漫トラ日記

現実生活空間&脳内妄想空間を日々マンガに浸食される主婦の怠惰な日常

マンガ展はしご

2008年08月03日 02時55分41秒 | マンガ
夏休み。。。マンガイベントの季節です!
先週は日本橋と銀座でマンガ展をやっていたのでハシゴして来ました

まず、8月3日まで日本橋三越で開催してる「ベルばら展」
       

原画展示もさることながら、
今回の一番のお目当てがこれ!
チラシの裏の写真を撮ったのでピンボケてるけど、分かるよね!?
あのオダリスク風のドレスです!
そして、三越のカードを持ってると催事はタダ!
これは行くっきゃないでしょ!?

さて、会場前ではアントワネットとオスカル様がお出迎え~
            
残念ながらここ意外撮影禁止
みんなここで記念撮影してました

中に入ると、まさに原画展!
「ベルばら」のストーリーを生原稿で追っていく構成になってて
アントワネットがデュ・バリー夫人にいやいや挨拶するシーン
オスカルがアンドレに「生涯私一人と誓うか!?」と叫ぶシーン。。。
何度となく読んでるシーンなのに
生原で見ると、また感慨もひとしお!
しかも、黄ばんだ紙、剥がれかけたネームに30余年の歳月が感じられて
またそこが良いんです~

あれ?でも、オスカルがフェルゼンと踊るシーンがない!?
と、思ったら最後にありました
そこにお目当てのドレスが!
確かに漫画そっくり!!
素敵なドレスでしたよ~
ただ、欲を言えば。。。もっと良い生地で作って欲しかったな。。。と
サテン地のシルクを使えばもっと高級感が出たのに。。。と
まぁ、制作予算もあるでしょうから仕方ないんだろうけど。。。

そして、外へ出たらグッズの即売所
そういう所はさっさとスルーしちゃえばいいのに
ついつい見てしまって。。。
とうとう、デパートの商魂に負けました

これがその証拠の品々
 
クリアファイルとポストカード。。。

そして、ケイさんが前に紹介してた入浴剤
別にここでなくても売ってるのに、ついその気になってしまった
夏はシャワーなんで、冬になったら使ってみようっと



お次は銀座松屋の「高橋留美子展」

入場料、¥1000!(高ぇ~~)
だけど、カラー原画がたっぷり!
「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」「犬夜叉」と
ブースに分かれてて、
作品別、年代順に作品が展示されているので
絵がだんだん上手くなっていくのが良くわかる
犬夜叉のカラー原画なんてホントに綺麗!!

あと、いろんな作家がラムちゃんの絵を描いてるコーナーが
それぞれ作家の個性が出ててとっても面白かった!
例えば、荒川弘のラムちゃんは原作に似ててとっても可愛く
野中英次(「魁!!クロマティ高校」)のラムちゃんは。。。
言うのもはばかられ程野中英次の絵でした

最後に「犬夜叉」のオリジナルアニメを見て終了
このアニメも良かったよ~

そして、外に出ると。。。またも引っかかってしまった

今度は図録まで買ってしまって、大散財
結婚式でお金使ったばかりなのに、ヤバイよなぁ~~

でも、とっても楽しい一日でした!



『井上雄彦 最後のマンガ展』

2008年06月25日 10時23分58秒 | マンガ
行ってきました!これに~     

実は、私、これをやってるって全然知らなくて
たまたま、ねたろ~さんの所で知ったくらいで
それを大ファンの娘その2に教えたら
「会社帰りにもう行った。」
「えっ?お母さん、知らなかったの~!?」と
あっけらかんと、言われてしまった。。。
冷たい~~

気を取り直して、次の日チケットを買いに行ったけど
どこのチケット屋に行っても売ってない!
そしたら、全部チケットぴあの独占販売で招待券も出してないという話
すごいわ!井上雄彦!

仕方ないので、ぴあの窓口まで行きましたとも!
(コンビニだと手数料を取られるからね
チケットも平日昼間、平日夕方用、土日用と3種類もあって
私は当然平日昼間を買ったんだけど
目の前で現金購入なのに、わざわざ住所と名前を書かされたんだよ~
初めてだよ~、たかがチケット一枚にあんな面倒なことしたの!


と、前振りが長くなったけど(すいません、どうでも良い話を長々と
そんなわけで、昨日上野の森美術館に行ってきました

美術館の窓口が空くのは9:30なんで
その前(9:15)に行って並びました
前から12人目!

さて、肝心の内容なんですが
平たく言えば「バガボンド」の最終回の原画展、て感じです

しかし!
ただの原画展じゃない!
全部オリジナルだし、井上雄彦の画力もすごいんだけど
何より美術館すべてが『バガボンド』の世界、
宮本武蔵の最後の境地を表現する事に使われてる。。。
つまり、
館内すべてが井上雄彦=「バガボンド」=宮本武蔵の内的宇宙として構築されているんです

観客は武蔵の最後に立会い
いつの間にか武蔵の内面を覗き込んでいます
死に臨んで、自分の弱さを認め
戦って殺した相手、出会った人々を思い
父との確執、母への憧れと、武蔵の心的宇宙を追って行く。。。
そして、暗い館内から外の光へ出てきたときは
すべての想いが昇華した、そんな気持ちになるのです
文字通り、観客は“体感する”わけです!

そんな気持ちになった美術展が未だかつてあったかしら?
素晴らしい名画を見ると感動するけれど
それは一枚一枚の絵に対しての感動でしょ?
この美術展は、原画一枚一枚の素晴らしさもさることながら
美術館内部それ自体が一つの作品になってるのです
そのために美術館内部、廊下の隅々に至るまで
一つの作品を作り上げるために利用してあるのです

例えば、
キャンパスから絵がはみ出て壁にまで絵が描いてある。。。
階段に出れば、その突き当たりに絵が。。。
でも、それはキャンパスに描かれた絵が飾ってあるのではなくて
壁に直接描かれている。。。!
(展覧会が終わったら、これどうするのかしら?)
あと、砂浜の絵には床に砂が敷き詰められていたりと
3次元的な利用もされている。。。

勿論、こういう美術館の利用法って、今までも無かったわけじゃない
でも、これは展覧会全体が「バガボンド」の最後の物語になっている
普通にマンガを読んでると、
ストーリーに入り込んで脳内がその世界でいっぱいになるでしょ?
それを何倍にも強烈にした感じなんです
それこそストーリーのあるマンガという媒体の強みではないですか!
マンガって、絵と物語の総合芸術なんだって、つくづく思いましたよ
絵の迫力もストーリーの深みもさることながら
雑誌の枠をはみ出て建築物すらもまんがの表現に利用しようするアイデア、その企画力!
ものすごいものを見た気持ちです

ここまで、全体としての感動ばっかり述べてきたけど
個々の絵もすごかったですよ
全然前知識なく行ったんで、全部原画だって知らなくて
思わず覗き込んでみたら。。。
トーンは貼ってあるし、ホワイトの跡があるしで
しかも、描いてあるのは和紙!
マンガ描こうと思った方はお分かりでしょうが
普通はケント紙に鉛筆で下書きして、ペンで上書き
鉛筆の下書きは後で消しゴムで消します
それを和紙では。。。消しゴムなんか使ったら紙がケバケバになっちゃう
てことは、ほとんど一発勝負で描かれているわけですよ
しかも、デッサンの狂いも無い素晴らしい絵が!
後で聞いたら、面相筆で描いてるとか。。。
今月号の「BRUTUS」に
“はっきり言って、これほどの線が引ける日本画家は、
第二次大戦以降ひとりとして存在していません”
と絶賛されてましたが
本当に上手い!
「スラムダンク」を連載し始めた頃の絵を思うと、信じられないくらいです
どんなマンガ家さんでも、描いてるうちに絵は上達していくもんだけど
ここまで、デッサン力もだけど
一つの絵が美術品として鑑賞できるくらい上手くなった方も珍しいのでは?
才能だけじゃなくて、ご本人の努力とこだわりが人並みでないんでしょう

線だけじゃなくて、筆のかすれ、墨の濃淡、トーンの使い方
それらすべてがまさに芸術!
鳥肌もんでした!

そんなわけで、入場料¥1500
はっきり言って元取れます

結論
素晴らしかった~~!!

