くまのお気楽日記

好きな漫画や映画の話を主にその日あった事や感じた事等をお気楽に書いていきたいと思います。宜しくお願いします。

最近読んだ漫画4

2010-01-29 17:18:42 | マンガ好き
みなさん、こんにちは。

今年初めてのブログですが、もうすぐ2月ですし、時期外れですので、年始のご挨拶は割愛させていただきます

……と、言いつつ年末の話なんですが
ちょうど一月前の29日に体調を崩しまして、
年末で病院もその日までということで慌てて駆け込んだりして、
折角の休日が慌ただしくちょっと冴えないものになっちゃいまして…
その経験で、
「今年こそは食生活を改善するぞ!」
と、心に誓いまして…
と、言いましてもあんまりハードルを上げると続かないので、
超簡単な野菜スープを毎日食べることと、なるべく納豆とヨーグルトと海藻も毎日食べること、後はよく噛むように心がける…くらいなんですが。

だけど今迄があまりにもひどかったからか、気の持ちようなのか(笑)、結構効果がありまして、慢性的な悩みだった便秘症が改善されたんです!
結果…久しく見てなかった<ウエストのくびれ>も多少見られるようになりましたし(笑)、
気軽な社交辞令なんでしょうけれども、職場の方から、
「最近お肌綺麗ですね」
なんて言われたりもして…
単純なくま、今ちょっとウキウキ気分なのです

それで、こんな気分の時は!やっぱ恋愛少女漫画でしょう!
と言うことで!(笑)

「君に届け」 椎名軽穂 1~10巻(以下続刊)

最近アニメ化もされ、近々実写化もされるとのことで、既に話題になっている漫画ですが、
非日常的な奇抜な設定が好物なくま、今迄読まず嫌いでこのジャンルは殆ど読んでなく…
だけど読んでみて、もう1巻から号泣しちゃうくらい面白くって…!!

簡単なあらすじを申しますと、
「見た目が陰気に見えるせいで<貞子>なんてあだ名を付けられてクラスから浮いた存在の<爽子>。
そんな<爽子>に何かと声を掛けてくれる、クラスの人気者の<風早>。
<爽子>はいつしか<風早>に憧れを抱くようになり…」
と言った感じなんですが…

とにかく主人公の<爽子>が物凄くピュアな子なんです!!
このピュアさかげんに心が洗われる気持ちになるというか…
他の登場人物達も、個性はあるけれども皆優しい子達ばかりで…
よしながふみさんの「フラワーオブライフ」とはまたテイストが違いますが、
友情の物語でもあり、青春の物語でもあり、
忘れかけてた初恋の時の純粋な気持ちを思い起こさせてくれるような、
そんなお話です

次は前にも少し記事にしたかと思うのですが、
この漫画も読んで号泣しちゃったので(笑)、ちょっと感想を。

「坂道のアポロン」小玉ユキ 5巻(以下続刊)

5巻の帯に「めくるのではなく、そこにいくように読み続けたい」
って書かれてるんですが、ホントにその言葉に納得するくらい世界観がしっかりしてます。
裏を返せば架空の世界観が作り上げられているという意味で「ありえね~~」って話になっちゃうのかもですが、
この漫画もやっぱりキラキラとしてて…読み終わるとため息が出てしまいます。
「君に届け」と違うのは…この漫画の方が色っぽい感じ…とでもいいましょうか…
登場人物が涙を流すシーンなんか読んでると、「君に~」だと感情移入して一緒に泣いてしまう感じなんですが、
「アポロン~」だとそれと同時に、その泣いてる人物の絵を見てドキッとしてる自分がいるというか…
前にも言いましたが、方言の使い方も凄く上手いと思うんですよね…
ホントにこの巻でもやられちゃいました…

さて、最後にご紹介しますのは、

「ささめきこと」 いけだたかし 1~5巻(以下続刊)

この漫画はいわゆる百合系漫画になるんでしょうか…女の子同士の恋愛のお話です。
しかしエロなお話では全くなく、かといって作者が男性だからなのか、リアルなガールズラブなお話っぽくもなく…
普通の男女の純情な恋愛のお話を、女性同士にして生まれる葛藤とか困難をスパイスにした、って感じのお話です。

なので「女の子同士で相手の胸の谷間が見えたからって鼻血吹いたりするかな?」
(女子はあんまり視覚情報で興奮したりする傾向にないと何かの本で読んだので)とか、
つっこみどころは満載なんですが、初々しいところがツボですし、何となく楽しく読んでしまってます

しかし上記の「アポロン~」なんかでも、作家さんは女性ですし、男性が読むと、
「こんな、手を掴んで相手をその場所から連れさって、最後には一緒に笑いながら走る…なんてキラキラした仲直りの仕方、男同士でするかな?」
って疑問に思ったりされるのかもしれませんし…
結局くまはつっこみながら読むのが好きなのかもですが…

