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『乳と卵』川上 未映子 第138回(2007年下半期)芥川賞受賞作品
本書はかねてから読んでみたいと思っていたところ、
とある友人から文藝春秋を贈呈していただきました。ありがとうございました。
作品は独特の改行の無い長文からなり、
一瞬町田康の「きれぎれ」を思わせるが、
私としては町田の文章より読みやすく、町田ほどの頭の炸裂を感じなかった。
またこの長文にしても最初幾分かの戸惑いはあるものの意外と読みやすく、
慣れてしまえば軽妙な大阪弁もあってかそのユーモアも楽しく、気持ちよく読めた。
川上は『卵』に関し、卵子と唯物的な卵(たまご)を小説の中で重層的に暗示させて登場させており、
幾分あざとさを感じるものの充分に計算された結びに成功している。
なかなかに不思議な小説で芥川賞好みかも、、(笑)
★★★★☆(ちょっと甘めか?)