会期も残り少ないし
ぴあのチケットは平日昼間しか残ってないみたいだけど
興味と機会のある方は、是非足を運ばれる事をお奨めします
後悔はしませんよ~


帰りに、図録を買おうと思ったら
作品の収録されている図録は予約制でした
しかも、お値段も決まってないとか。。。
欲しい!欲しいけど。。。いくらなの~~!?超不安~~

その代わり、バガボンドの画集を購入¥2940
これはカラーバージョン

墨バージョンもあったけど、高いから1冊で我慢、我慢

ついでにポストカードを買ってきた


11:00ごろ、買い物を終えて外へ出たら。。。。
そこには長蛇の列が!
ああ、早く行って良かった!



最後に、美術館の大看板を
   

いや~~ん、カッコ良い~~~!!
欲しいわ~~~ 

木尾士目『げんしけん』全9巻

2008年06月15日 01時00分43秒 | マンガ
 木尾士目『げんしけん』全9巻(講談社)

息子が友達から借りてきたマンガです。
面白いとは聞いていたんで前から読みたいと思っていたマンガたけど、
もう予想を超えて爆笑もんでした!

大学の部活で同好の士に出会い、
どんどんオタクに目覚めていく男の子の話なんだけど
オタクを自認する方には「わ~、あるある!わかる~!」てな
絶対心当たりがあるはずの描写がいっぱい!
思わずニヤリ(爆笑かも)とすること請け合いです!
オタクでない方も。。。って、こんなマンガ読むのはオタクに決まってるか


では、粗筋紹介

椎応大学に入った笹原完士(かんじ)。
大学へ行った人は誰でも覚えがあるだろうけど、新入生がまずする事はサークル決め!
彼もどこに入ろうか悩みます。
実は彼は隠れオタク。
漫研にしようかアニ研にしようかウロウロ。。。
その時、目に飛び込んできたのは彼が大好きなアニメキャラ!
それは「げんしけん」=「現代視覚研究会」の甲板でした
現代視覚研究会とは
マンガ、アニメを始めゲーム、フィギュア、コスプレ等のオタク趣味全般を研究?するサークル
結局、その部室のドアを叩く笹原。
ただの見学のつもりだったのに、
現視研恒例のドッキリに引っかかり、そこに入る事に。。。

サークルのメンバーは

まず、同じ一年の高坂
カッコよくて垢抜けてて、とてもオタクには見えないのに
ゲームはプロ級、エロゲー大好き少年
でも、自分の趣味を全く隠さない

春日部:一般人。美人。高坂とは幼馴染。大学で高坂と再会して一目ぼれ。
見た目は全くオタクらしくない高坂をオタクの道から引きずり出そうとして
現視研に出入りするうちに、結局入部する羽目に。。。

斑目(まだらめ):2年生。痩せて眼鏡をかけて、見るからにオタク
二次元キャラ萌えだったのが、春日部を意識するようになる(そのシーンは笑える)
骨折してもオタク趣味を突き通す、筋金入りのオタク
影の主人公といってもいいほど、個性的なキャラ

田中:2年生。デブでちょんまげ。コスプレ衣装制作やプラモ作りに命を掛ける

久我山:2年生。デブで内弁慶。典型的なオタクタイプ。
絵を描くのが好きだが、仕上げるほどの根性は無し

初代会長:姓名、年齢不詳。いつから居るのか誰も知らない。
ついでに存在感も無くて、いつの間にかそこに居る、という謎の人物。

と、個性的な部員たち(その後新入部員も入ってくるが。。。)

彼らに触発されて、隠していたオタク趣味がだんだん表に出てくる笹原
好きなものを好きといえる気持ち良さに、現視研での居心地も良くなっていきます

しかし、オタク道にいそしんでるだけの部活動に物足りないものを感じていた笹原は
3年で部長になって、コミケに同人を発表する事に
その経験から、漫画編集者への道を志すようになる。。。


と、笹原の4年間のサークル生活を描いた漫画なんだけど
これ読んで、30数年前の自分の大学生活を思い出したというか。。。
大学で漫研に入って、ますます漫画にのめりこんでいった自分を見ているようで
笹原の事がとても他人とは思えなかった
もっとも、私は迷わず漫研に入ったけどね

この漫画で一番可笑しかったのシーンは
隠れ腐女子の後輩荻上が、笹原と斑目が部室に二人っきりで居るのを見て
萌え萌えな想像をするシーン
(どんなシーンか腐女子を自認する方なら分かるはず
彼女の脳内変換された笹原と斑目の姿にもう笑が止まりませんでした~!
どんな姿なの?と、興味をもたれた方
是非、漫画を読むことをお奨めいたします
BL好きもそうでない方も、思わず笑ってしまう事請け合いです~

そして、「げんしけん」のアニメ
これも息子がパソコンにダウンロードしてくれたんだけど
これがまた、サイコー!!
全く珍しい事に、原作以上に良く出来ている!
声も映像も演出も力が入っているのが見てる側にも伝わる出来でした
コミケのシーン、漫画でも爆笑だった笹原と斑目のからみのシーンとか
漫画より可笑しくて大爆笑でした
特に、作中で彼らが夢中になってるアニメ(笹原が入部の時惹かれた看板)が
アニメで出てくるところ、
それを見ながら現視研のメンバーが薀蓄を傾ける所
彼らのアニオタっぷりがアニメだとよりリアルで、感心してしまったわ

ところで、この作中に出てくる架空のアニメ「くじびきアンバランス」
イントロ部分でキノコが沢山舞ってるんだけど(キノコって、茸ですよ)
これがいけない事を想像してしまうんだよなぁ。。。
これのエロパロがいっぱい出てるって設定なんだけど
あのキノコはやっぱり、そういう意味なんだろうか。。。?


なんにしても、皆様これはオタク必読の書ですよ~

マンガ家と編集者

2008年06月13日 02時50分41秒 | マンガ
※勢いに任せて投稿したので、ちょっと言葉足らずでした。
なので、少し編集し直しました


ちょっと旧聞に属するけど
<金色のガッシュ!!>作者が原画紛失の小学館提訴と言うニュースがあった。

残念ながら、このマンガも作者の雷句誠氏の名前も知らなかったので
このときは、「だらしないなぁ小学館。しかも、賠償金超安っ!!」くらいしか思わなくて軽くスルーしていたのだけど
満棚通信さんのブログ『壮絶な「裏」まんが道』を覗いてみたら、かなり奥深~い問題だったようだ。

驚いたのは雷句氏の提訴に対して、続々漫画家さんたちから応援メッセージが着てること!
ことに新條まゆさんのブログ「思うこと」「その後」の記事にビックリ!

リンク先の記事を読んでもらえば分かると思うけど
新條さんのイメージが180度大転換!
失礼ながら、あの「快感フレーズ」(恥ずかしいくらい臭いけど、意外と面白かった)の作者なんで
やっぱりそういう目で見ちゃってたけど、
書かれてる内容もさることながら、理路整然とした文章を読むと
とても意識の高い人だったんだなぁと。。。失礼しました!
(もっとも、彼女のマンガが好きかどうかとは別問題)

これだけの文章を書いてるのに、100%嘘と言うことは考えられない。
マンガ読みとしては当然心情的にマンガ家の味方をしてるけど
このほかにも
週刊サンデーに漫画家続々苦言 小学館はどうなっているのかの記事なんか読むと
分が悪いぞ、小学館!

ついでにこの問題をネットで色々検索してみたら、まとめ記事を見つけた
        ↓
雷句誠が小学館を提訴まとめ

これ読むと、本当にマンガ界の反応のすごさが分かります
それだけ、漫画家さんたちがいままでないがしろにされてきた、って言う証拠なんだよね

親の死に目にも会えなかった、と言う惣領冬実さん

やっぱり原稿をなくされたって言う新條まゆさん

他のマンガ家さんからも編集者から罵詈雑言を浴びせられた話から
愚痴めいた話まで、いろいろ出るわ!出るわ!


こうやって、あちこち読んでくと
なんてひどい出版社だ!って思いたくなるけど
編集にも言い分はあるようで。。。

編集者の竹熊健太郎氏のブログたけくまメモ の「マンガ界崩壊を止めるためには」(1)
には考えさせられました
続きの(2)が楽しみです

勿論、氏は係争中の雷句氏の直接的関係者じゃないから
一般論ではあるものの、今の出版会の現状を分かりやすく解説してくれて
今後のマンガ界の行方について、とても考えさせられました。


もう一つ
編集者の立場からこの騒動を述べたもの

ラノ漫―ライトノベルのマンガを本気で作る編集者の雑記― 「マンガ家はなぜ出版社と対等になれないのか」

編集者とマンガ家間の葛藤ってのは昔からあったこと(勿論当事者じゃないので、話に聞くだけ)だけど
マンガの社会的地位の向上に伴い、マンガ家の意識は大きく変わっていったのに
出版界の意識は前近代的だって言う見方
フリーランスの職業人vsサラリーマンの編集者と言う絶対的な意識の違い
漫画ばっかり書いてきた世間知らずの若者(一般的な話)vs一流大学出のエリート
と、こんな対立の構図は素人にも容易に想像は付きます。

高度経済成長期までは普通のサラリーマンも残業は当たり前
ましてや、出版界ひいてはマスコミ産業は夜討ち朝駆けは当たり前の世界だったはず
それが土日は絶対休みなんて。。。そりゃ、会社としては土日も仕事しろとは言えないけど
絶対に社外の人間に吐き捨てる言葉ではないですね~
土日にきっちり休みたければ、出版社なんかに就職しなければいいんです!