ちなみにこの漫画もアニメ化されてます。

さて、今日は変な自慢から始まって、よく分からん感想ばっかりの内容に終わってしまったグダグダな記事ではございましたが、
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました

それでは、また。

最近読んだ漫画3

2009-12-25 04:30:51 | マンガ好き
みなさん、こんにちは

早いもので今年ももうクリスマスの日がやってきました
今日はくまは久々のお休み、旦那さんは昨日に続き本日も忘年会なのでご飯の支度は不要!…というわけで、ゆっくりブログを書いたりしよう♪、と、ちょっと今、テンションあがってます
(ホントは年末に向けてお掃除とか色々やらなきゃいけないことが他にあるんですが…

さて、ここのところホントに「ジャケ買い」が多くなってるくまなんですが、これもそんな漫画の一冊、つい先日発売の、

「珈琲時間」 豊田徹夜

帯の広告を読むと、この作者の前作が何か賞を受賞した作品だそうなんですが、そちら「アンダーカレント」はくまはまだ未読です。
4年ぶりという新作は、タイトルの通り珈琲にまつわる短編集なんですが、ところどころ世界観がつながってるようで、ちょこちょこキャラクターが重なって登場してたりしてて面白いです。
絵柄はくまの勝手な印象では少し遠藤浩輝さんに似てる感じ。
ストーリーは…シリアスな話かと思えば合間合間にギャグが挟まったり、また絵柄がギャグっぽくないので、かえってその違和感が面白かったり、その後の淋しいような雰囲気が際立ったり…
は!全然ストーリーの説明になってませんが…

本の中にちょっとイイセリフがあるんですが、

「人生に必要なのは何か?生きる糧となるものは?
酒か?恋愛か?金か?
それらは強すぎる 私は一杯のコーヒーだと思う
~中略~
さあコーヒーを飲もう 今すぐに!
なぜなら人生はあっという間に過ぎ去ってしまうからだ!」

という…正しくこの珈琲のような漫画です。

次にご紹介したいのは、こちらも今日発売の、

「海辺へ行く道」夏 三好銀

この漫画も先程ご紹介した「珈琲時間」と共通する点が多く、共通したキャラクターが登場する短編集です。
絵柄はイラスト風?
構図や色使いが凄く素敵で、お話は少し不思議な感じなんですが(そこに住む生物が巨大化する森だとか、踊りながら歯を見せて笑うと失格になる「静か踊り」祭りだとか)、そんなに突拍子もない不思議な話でもなく、不思議なことに焦点を当てているお話でもなく…なのにとっても異界な風景に感じるのは、この絵柄の構図がちょっと騙し絵のようだからなのかな?って感じです。

帯に「漫画界のマイナーポエット」なんてうたわれてるんですが、まさにそんな感じ。

タイトルの後に「夏」ってついてるので、もしかしたら「春」とか「秋」とか「冬」とかも描かれるのかな?って今から期待してるんですが、やっぱり帯に「長い沈黙を破り」って書いてあるので、この作者さんももしかしたら寡作なかたなのかもですが…
しかも前作?の後日譚「いるのにいない日曜日」という漫画も同時発売されてるんですが、前作の「三好さんとこの日曜日」がおそらく絶版で、アマゾンでみたら定価1200円の4倍近い値段が…!!
「いるのに~」も読んでみたいけど、そうすると絶対くまの性格上前作「三好さん~」も猛烈に読みたくなること間違いなしだし…
後日譚出版するなら前作も復刻してくれなきゃ~…って誰にともなくボヤいてしまいそうです…(苦笑)

お次は、最近…というには以前に読んだ漫画なんですが、
上記二作の共通点、「別々のお話に共通の登場人物がいる」という点で思い出したのでご紹介を…

「ラスト・ワルツ」 島田虎之介

です。

絵柄は全くトーンを使ってなく、線の強弱もあまりなく、サインペンで描いたような、細かい描き込みの、白黒のコントラストのはっきりした絵柄で、
作者のうんちくが満載の独白でお話が進められていくのですが、
そのうんちくが余りにも多岐にわたって且つ詳細なので、どこまでがホントでどこからがウソなのか…
例えばその昔のコロンビアの部族の儀式の話が語られたかと思えば、その話が元ナチスの逃亡者の話につながっていったり…と、バンバン話が飛ぶんですが、語り口がとっても上手いので、ついつい知らない間にお話に引き込まれてしまいます。

