ飼犬と人生につき話しゐるらし》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2011/11/01 《膝を折りわれの目線にかがまりて次診告げたり若きナースは》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2011/10/27 《改札機あいさつもなく居並びて慇懃無礼に事務処理をせり》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2011/10/21 《怪物は太く長くをモットーに》 (稲継久嘉 朝日新聞大和柳壇)
2011/09/27 《なでしこの柔はしなやかに剛を制し復興日本の双肩を押す》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2011/09/13 《蕎麦を食ひいつも何かを待つてゐるこんな私を変へたくはない》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2011/09/08 《牛馬無く人影日々に薄れゆく稲田の里をディーゼルは行く》 (稲継久嘉 朝日新聞大和歌壇)
2011/08/30 《老齢の生活改善約しつつ豪も果たさずただよふ与党》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2011/08/02 《酸性雨を騒ぎし記憶薄くなりいま線量に取り乱さるる》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2011/07/12 《復興の手段のひとつ年金の受給を減らす気配ただよふ》 (稲継久嘉 讀賣新聞大和よみうり文芸)
2011/05/19 《雨の日はすることなくて藁打ちと縄綯いし貧いまだにつづく》 (稲継久嘉)
2011/05/12 《夕焼けの雲は故郷へまっしぐら》 (稲継久嘉)
2011/04/02 《東京は歩むに楽しき庭なりき殿様、浪士、芭蕉までゐて》 (稲継久嘉 2011/03/30 読売新聞)
2011/02/24 《引き出しに奇想奇策が詰めてある》 (稲継久嘉)
2011/02/17 《悲しみと僅かながらの喜びを胎に刻みし一年でした》 (稲継久嘉)
2011/01/13 《睡眠を十二分にと言われても残り少なき時間思えり》 (稲継久嘉)
2010/12/20 《閣僚にゃ国語辞典を持たせなきゃ》 (稲継久嘉 2010/11/23 産経新聞)
2010/12/04 《くりかへし昔を語る会よりも昼餉で帰る同志あつまる》 (稲継久嘉 2010/12/03 産経新聞)
2010/10/14 《ピーポーと車列を弾き救急車われの受難を告げつつはしる》 (稲継久嘉)
2010/09/02 《皺の数と体重過多はとどまらず象への進化すすみゐるらし》 (稲継久嘉)
2010/06/25 《稲刈りの畝の一列終へるたび痩せたる砥石で鎌を研ぎゐし》 (稲継久嘉)
2010/05/13 《足を病み旅に出る機は失せしいま旅行検定試験に挑む》 (稲継久嘉)
2010/03/11 《群像が息せき切って過ぎて行く》 (稲継久嘉)
2010/03/11 《障りなき島を求めてあてどなく空軍基地は今日もさまよふ》 (稲継久嘉)
2010/02/18 《わが神は長き苦闘を顕彰し再充電の激を飛ばしぬ》 (Iさん)
2010/02/04 《見せないが俺には俺の翼持つ》 (Iさん)
2010/01/14 《もうもうと湯気立つ臼に子らあつめ権威示しし父の昭和よ》 (Iさん)
2010/01/14 《下校どき小さきいじめの記憶ある細き農道ふるさとにあり》 (Iさん)
2009/11/05 《大人用自転車に足差し入れてケチケチこぎし昭和の子らよ》 (Iさん)
2009/10/29 《神仏が助けくれたる思ひ出にふくめて拝む夭折の兄》 (Iさん)
2009/10/15 《記録とて素麺6キロ流すてふ有意義無意味を考えてゐる》 (Iさん)
2009/08/14 《日食の「神々とすむ」時むかへ森羅万象襟を正せり》 (Iさん)
2009/06/12 《噴水に出遅れまどふ水ありてわが姿ともくらべ目で追ふ》 (Iさん)
2009/04/09 《氷河期を耐えて生きゆく若人に幸たまわれと祈るみ仏》 (Iさん)
2008/09/18 《神の手が微妙に生死ふり分ける》 (Iさん)