原稿の紛失も、安野モヨ子さんの「働きマン」を見ると想像できる感じ
編集室のあの戦場のような状態では原稿の紛失も有り得ますって!
問題は紛失後の対応でしょう
編集部も原稿の紛失は大問題だと充分認識しているはず
ここからは想像なんだけど
紛失が大問題で、悪くすると上の責任まで問われかねない問題だからこそ
ウヤムヤに済まそうとしたんじゃないかな
責任重大だと、そこから逃げ出したくなるのが人情だからね~
今までの作家さんはそこで泣き寝入りしてたんだよ、きっと
でも、雷句さんは今までの鬱憤が溜まりに溜まっていたから
黙っていなかった!
で、大会社の事だもの
補償のための稟議、稟議、となる。。。
ああだ、こうだと、待たされた挙句、スズメの涙の賠償金で
プチッと切れたんだろうなぁ~~
個人が大会社と交渉するって、ホント大変なんだよね~
特に窓口がペーペーだとさ。。。

2chも覗いて来たら
雷句氏関連のスレッドがいっぱい立ってる!立ってる!
別に目新しい情報は無かったけど
夏コミで小学館ブースに抗議しようとか
小学館のマンガを不買運動しようとか言う書き込みあったわ
でも、小学館のマンガって最近あんまり買ってないような。。。
24年組の頃は新刊をあんなに買いまくっていたもんだけどね


そうそう
「少女マンガ展」の図録の中で一条ゆかりさんが
「編集の悪口を言うマンガ家は三流四流なのよ。
担当マンガ家が売れなければ良いとおもってる編集はいない」てな事を述べてた。

勿論それは、独りよがりなマンガを描いてる、
作家性てものを勘違いしているマンガ家さんたちへの
一条さんらしい辛口メッセージなんだけど
あまりにタイムリーな言葉なんで、
今回の騒動で、ついそれを思い出してしまった。

いや、雷句さんがそうだって言う訳じゃないですよ!
アニメ化までされた売れっ子なんだから、絶対に独りよがりとは言えない!
しかも、陳述書やあちこちの情報から想像するに
対立の原因の一つは
人気があるんで物語を引っ張りたい編集ときっちり終わらせたい雷句さんとの確執の様子。。。

要は、一条さんの言葉を聞いた時「さすが一流!」と感心したんだけれど
マンガ家と編集の関係って、実際はこんな奇麗事では済まないという
厳しい現実を見せ付けられたって言うか。。。(←今頃かい!?)
マンガが売れなくて良いと思っている編集者はいないと思うけど
(出版社の飯の種だからね)
こいつの代わりのマンガ家なんていっぱいいると思っている編集者は居るかもしれない
って事ですよ
売り上げと自分の実績、上司の顔色ばかり伺って
肝心のマンガに対する情熱がそれを下回るようなサラリーマン編集者(サラリーマンだから当然と言えば当然)
でも、そういう空気は相手にも伝わるもんだよね
それで、自分を大切にしている作家との関係が上手く行くはずも無い、と思う。

途中まではすごく面白かったのに
引っ張りに引っ張られてラストでがっかり!というマンガを読まされた人は少なくないはず
逆に、次の展開をワクワクして待っていたのに、
急に尻すぼみで終わってしまったマンガを挙げれば枚挙にいとまが無いくらい
その辺の陰の実情が、雷句さんをきっかけに噴出してるって感じです


とりとめも無い事をだらだら書き綴ってしまったけど
私の書き込みより、リンクしてあるサイトに行って見てください
とっても考えさせられます
今後の漫画界はどうなって行くんだろう。。。

ただ一つ私に言えるのは、
この問題提起をきっかけにマンガ界が
マンガ好きがもっと良いマンガを読めるような方向へ向かって行って欲しいって事です

※最後に雷句氏の弁護士小野智彦氏のブログをご紹介
        ↓
【ガッシュ訴訟】陳述書公開についての担当弁護士としての見解...2008年06月12日


さすがに弁護士さん今回の問題点を分かりやすくまとめて下さってます。

新谷かおるetc

2008年06月06日 02時45分14秒 | マンガ
まず、ネット復帰第一弾は新谷かおるさんから
トオルさんの一押しマンガ家さんです
いままで未読作家さんだったんだけど、これが面白い!
奥さんの佐伯かよのさんと絵がそっくり(女性は奥さんが描いてるのかな?)だけど
ストーリーは男性だけあって、さっぱりしてて
私は新谷さんの方が好みかも~~


まず、お借りした中で一番面白かったのはこれ
 『クレオパトラD.C.』全8巻

世界有数の大財閥を築き上げた天涯孤独の男は死の床で
自分が若い頃炭鉱で働いていた時と同じ番号を持つ労働者を相続人に指名する
ということで、ニューヨークスラム暮らしの孤独な貧乏少女が
一転、世界有数のコングロマリットのオーナーとなる
超シンデレラストーリーです

て書くと、とっても大時代でロマンチックなんだけど
主人公のクレオパトラは企業の会長室におとなしく納まっているようなキャラじゃない!
不正や虐げられる人を見ると、その経済的影響力でアメリカ海軍すらも動かしてしまう。。。
なんともゴージャスでハチャメチャな痛快活劇です

中でも、笑える?のは第2話
あの貿易センタービルを爆破してしまうんです!
でも、この単行本が出たのは昭和62年
“9.12”より大分前のはずなんだけど。。。。。。予言みたい
ちなみに、爆破の理由はテロではないです
そうだったら、全くシャレにならん話になるけどね

主人公クレオパトラはコーヒー色の肌に金髪碧眼
そして、たった16歳なのに出るべきところは出てるダイナマイトボディ!
それを惜しげもなくさらす彼女のお色気がとっても素敵!
男性作家が女性の裸を描くといやらしい感じがすることが多いんだけど
新谷さんのマンガに出てくる女性キャラにはそんな感じがしません
このクレオパトラの健康的なお色気は、間違いなくこの作品の魅力の一つです!



 『砂の薔薇』全15巻
テロに巻き込まれ夫と幼い息子を殺され、自らも傷を負った女性マリー
テロ撲滅のための半軍半民の組織CAT(Counter Attack Terrorism)に身を投じた彼女は
テロの時の受けた胸元の傷が薔薇のように見えることから
“薔薇のマリー”と呼ばれるようになる
CAT内でトップクラスのチームを率いる彼女の活躍を描く

テーマがテーマなだけに、
「ゴルゴ13」を思い起こさせるような、かなりハードな話を描いているんだけど
何故かそう感じさせない
世界情勢やテロの世界をかなり勉強してる感じで、リアリティは申し分ないのに
やっぱり女性を柔らかく描けると、中身も柔らかく感じるのでしょうか?
それが「軽い」と感じる人もいるかもしれない
でも、同じ話を読むのなら、
やたらと“斜線”と“ト書き”の多いマンガより
こっちの方がすんなり世界に入って行けて絶対良い!
ハードさと情緒が程よく配分されているマンガです

ただ、キャラ的にマリーより「クレオパトラD.C.」の方が好きなので
この作品は次点
どうも、女らしいキャラは苦手なんだよなぁ
ここでお気に入りなのはアイリーン
元海兵隊員で、か・な・り・お下品
でも、ズバッとホンネを語る所が気持ち良いんだよね~
特に、ヘルガとの口喧嘩が笑えます

ところで、マリーが最終的に追っているのは
自分の家族を殺した名うてのテロリスト「グリフォン」
ラストで彼の正体が明らかになるんだけど。。。。。
う~~~ん。。。。ここだけは、いただけない
唐突な上、ちょっと陳腐だったような気がするな~
もしかして、打ち切りのための苦肉の策?