しかも最初は別々にも読めるお話が、最後には大きな一つのテーマを伴っていることが分かった時には、実際に描かれている以上の長い長いお話を読んだような気分になります。


さて、まだまだご紹介したい漫画は沢山あるんですが、そろそろ夜更かしも限界…
っていうか、朝になって来ちゃいましたので、このへんで終わりたいと思います。

それでは。





最近読んだ漫画2

2009-11-24 22:48:06 | マンガ好き
みなさん、こんにちは

実は今回の記事、何日か前に途中まで書いたところでパソコンがフリーズしてしまって、保存してなかったので、全て消えてしまう…というハプニングがあったのですが…
気を取り直してもう一度書いていこうと思います。
宜しくお付き合いのほど

まずは

「惑星スタコラ」1巻 加藤伸吉

タイトルに<惑星>とありますが、物語の舞台は未来とも異世界とも全く説明されずにお話が進みます。
主人公は何らかの組織に属す<マタギ>と呼ばれる職業の男<キズ>。
組織を裏切った<ジャコ>という男を<狩る>ように指令を受け旅立ちます。
<キズ>はいつも子連れで行動しているのですが、<小僧>と呼ばれるこの子供は、息子というだけでなく<狩り>の際、人間兵器のような役割も果たします。
<キズ>はそのことにとても苦悩していてますが、組織の意向には逆らえない様子。
母親については殆ど明かされておらず、意識の世界でイメージが登場するのみ。
色々と謎が多いお話ですが、想像豊かな世界観が(<キズ>のヘソのあたりからはえた肉の鎖につながった毛のはえた携帯端末、だとか、巨大な虫のようなフォルムの自動車や、サイだか恐竜だかが牽引する荷馬車だとか…)細部までしっかり書きこまれていて、自然と物語に引き込まれていきます。

しかしこの1巻はつい先頃発売されたのですが、巻末を見ると、収録された分のお話がまとまるまでに雑誌掲載年月で2年程かかっている様子…2巻の発売はまだまだ先かと…
良いものを創るには時間がかかってもしょうがないんでしょうけど…2巻が待ち遠しいです

次は、これまた漫棚通信さんで紹介されてて読みたくなったので職場で発注したものの、少々手違いがあってまだ上巻しか手に入っていない…

「フロム・ヘル」上巻 アラン・ムーア作 エディ・キャンベル画

イギリスの有名な<切り裂きジャック>事件をモチーフにしたお話なんですが、事件の真相の裏側に、英国王室や英国中を象徴的な建築物による呪術で覆うフリーメイソンが関係していたり…と、とても内容が濃いです。
本の裏表紙の解説に「小説的な読み心地」と書かれているんですが、ホントにそんな感じです。
絵も日本の漫画の絵とはまた違った雰囲気で動きがない感じなんですが、それがこのお話には合っていて、よりいっそうたんたんとした恐ろしさを感じさせます。

本のサイズは大きくてB5くらい、値段も上巻で2730円と高めですが、お買い得な面白さだと思いました。
これからアラン・ムーアを少しずつ作家買いしようかと思うくらいです 

次は

「虫と歌」全1巻 市川春子

短編集です。
植物から遺伝子操作されて生まれた男の子が、失った<指>をもとに<挿し木>して生まれた<妹>に出会って…というお話「星の恋人」や、
肩の故障で野球部を退部した<雪輝>。ある日実家の古道具屋の売り物の、古びた箪笥の取っ手を壊してしまう。
するとそこに使われていた金具がぴょこんと逃げ出して、さらに次第に成長してゆき…というお話の「日下兄妹」など、全4編。

あらすじを読んでいただいただけでもこの<不思議感>ってご理解いただけるかと思うんですが(笑)、ホントに「どこからこの発想ってくるんだ!?」って感じで新鮮で面白いです。
絵は淡白というか…イラスト風?なんでしょうか…
お話に合っててくまは好きです。

他にもまだ沢山読んだんですが…またまた明け方近くなってきましたので、今回もひとまずここで、終わらせていただきたいと思います。

それでは






最近読んだ漫画

2009-10-31 01:52:14 | マンガ好き
みなさん、こんにちは

なんとか一月ぶりの更新に間に合いました、くまです。

今回のタイトルは「最近読んだ漫画」ということで、
簡単な感想を書いていきたいと思います。

まずは今日読んだばかりの

「竹光侍」7巻 松本大洋

今巻も物凄く面白かったです!!
いよいよお話も佳境となってきたようですが、何といっても薬種問屋での乱闘のシーン。
あの独特の絵がシブイです!!
そして思わず「くわ~~っこイイ~~!!」と唸ってしまいます(笑)

心優しく、普段は昼行燈のような男なのに実は剣豪!な主人公とか、
一匹の小さな鼠にだけ愛情の全てを注ぎ、あとのものは自分も含めてみな憎悪の対象であるかのような、
屈折した心を持つ男とか、
一国のお家騒動だとか、自分の中の剣に執り付かれる様な情動を戒めるゆえの「竹光」だとか…