 『ホリー・ナイト』砂の薔薇vsクレオパトラDC
「砂の薔薇」と「クレオパトラDC」のコラボ作品
そこがちょっと楽しかった
どうやら、これはコミケ・通販用の自主制作作品のようで
B5版、たった46ページで¥1,010もするんだよ!!
たけ~~~っ!
話はそれなりに面白かったけど、千円札出すほどの厚さじゃないよな~~
それでもファンはコミケに並んで買うんだよね。。。
最近、オタクマンガ「げんしけん」(←知ってる人は知ってるはず)を読んだばかりなんで
かなり身につまされた一冊でした



 『パスカル・シティ』全2巻
2巻足らずの小品ながら、ストーリーの中身が濃くて
気に入りました

近未来のNASA、月基地に向かう新型宇宙船が事故って、
太陽への突入軌道に入ってしまう
地球に残っているのは、速度の遅い旧型シャトル
手をこまねいてる大人たちを出し抜いて、旧型シャトルを乗っ取り
事故にあった父親たちを救出に向かう乗組員の子どもたちの活躍を描く

子どもが大気圏脱出のGに耐えられるの?とか
少々突っ込みどころがあるものの
宇宙時代の子どもはこれくらい出来なきゃ!って感じの
とっても痛快な話
宇宙船の中で上手く役割分担しながら生活していく所とか
ラストの危機一救出劇とか、たった2巻とは思えないくらい
見所一杯でした



 波津彬子『うるわしの英国シリーズ』全5巻

さて、最後は新谷さんではなく波津さんのこれを
これはラストまで読んでなかったので、この機会に全巻まとめて読ませてもらいました
ま、多くは語りません
波津さんのは面白いに決まってますもん!
でも、数々の名作を書いてる波津さんだけど
その中でもこのシリーズは秀逸だと思ってます
何たって、主人公のコーネリアスくんが金髪ハンサム君なのが良いわ
そして、若年寄の雨柳堂の主人公と違って、
ちょっとヘタレな普通の男な所が気に入ってます
それなのに、何故か女性に縁の無い可哀相な彼
そんな彼もちょっと唐突ではあるけど、ラストは大団円!
でも、奥さんがあの人では尻にしかれるのは見えてますね~

このシリーズにはいろんな女性が出てくるけど
やっぱり、5巻に出てくるヴァイオレット嬢が素敵♪
彼女の幽霊さえ吹き飛ばす究極のネアカ
明るくて前向きな人生観が素晴らしい女性です
彼女の続編が読みたい、って思うんだけど
波津さん、描いてくれないかなぁ?

言い訳

2008年06月06日 02時43分18秒 | マンガ
皆様、お久しぶりでございます
メチャメチャ更新をさぼってしまいました
待っていた方も待っていなかった方(こっちの方が多いか)も
そして、自分に対しても申し訳無いです!
リアルで忙しかった、って言うのもあるけど
何かテンションが上がらなくて、ネット落ちしてました

何で、テンションが下がっていたか、って言うと

『片付け』のせい!

それも、『片付け』してたからじゃなくて
『片付け』しなきゃいけないのに、やる気が出なかったから。。。

つ~、なんともヘタレな理由でネット落ちしてたのでした


なんで、『片付け』か、って言うと。。。

それは
メチャメチャ増えたマンガ!

我が家では、押入れの前をとりあえずのマンガ置き場にしてるんだけど
未読、返却マンガ、借りたマンガが山と詰まれて
押入れの中の物を取れない!

押入れのふすまも開けられないくらい増えたマンガ
これを何とかしないと、衣替え(もう過ぎてるが。。。)も出来ない!
      ↓
しかし、そのマンガを整理するためには、最初に借りたマンガを返さなくてはいけない!
      ↓
でも、返却前にブログにレビューを書きたい!
      ↓
レビューを書くためには、時間を作って文章を練り上げていかなきゃ行けない
      ↓
しかし、片付けブルーでやる気が起きない
      ↓
やる気が出ないと、パソコンに向かう事すら嫌になってくる
      ↓
結局、一番手っ取り早い現実逃避(マンガ)に走る
      ↓
そして、ますますマンガが増える。。。

つ~、悪循環に陥っておりました

ここで、皆様、「嫌なら書かなきゃいいじゃない」とお思いでしょうが
私がブログを始めたのは、まず第一にマンガのレビューを書きたいから!
これだけは、自分で譲れない部分だと思っているんで
筆が乗らないからと言って、何もしないでお返しする事は出来ません!
(貸してくれた人にとっては迷惑だよねぇ。。。
ともかく、ここへ来て少し気持ちに余裕が出てきたので、
溜まりに溜まったマンガのレビューを徐々にアップしていきたいと思います

お借りしている皆様、申し訳ございません
もう少しでお返しいたします
(って、こればっかりだなぁ。。。

オフ会報告~その1~

2008年04月30日 11時29分56秒 | マンガ
先週の26、27日にマンガ友のたれぞ~さんが東京へ遊び来る!っていう連絡を貰い
勝手にオフ会幹事を名乗り出た私。
某掲示板でオフ会参加を呼びかけた所、
たれぞ~さんが来るなら私も!私も!と言う参加メールがあちこちから!
そして、ブロガー界からくまさんまでもが遠くから来てくれて
私を入れて総勢12名大オフ会となりました

マンガオタクのオフ会ですから、場所の選択もそれなりの所!
最初は渋谷の「まんだらけ」に行くつもりだったんだけど
オフ会当日に秋葉原にBOが新規開店するという情報を聞きつけ
急遽、そっちに変更~
オタクの聖地、アキバのディープな魅力を堪能する事にいたしました~

まず、お昼に集合
集合場所では早く来たお仲間はすでに戦利品をゲットした方もいて
黄色い袋をぶら下げたオバサマの集団が目立つ!目立つ!
初対面の人もいるんだけど、挨拶もそこそこに新規開店のBOへ~
ただ、お昼の予約時間があったんで
ここに居たのは30分弱。。。物足りない~~!
でも、みんな短い時間でしっかり戦利品をゲットしてました
さすが~~!
   (この写真はそのほんの一部です~~)

次はお昼ごはん
予約してあった肉の万世
ここのハンバーグは結構いけますよ。さいころステーキも柔らかいし。。。

大勢だったんで、ちゃんと個室を用意してくれていて
心置きなく腐話全開です~~

食後、遅れてきたぶっくさんと合流
て、書くとすんなり行ったように思われるかもしれないけど
土曜日の秋葉原は人がいっぱい!
その人込みをかき分けかき分け、
携帯で「今どこ?」「○フマップの前」とか言う会話をしながら
ブックさんを探す、探す。。。
大体、○フマップ自体、アキバに何件もあるんだよね~~
ブックさんを探して前へ急ぐと、今度は後ろが着いて来ない~~
いやいや、バスガイドさんの気持ちがわかるわ~~
でも、みんな秋葉原は始めてだから、もっとゆっくり見たかったんだろうね
せかして、ゴメンよ~~

無事、ぶっくさんと合流してリニューアルされた秋葉原の「まんだらけ」
ここで私はアリスブック1、2巻を発見!

これって、佐藤史生さんの『夢見る惑星』の外伝が載ってるので
前々から欲しかったもの!
マンガ友のトオルさんにコピーを貰ったんだけど
やっぱり、本になってるものが欲しいものね!
お値段は古本のくせに定価だったけど
絶版本としてはお手ごろだったんでゲットしましたわ~

その後、ケイさんのご希望でアニメイト
ここで見つけた「もやしもん」のキャラグッズ
        
「金一封」ならぬ「一封」の文字に爆笑
思わず、購入してしまいました~

その中身はと言うと。。。
 L.ヨグルティ君でした
A.オリゼー君が欲しかったけど、アオカビ君や黒カビ君でなかっただけ、良しとしよう
他のメンバーも買っていたけど、みんな何が入っていたのかな~~?

次は東京アニメセンター
ここでアフレコ体験とか出来るらしいけど
勿論そんな時間は無いのでパス!
キャラグッズを見て回りました
ちょうど、「ゲゲゲの妖怪ワールド」開催中で
鬼太郎グッズだけはいっぱいありましたね

最後に新宿に出てカラオケへ!
始めてきたカラオケ店なんだけど、来てビックリ!
き、汚い~~~、狭い~~~
でも、料金は思いっきり安かった!
おかげで時間を気にせず歌って喋ることが出来ました
勿論、このメンバーだもの~
思いっきり趣味満開で、アニソンカラオケオンパレード!
   

他の人たちと来たら絶対歌えない歌を歌いまくりました
特に、くまちゃんの「サスケ」はピカ一!
お喋りしてた人たちも思わず聞きほれるほどの上手さ!
ナレーションの部分、「光るあるところに影がある・・・」
マジで機械に入ってるナレーションかと思ったくらいよ~~
みんな絶大な拍手を送りましたとも!

そして、延々延々と。。。喉が枯れるまで、歌う歌がなくなるまで歌って喋りまくったのでした。。。

佐藤史生『鬼追うもの』

2008年04月10日 12時34分58秒 | マンガ
今、トオルさんから色々マンガをお借りしてるんですが
その箱の中に入っていたのがこれ

佐藤史生さんの「鬼追うもの」の全コピーです!

これだけのページ数をコピーしてくれたんですよ!
プリントアウトするだけでも大変だったでしょうに。。。
ご苦労様。ありがとうございます~~
そのご好意に報いるためにも、早くレビューを書かなくてはと思ってたんですが
相変わらず佐藤さんの作品は難物でして。。。やっとこさアップしましただ~

この作品、文明が崩壊した未来の日本をを舞台にしたSFであり
鬼や妖怪の出てくる和風ファンタジーでもあります
この辺りの絡ませ方、その独特の世界設定
さすが佐藤史生センセ、これが非常に上手いんですが
あまりにも切り口が多すぎて、かえって書くのが大変でした~!


さて、舞台は先ほど書いたように、何らかの原因で文明が大崩壊した未来の日本
その原因についてははっきり書かれてはいないけど
何百年か前に遺伝子レベルに影響を及ぼす変異ウィルスが流行し、
ありとあらゆる動植物が影響を受けた事が原因のようである
この新型ウィルス流行が人類に多大な影響を与える、って言うモチーフは佐藤作品には良くあります。
例えば、「羅陵王」とか

その中で、町一つを城壁で囲み外界との接触を絶って
文明を保ち生き延びた都市があった
それが、聖都ヒモロギ府である
遺伝子の純血に対して異常にこだわり、人間しか住んでいない都市
ここだけは先進テクノロジーを保ち、宇宙ステーションとの行き来も出来る都市である
その清き都市に怪異が発生し、浄めの儀式(弓を鳴らす)を行った鳴弦師がに殺された!

物語は、ヒモロギ府水干姿の少年がやって来るところから始まる
彼の名は朱楽(あけら)
呪術師(じゅごんし)ギルドの「役(えだち)」(←№1の腕利きのこと)と名乗る
(本当はその代理)
鬼退治を依頼されてカズラギ市からやってきたのだった。。。


と、まぁ、こんな始まり方の表題作なんだけど
車が走りビルが建ち宇宙ステーションまで持つ科学技術と
ケガレを払う鏑矢、直衣姿の鳴弦師、鬼退治とのミスマッチ
これが違和感なく同居している所が佐藤史生SFの魅力です

SFとなれば、鬼にも神にも科学的理由があり
登場人物は、古代人のように恐れ敬うのではなく
観察し推測しきわめて理性的に対処します
特に佐藤さんの作品の登場人物はそうです
驚きはしても、恐怖はありません
に対してもそうです
結局、とは異能者“篁(たかむら)”の左手に取り付いた化生だったわけだけど
その化生、妖怪、異能者たちも、おそらく例の変異ウィルスのせいで生まれた者たちです
彼等はウィルスによる突然変異で、ある種の超能力を身につけたのです


異能者である篁は、純潔を尊ぶヒモロギにはいられない身になり
朱楽とともカズラギに行く
が、ここでも、化生に取り付かれる性質の篁はトラブルを引き起こす
これが、第2作目の『神遣い』
そして、今度の相手は神!
さて、神の正体は?
カズラギの呪術師と葛城山の主との智恵比べが始まります。。。


このように、SFの中に古代日本の神話や伝説をうまく入れ込んで
それがまたとっても魅力的!
その魅力の一つが和風の言葉
ただ、これが「役」=「えだち」のように、
普通の読み方をしないから読みにくいことこの上ない!
でも、それがまたちょっと妖しげな雰囲気をかもし出してるのも確か
ちなみに「えだち」とは、古代、人民に割り当てられた肉体労働のこと
とてもギルドの腕利きのこととは思えない

「ヒモロギ」とは神籬と書き、神の宿る場所の事
よく、榊の枝と〆縄で四角く囲った場所が描かれるでしょ?
あれの事です
ラストで、ヒモロギ府が宇宙への移住を計画している事が明かされるんだけど
(当然、純粋なヒト遺伝子の持ち主だけで行く)
そのことに、「役」の隍(からぼり)は「“鬼の国”どころか“神の国”になったりして・・・」
と、言います
ヒモロギの名がここに繋がるのです
佐藤さん、安易にヒモロギと名付けたわけではないんです!
深いと思いません?

あと、朱楽が使役している半妖怪のクモ
名前がライコウ
当然、この名は鬼退治で有名な源頼光から来てることは間違いないです


漢字の読み方から「記紀」にまで及ぶ知識の深さ
佐藤史生さんの博識と、そこからストーリーを編み出す創造性!
ただただ感服するだけです~~
でも、佐藤作品の中で一番!とまでは言えない
それは、すべての作品がレベルが高くて、とても選べないから!
いや、一番はやっぱり「夢見る惑星」なんだけどね。。。


ところで、『鬼追うもの』はトミーさんもレビューを書いてます
ご参照を~
     ↓
トミーさんのブログ

『蒼天航路』全36巻

2008年04月04日 16時33分11秒 | マンガ

『蒼天航路』全36巻 漫画・王欣太(きんぐ ごんた)原案・李學仁(イ・ハギン)

タイトルしか知らない漫画だったんだけど、図書館にあったんで借りて来ました。
なので、最初は期待してなかったんです。
が!最初の数ページで物語に引き込まれ、あとはもう一気!
メチャメチャ面白かったです!!

中身は平たく言えば「三国志」
ただし、主人公は奸雄曹操
その曹操がメチャカッコ良いんです!
これは惚れますって!
上の画像は全部曹操
青年期、壮年期、老年期の曹操です
どう?良い男でしょ?
絵の魅力は大きいですよ!

普通の『三国志』は、劉備元徳が主人公で
彼は武勇・知略に優れ義に厚く、親孝行
貧しい中から身を起こす立志伝中の人物でありながら
決して邪な権力欲で動かない正義漢として描かれてます
少なくとも、吉川英治氏の小説や横山光輝版『三国志』ではそうだったと思う。。。
“思う”と言うのは、吉川英治氏の「三国志」は30ページで
横山光輝版「三国志」は30巻あたりで飽きちゃって、全部読んでないからなんですが
ともかく、主人公劉備始め関羽・張飛、諸葛孔明、みんな立派過ぎてキャラに面白みが無い
マジメで出来過ぎ君で飽きるわけ
やっぱり、人間どこかダークな部分がないと嘘臭いです
特に歴史物だしね

その点、『蒼天航路』の曹操は人間そのもの!
ガキ大将で女好き
軍略に優れた武の人でありながら、溢れんばかりの詩才の持ち主
人の才を愛で、身分の上下を問わず人材を登用するけれど
自分の役に立たないものは切り捨てる非情な能力主義者
ゆえに非効率的な因習の破壊者
世間の反感も周囲の反対も意に介さず、自分の道を突き進む
日本で言えば、織田信長を髣髴とさせる人物像です
しかし、そこは中国
描かれてるスケールが大きい!大きい!
しかも、漫画だから少々大げさとは言え
それぞれのエピソードは非常に史実に基づいて描かれてます
これ、パソコンを傍らに置いてwikiを活用しながら読んでたんだけど
調べると従来の「三国志」がとんでもなく嘘っぱちだったと、
目からウロコの思いでした!
おかげで、高校で習った時はチンプンカンプンだった三国時代の中国の歴史が
大分理解できました
こういう面白い歴史漫画読むと、いつも思うんですよ
昔こんな漫画があったら、もっと学校の成績が良かったろうに、と。。。

勿論、カッコ良い曹操だけじゃなくて、彼以外のキャラも立ってます!
まず、ライバル義の人、劉備玄徳確かに義侠人(ヤー様の親玉?)で、
度量の大きさで関羽・張飛等を引き付ける人物として描かれてはいるものの
度量の大きさも度を越すとただのホラ吹き、って感じです
しかも、戦争に弱くて自分の女房子どもを戦場に置いて逃げる情けない奴です~

一番、可笑しかったのは諸葛孔明
ハンサムな優男として描かれていて、ビジュアル的には可なんだけど
。。。何と、彼はポン引き!
女の子たちをいっぱい抱えていて、そのためものすごく情報通
そして、ちょっと浮世離れした神通力の持ち主
当然、非常な才の持ち主なんだけど、何故かあの才好きの曹操にはアウト・オブ・眼中
(このあたり、ものすごく笑えました)
そのため、えらくプライドを傷つけられた孔明が赤壁の戦いを影で糸引いて
曹操を追い詰める、と言う展開になってます

呂布、ものすごく強い!ありえないくらい強い!
そして、ドレッドヘア。古代中国にドレッドヘアですよ~~!
青筋立てた呂布が赤兎馬にまたがり兵卒を蟻のように一薙ぎするシーンは
笑えるくらいすごいです~

中でも、私のお気に入りは曹操の部下夏侯惇(かこうとん)
曹操のいとこで、忠実な武将
董卓配下の徐栄との戦いで片目を射抜かれ、プシュップシュッと血が吹き出てるのにもかかわらず
平気な顔して曹操に付き従う。。。このシーンに惚れましたわ~
(我ながら、変な趣味だ)

等等、まあここに書き切れない数多い登場人物が
全然かぶさることなく個性的に描かれています
その技量、恐るべし!!

とにもかくにも、非常~に面白かった!
長いけど、読む機会があれば絶対お奨めですよ~~!!


最後に『蒼天候路』を扱ったサイトをご紹介
まだ良く見てないんですが、なかなか奥深そうなサイトです
  ↓
蒼天考

『少女マンガパワー!』展図録

2008年04月02日 23時12分42秒 | マンガ
         
買って一週間もほったらかしだった図録を、やっとじっくり見ることが出来ました
前半は原画のカラーページで、後半は各まんが家先生へのインタビュー記事
これがとっても興味深くて、すごく面白かったので
ごく一部だけど、ご紹介します!
(長いので、興味のある所だけ読んでください。)


※わたなべまさこ先生
家庭に入ってからデビューされたので、その頃の事を聞かれて
主人が良く協力をしてくれて、育児や家事を手伝ってくれて。
~略~女の人っていうのは家庭に入ったままじゃいけない、
社会とのつながりを持っていたほうがいいよって言ってくれて。
私の実家のほうからは「女性が働くなんてとんでもない、子どももいるのに」と反対されましたけれど。


※松本零士先生
女性を描くことについて
「大砂塵」とか、気の強い女性がヒロインの映画ですよ。
そういうものを描きたかったんです。絶世の美女を描きたいわけですね。
それが少女漫画を描く一つの要因になったわけですね。
そういうものが、後の少年漫画に写ってからもヒロインとして出てくるし、
「銀河鉄道999」のメーテルも、全部そこから続いてるわけですね。
当時の少年漫画家は女性を描くのが苦手だったんですよ。アニメーターも実はそうで。
「宇宙戦艦ヤマト」のアニメの頃は、スターシャなんかは原画も動画も自分で描いたりしてました。
でも、みんなだんだん上手くなってね。
「999」のアニメの頃になったらメーテルでも何でも描けるようになりましたけどね。


※水野英子先生
デビュー作の内容について
仔馬をめぐる女の子の話。完璧な西部劇。
~略~要するに当時はお涙ちょうだいばっかりだったでしょう、女の子ものっていうと。
メロメロの薄幸な女の子のね。そういうの大嫌いだったの。
~略~西部劇好きだったんですね。動物が好きだったし。馬が好きだったし。

悔しかった事
原稿をなくされたのは嫌でしたね。
~略~当時は原稿が大事なものだという意識が無いままで、
「ああ、どっかいっちゃった」でおしまいなんですよ。
あと、原稿に勝手に色を塗って、予告のカットなんかに使ってたりね。
~略~そんなのいっぱいある。単行本にするたびに、ひっくり返してみて、
何枚か無いって言って。


※牧美也子先生
その頃の少女漫画は枕詞のように「お涙ちょうだい」とか「母もの」と、
ひとくくりによくされたものでした。
私の少女時代は終戦というより敗戦の混乱と荒廃の中にあり、
日本人の一人一人が自分だけのストーリーを持っていた時代です。
今の若い方には信じられないような悲惨な話はいっぱいありました。
少女漫画といえども絵空事ではなかった。
同時に焦土の中から復興する日本も見てますので~略~
夢、憧れ、希望、今日より明日、明るい未来、そんな思いを読者に伝えられたら、
共感してもらえたら・・・と、そんな気持ちで描いてました。
私自身、いい年してまだ夢見る女の子が残ってたってことかな。


※里中満智子先生
漫画の魅力
漫画の魅力っていうのは、まずそのストーリー、脚本、キャラクター造形、
コマ割、その他ありとあらゆる手段を尽くして、形にするわけですよね。
一つ一つの能力、例えば文章表現能力は10点満天で5点しかないとする。
絵の能力が、いわゆる画家に比べて、満天が10として3くらいしかないとする。
それでもいろんな能力が合わさると説得力を生みます。
それは足し算ではなくて掛け算になってくるんですね。

ちばてつや先生の事
当時少女漫画雑誌に出てくるほとんどのヒロインが、うっとうしい女だったんですよ。
何かあると泣く。~略~お母さんと離れ離れになって、お金持ちの少女にいじめられて、
貧しい暮らしの中健気に時々星を拝み、「お母様に会いたい~」とか泣くわけですよ。
泣く暇があったら何とかしろって言いたいんですけれども。~略~
ところが、ちばてつや先生の作品が、そこに出てくる女主人公がすごく生き生きしてて、
ごくごく自然な女の子だった。
こんなに女の子の気持ちがわかるなんて、男の名前だけど、この人絶対女だって思ったんですよね。~略~
そのうち、ちーちゃく写真がでたんですよね。~略~
どう見ても男みたいな気がするって。
そうか、シスターボーイだって思って(笑)~略~
でももうちょっと私が大きくなると、「ちばてつや先生が結婚なさいました。」と出たんですよね。~略~
おかしいな?そうか、世間を誤魔化すために偽装結婚されたのだと。


※一条ゆかり先生
一番悔しかった事
ちょうど、萩尾望都さんとか、大島弓子さんとかの熱狂的なファンが出てきた頃、「マネだ」って言われたこと。
自分の描いたものは彼女たちのマネではない、絶対。~略~
なにしろそれまで「変わってる」とは言われたけど、マネだなんて一度も言われたこなかったもので、とても怒った私は「私、好きにします」と。
だからもう、私らしい話を描きます、と。で、打ち合わせもしません、と。
言い放って描いたのが「デザイナー」です。

後輩のマンガ家に伝えたい事
担当編集者の悪口を言うマンガ家さんはたいてい、二流か三流か四流か五流なの。
~略~自分の足りないのを担当のせいにする人よ。
人がこう言ったからしょうがないじゃなくて、描いたのはお前じゃないかって。
責任取れないのかよ自分でって。
どんなに性格の悪い編集者でも、自分の担当しているマンガ家が潰れてしまえ、と思う人は一人もいないの。~略~
その自分の一番最初の理解者で、お互いのためにもなる人一人説得できないんだったら、
ファンなんか説得できないよ、って思っちゃう。


※美内すずえ先生
神秘体験
子どものころから不思議な体験はよくしています。
今はそういう体験から得た、自分が本当に大切だと思うことをマンガを通して描いていきたい思ってます。
宇宙全体が一つの生命であり、人の魂と肉体との関係、龍神や宇宙生命体の働き、
人類の使命といったマンガならではのテーマですね。
「アマテラス」という作品が、その試みです。早く続編を書きたいと思ってます。
あ、もちろん、「ガラスの仮面」の続編も。
私、けっこう粘り強いので、時間は掛かるのですが、
一度やり始めたことはけっして忘れることはありませんから、どうぞ見守っていてください。


※竹宮恵子先生
先生の勝負時は?
やっぱり、「風と木の詩」でしょうね。ほんとうに勝負したのはその時だと思います。
「ファラオの墓」のときは、「風と木の詩」のために1位をとるまでやる、と思ってやっていました。
「一般に受ける」ってどうすればいいのかを探っていたのが「ファラオの墓」ですよね。
ナイルキアとスネフェルが恋に落ちるシーンをものすごく大事に描きました。
私は恋愛シーンがすっごく苦手だったんですが(笑)。
でも、しっかりした恋のシーンがあると、すごく反応があるんだなって、その時実感しました。

原画’(ダッシュ)の考え方
自分のカラーがどんなに凝っていても、それが印刷では全然出ないんですよ。中間色とかが。
~略~印刷の不満以外にも、自分の原画が無くなったり、破損したりとかいう話も聞くので。
それが本当に起きてしまう前にアーカイブにするべきじゃないかなって。~略~
マンガの原画は元々飾るためには出来てないので、脆いんです。
そういう意味では、原画よりきちんととっておけるものになるかもしれたいと思って。


※くらもちふさこ
少女漫画の力
やっぱり、乙女心ですね。私の中でとしをとって行くにつれ、心はおやじになってしまっているんですけれど、何かその、少女マンガを描くときには、恥ずかしげも泣く乙女になれるんですよ、自分の中では。
これがある限りは少女マンガが描けるって思ってるんですけど。
そこが大事なんだなって思ってます。


※佐藤史生先生
SFの魅力
「地道なハシゴ昇りのすえに唐突に開ける眺望!」といった所でしょうか.
要するに論理のハシゴを一段一段昇っていく。ジャンプは不可。
ジャンプあるいは飛翔が出来たら、そんな能力があったら、SFなんか読みませんものね。
詩とか文学を読みます。跳ぶ能力も飛ぶ翼もないから地道に一歩ずつ昇っていくんです。
そして気がつくと異様な場所に立って、見なれない奇観をながめて呆然とする・・・そういうのが快感なんです。

好きなキャラクターは?
イリスですね。私は「アラビアのロレンス」を見て人生観が変わったのですが、
イリスはその影響を受けて出来たキャラクターなんです。~略~
ロレンスに惚れこんだことで「影の部分こそがいい!」というステージに移ったわけです。~略~
それで人間は清く正しく美しくなくてもいい。
むしろ弱点にこそ感情移入が出来るんだと、それで描く意欲がわきました。


※岡野玲子先生
少女マンガの力とは?
やっぱり自在性だと思いますね。柔軟ですよね。
女性そのものが、柔軟性っていうか、包容力があるからですか。
男性ていうのはドーンとした感じですから。
でもホントは男性的エネルギーを持ちつつ柔軟であるといのが一番いいと思いますけどね。
少女マンガ家の方は、少女マンガを描きながら、でも男性性の強い作家さんが多いじゃないですか。
たぶんそれがパワーの魅力になっていると思うんですね。
両方を持っていることが。


うわ~~、長々書いちゃいました。
でも一流の方はやっぱり考え方が深い!
だからこそ、一流になれたんだと思いますが。。。
特にすごいと思ったのは一条先生とと佐藤史生先生
一条さんのきっぱりした生き様!
男前だわ~!
佐藤さんの感性
SFへの見方なんか、目からウロコでしたよ!
普通だったら、想像力の飛躍が楽しいと答える所なんですが
確かに、気付いたらすごい奇観が見える。。。ってのは頷けますわ~

そして、美内先生。ちょっと神がかってるのは心配だけど(山本先生の例もあるから)
「ガラスの仮面」のことを忘れてないのね
少し安心しました

『少女マンガパワー!~つよく・やさしく・うつくしく~』展

2008年03月28日 20時53分48秒 | マンガ
川崎市民ミュージアムで開催されている『少女マンガパワー!』展
のんびり構えてたら、もうすぐ終わり(30日まで)じゃない!
27日に慌てて見に行ってきました~。

さて、バスを降りると目の前に派手なピンクの看板がお出迎え~!
     

建物に入ると、まず売店が目に入ります(商売上手!
そこで、思わず図録に手が!  ¥1500(高っ!)

会場は2階で、手塚先生から始まる少女マンガ界の大御所の原稿が
古い順に並んでいます
でも、生原は半分くらいかな?
ところどころのショーケースに古いお宝本が陳列され
中央広場は読書コーナー
マンガや画集が沢山置いてありました
さして広くも無い会場なので、どんなにじっくり見ても
小一時間もあれば見終わってしまうくらいです

う~~ん。。。物足りない!
海外で少女マンガを紹介した展示会を、
そのまま日本でやってるから仕方ないんだけど
あまりにも、初歩的!入門編!
イラストと原稿をパネル展示してるだけだし
解説も、まあ、日本の少女マンガファンにとっちゃ~
当たり前すぎる事しか書いてないし。。。

一応、名のある大御所の絵は大体紹介されてはいる。。。あっ!青池センセが抜けてる~~!!
んだけど、半分くらい印刷物で感動が薄かったな~~
それでも、竹宮先生の墨の濃淡や山岸凉子先生の繊細なペンタッチ
牧美也子先生、わたなべまさこ先生の美しいカラーページ
もう、マジマジ見入っちゃいました!




そんな中で、一番印象的だったのは
石ノ森章太郎先生の「龍神沼」の生原稿!
前の晩、BS2でやっていた「とことん!石ノ森章太郎」の中で紹介されてた
冒頭の見開きページが、丁度展示されてました!

時間を感じさせる黄ばんだ紙
手描きのタイトル
アミ描けの場所にスクリーントーンが張られてなくて、
青鉛筆が塗られているのにも時代を感じました
が、何と言っても感動だったのは
テレビの中で言っていた里山の風景を生で見られたこと!
そして、一緒に少女が龍神に変身したシーンも展示されていたけど
こちらは点描の世界!
もうもう、すばらしくて感涙ものです~~!!

交通費に¥1000以上、入場料¥800
内容の割に高いと思ったけど、この原稿見れただけで元取れた気分でした~~


さて、この「少女マンガパワー!」展
これから全国何箇所かを巡回展示するようです

<今後の日程>
新潟市新津美術館       4月12日~5月25日

京都国際マンガミュージアム  7月19日~8月31日

横山隆一記念まんが館(高知市)9月6日~11月9日



興味のある方は是非足を伸ばしてみてください~~

上田としこ「フイチンさん」

2008年03月10日 15時37分07秒 | マンガ
  

長年、虫プロから出た「フイチンさん」(左側)しか知らなかったんだけど
図書館を検索したら「フイチンさん」が全三巻も!?
そこで念のために借りてきました
そしたら、'92にアース出版から完全版が復刻再販されたもの

「フイチンさん」は『少女クラブ』に昭和32年から37年まで連載されたので
虫プロ版はその途中までしか掲載されて無かったのよね
中途半端な終わり方で気になっていたのだけど
やっと、名作「フイチンさん」を最後まで読めて幸せです~~

舞台は満州のハルピン
時代は戦前、満州が日本の植民地だった時代。。。
そう聞くと暗~くて重~い内容の漫画を想像するけど
ぜ~~んぜん、そんなことは無い!
明るくて、読んで幸せになること請け合いです

主人公は貧しくても明るい中国人の少女フイチン
ハルピン一の富豪リュウタイ家の門番をしているワンさんの娘
明るくて働き者で人一倍元気な少女です

あることから、ご主人のリュウタイに認められ
一人息子のリイチュウ坊ちゃまの遊び相手に抜擢されます
ところが、リュウタイ家に遊びに来た
同じお金持ちの家の子に「身分の低い子とあそぶのはいや」と言われ
「さにさ、つんつんして偉そうに」とその子の鼻をひねるフイチン。。。
リイチュウの母親、第3夫人はカンカンだけど
ますますご主人に気に入られ
最初は周囲の目を気にしてお高くとまっていたリイチュウも
勇ましくて楽しいフイチンにあっという間に懐いて行きます
そして、フイチンに付いてって外で遊ぶうちに
どんどん元気に丈夫になっていくリイチュウ
それ以上に、貧富の差を越えて人間として大事なこと
弱い者への思いやりと言うことを学んでいくのです




今読むと、ギャグはちと古臭い感じがするけど
人をお金で判断しちゃいけないよとか
弱いものへの思いやりを忘れちゃいけないよとか
普遍的だけど今は忘れられがちなテーマがちゃんと流れていて
今更のようにいい漫画だな~~と思います
あ、誤解の無いように言っておくけど
モラルを訴えているからいい漫画なんじゃなくて
明るくて元気なフイチンさんのキャラの中に
自然にぶれない正義感が書き込まれているのよね
今時漫画の悪ぶった主人公に食傷気味なんで
こういう清々しくて素直な主人公をたまに見ると新鮮で良いね!

そして、この漫画に出てくるほとんどの人がみんな良い人!
舞台が満州ですから、当然日本人も出てくるしロシア人も出てくる
でも、みんな貧しくても助け合って生きています
ここに人種の偏見とか侵略戦争の憎しみ恨みとかは入る隙がありません
甘い!と言われればそうなんだけど、時代や社会を深く考えるより
フイチンさんみたいに明るく「人間みんなお友達」と思って生きる方が
どれだけ健全で前向きなことか!

こんな良い漫画が絶版で手に入りません
ネットで見るとメチャ高い値段が着いてるし。。。
是非、文庫版で再販して欲しいもんです
しかも、日本だけで読んでるのが勿体無い!
中国でも読まれて欲しいと思うのは贅沢かしら。。。。?

漫画オフ会

2008年02月13日 14時14分20秒 | マンガ
漫画仲間のアヤネさんが東京に来られたので、
某掲示板仲間に呼びかけてオフ会を開催することにしました
プラス、ブログ界からはトミーさんもお呼びして総勢9人でオフ会です!

まず、11時に池袋集合
最初から参加なのは、私とアヤネさん等5人です
サンシャイン60の58階にある「クルーズ クルーズ」のランチバイキングへ
途中から、こたりんさんも来られて6人で時間ぎりぎりの3時まで
たらふく喋って食べて飲んで、もう何も入らないほどお腹がパンパン!(ケフッ)
特にデザートをたっぷりいただきましたよ~
ケーキにプリンにアイスに苺。。。

え?その写真は?って。。。?
あははは。。。忘れました~~
お喋りと食うのに夢中で。。。
相変わらず、ブロガーにあるまじき事ですわ~
リンクした写真を見て想像してください
もっとも、こんなに色々は並んでなかったけどね~~

その後、サンシャインの向かいの乙女ロードへ
(池袋へ来たんだから、漫画好きとしては一度は見てみないと!

ここでブックさんと合流
ぶっくさんとこたりんさんは目がキラキラ
ぶっくさんはドラマCDを、こたりんさんはBL系漫画をひたすら物色してました
まんだらけ池袋店に寄ったんですが
私はその同人の数々にただただ圧倒されるばかり!
特によしながふみさんのベルばらパロディ本のお値段に仰天です!!
一色刷りの薄っぺたい同人本が、5万とか6万とかするんですよ!!
買う人いるんでしょうか?


お次はカラオケ~♪
夜の部まで1時間半、ひたすらアニソンオンパレード!

特に、アニメ映像の流れる主題歌!
一層盛り上がります~~

さてサービス映像
漫画好きならメロディまで頭の中に浮かんで来るはず~
 

 

 


たった一時間半で物足りなかったけど
麗しのシャア様に心ときめいたところで、夜の部へ~
ここでトミーさんとあひょさんが加わって9人全員が揃いました
夜はさっぱり系のお豆腐料理のお店
ランチバイキングメンバーはお昼に食べ過ぎたんで、ここで良かったけど
トミーさんやあひょさんは物足りなくなかったかなぁ。。。そこだけがちょっと心配
でも、お豆腐美味しかった~~

ここで、こたりんさんの腐女子論議大爆発!(爆)
腐女子一年生のトミーさんは興味津々。。。
でも、席が向こうとこっちで離れていてあんまりお話が出来なかったんです
ここで私がこたりんさんと席を替われば良かったのよ~~!
あぁ、何て気の利かない私!

狭い店の中で、大きな声で漫画話全開の私たち
周りの人たちに私たちの正体はバレバレだったわね~~


早目に帰らなければいけない人もいるので
ここで一旦お開き
残りのアヤネさん、あひょさん、こたりんさん、夜は
まだ喋り足りないかのように喫茶店へ
ここで、またまた2時間おしゃべり。。。
解散したのは11時でした

結局、11時から11時まで12時間ず~~~っと喋り倒してた訳!
いや~~、さすがに口がくたびれたわ~

でもでも、食べて呑んで歌って喋って。。。

物凄~~く楽しかった!!



トミーさんもあひょさんもカラオケに行きたかったみたいなんで
今度はカラオケ優先のオフ会をしましょう!

皆様、長い時間お疲れ様でした
楽しい時間をありがとう~!!


※食べ過ぎて、この時間になってもお腹空きません
いくら食べたんだ~~!!?
あ~~、体重計が怖い!

少女漫画検定

2008年02月03日 12時38分29秒 | マンガ
昨日、少女漫画検定なるサイトを見っけたので、早速挑戦しました
結果、一発合格~
81点でした~



「ハチクロ」のネーミングは誰のアルバムから取ったのか?とか
桜沢エリカ「天使」の好物は何か?とか
未読漫画の問題はわかんなかったな~

このサイトには他にも色々な検定があるので
お好みのカテゴリーを挑戦してみたら?(要登録)
       ↓
  My検定.COM


ちなみに私、他にもいろいろやってみたけど
合格したのは少女漫画だけ。。。。でした
世界史なんか31点~~!
やっぱり、私の取り得って、漫画だけなのね~~

どっちが萌え?バトン~その2~

2008年01月23日 01時36分13秒 | マンガ
さて、続き

●和服vsドレス
「ドレス」!
洋物コスプレ大好き!

●妖怪vs幽霊
「妖怪」!
「すっくと狐」の唱とか「破妖の剣」の赤いお方お方とか。。。麗しい~~
幽霊は怖いからパス!

●刀vs銃
「刀」
アーサー王の時代からスター・ウォーズまで
刀にはフォースが宿っているだ
それに比べて「銃」は、あまりにも即物的

●幼馴染vs同級生
「幼馴染」で「同級生」が一番萌えるんですが。。。
どっちがより萌えるかと言えば、「幼馴染」かな
“筒井筒の恋”が良いわ~

●口ヒゲvs顎ヒゲ
「顎ヒゲ」
口ひげはいやらしく見えるもん

●黒オーラvs白オーラ
「黒オーラ」
何しろ、悪役好き(良い男限定)なもんで

●アニメ派vsマンガ派
今も昔も「マンガ派」
それに、この年でアニメはきつい

●美少年vs美青年
「美青年」
ビジュアルもだけど、中身がオトナじゃないと萌えません

●ツンデレ眼鏡vs笑顔が眩しい好青年
「ツンデレ眼鏡」
イメージは相原実貴「ホットギミック」の亮輝クンよ~
「好青年」てのはリアル生活でなら光るんだけど
妄想の中ではつまんないだよね~

●野球少年vsサッカー少年
競技としてなら、迷い無く野球!!とお答えします
が、“萌え”となると。。。う~~ん困った
だって、高校球児の坊主頭。。。大っ嫌い!なんだもの~~
でも、水島新司先生に敬意を表して、やっぱり「野球少年」

●ドジっ娘vs眼鏡っ娘
「眼鏡っ娘」
ドジが可愛いなんて、あり得ません!

●恋vs愛
「恋」
物語は「恋」が「愛」に至るまでの過程が一番面白いのです

●お色気流し目vsおねだり上目使い
「お色気流し目」
お子ちゃまランチには興味が無いです
オトナの魅力が大事

●田舎っ子vs都会っ子
「都会っ子」
生まれた時からビルの中ですから。。。
テレビのチャンネルが多くて
大きな本屋と品揃えの良い図書館が近くに無いと暮らせません
と、あれ?
これ、どっちに萌えるか、って言う問題だったのね~

●『お前がいい・・・』vs『俺じゃ駄目か・・?』
『お前がいい・・・』です
こういう時、聞くなよ!って、思いません?

●赤目vs青目
「赤目」です
中でも、前田珠子さんが書く赤いお方が一番です

●泣き顔vs笑顔
「笑顔」!
あくまでプラス思考が好きなんで
笑顔の影で心が泣いてるっていう設定が一番来るのよ~

●いつも笑ってるヒトのまじめな顔vsいつもまじめなヒトの笑った顔
「いつもまじめなヒトの笑った顔」
貴重な笑顔に落ちます

●先生vs師匠
「師匠」
人格と品性がありそうに聞こえるところが○!
先生物って人気あるけど、私は萌えません

●『君に本気になっちゃ駄目だね・・・』vs『どうしたら君に本気になれる?』
『君に本気になっちゃ駄目だね・・・』
相手を振り回している感じが気持ち良い~~!
「どうしたら君に本気になれる?」って、そんなこと人に聞く事かい~~!?

●『今夜、泊まってく?』vs『今日は帰したくない』
『今日は帰したくない』
気持ちが盛り上がっている感じが良いわ~~
「今夜、泊まってく?」は倦怠期の臭いがしますね~

●無口vsお喋り好き
「無口」!
男は黙って。。。
お喋りな男はもてません

*追加質問です。

●日に焼けた肌VS白い肌
「日に焼けた肌」
自分より色白の男ってどうよ!?


は~、終了
さて、ここまで読んだ方
かなりお好きと見た!
どう?やってみません~?