悪く言えば「ベタ」なのかも知れませんが、
良く言えば「王道」!!と言うかまさに「活劇」!!って感じで、今次巻がとても楽しみな漫画の一つです

次はまだ上巻しか読んでないんですが、

「この世界の片隅に」上巻 こうの史代

この方の漫画は初めて読むんですが…
随分前に満天さんが「夕凪の街桜の国」のレヴューを書いておられたり、
tooruさんのところで教えていただいた漫棚通信さんでも記事になってたのを拝見したり、
ずっと気になってたのを先日古本屋さんで上巻だけ発見しまして…
結果「こうの史代欠乏症」を発症してしまいました(笑)

何が面白いって言葉では説明しにくいんですが、雰囲気というか…世界観なんでしょうか?
「竹光侍」もそうだと思うんですが、方言がとても効果的に使われています。
そして「この人ホントに私より3歳上なだけ!?」と驚くくらい戦時中の生活の様子などについて詳しく描かれています。

本のカバー折り返し部分に、この方の好きな言葉、
「私はいつも真の栄誉をかくし持つ人間を書きたいと思っている」(ジッド)
が記載されてるんですが、
この本が何か特別な偉業を成し遂げるお話とかでなく、ただその日その日をどういう心持で過ごしていくかというところが描かれている点と、通じるものを感じました。

読後が清々しいです。早く続きが読みたい…なのに今日職場で注文してくるの忘れた…

次は、

「芋虫」丸尾末広 江戸川乱歩原作

乱歩×丸尾の前作「パノラマ島綺譚」なんかは高階良子も漫画化してましたし、「黒蜥蜴」とか…実はくま漫画や映画で先に知ってて原作は未読なんです。
だけどこの漫画を読んで「原作も読んでみよう」って思いました。

この何とも言えない不思議な魅力。
丸尾末広の漫画も随分昔に読んでから、「パノラマ~」が出た頃に久々に読んだので、絵柄も変わってて凄味が増したように思います。

くまの読んだ漫画の中で凄味のある絵というと宮西計三ですが、この「芋虫」の絵も凄いです…グロテスクさと美しさって紙一重なんでしょうか…
この乱歩×丸尾コラボ、次巻も続くといいなって思います

さて、この他にも色々と読んだんですが、夜中から書き始めてたったこれだけを書くのにもう朝になってきました…

今回は特に印象に残った三冊の感想だけにしまして、そろそろ終了したいと思います。


それでは。







一年ぶりです

2009-10-01 01:03:35 | 日記
みなさん、お久しぶりです。

……というか……
ホントにお久しぶり過ぎて、書き始めの言葉が見つからないくらいで…

この一年も色々あったんですが、ここ半年はホントに仕事が忙しくて…

週4日一日4時間のパートタイムが、いつの間にか週6日一日12時間労働な日々に変わっちゃっってました…

長々と書いても楽しくない話なのでなるべく端折ろうと思いますが…

まず4月頃勤めてたスーパーの店長の横領が発覚し、それに伴い店長と仲の良かったパートさん数人が居辛くなったのか退職。

そのパートさん達がこなしてた仕事とか、店が閉店してから店長に横領されてた被害額を調べるための作業、など仕事量が倍増。朝は8時前から夜は遅くて11時頃まで仕事といった日が増える。

さらに新しく来た店長はスーパー未経験で慣れない人だったので、今まで店長がやってた発注などの仕事も頼まれるようになり、

だけどそれが「出過ぎた行為だ」とか言うことで古株のパートの先輩のおばちゃんから睨まれるようになり、

仕事上の伝達事項を他のパートさんにも示し合わせて私だけに伝えてもらえなかったり、おばちゃんの勘違いなのに店内で大声で怒鳴られたり、今まで誰もしたことのない(要するに優先順位の低い、ただ嫌がらせ目的のための)草むしりの仕事をするように言われたり…

このあたりで見かねた理事長が「皆で仲良く仕事してください」と、話し合いの場を設けてくれたり、おばちゃんと私の仲を取り持とうと努力してくれたりはしたんですが、効果はなく、

「どうしたらこのおばちゃんと上手く付き合っていけるのか」と益々悩んでたくまに、旦那が「もうそんな職場辞めろ」と怒り出し、

引き留めてくれる人や世話になった人のことを考えると辛かったんですが、スーパーを退職。

そしてここもまた間違いの元だったんですが…
背中を押してくれた旦那の手前、次の働き口を早く見つけようと、退職したその日に少し離れた別のスーパーと本屋さんの二つを面接受験。

くまとしては後から求人を知った本屋さんが本命だったんですが、採用通知はスーパーのほうが早く、以前から本屋さんでも働いてみたかったので、掛け持ちすることに…

またしても朝8時前から夜9時過ぎまで仕事の日々…

結局体力的にきつくなってきたこともあるんですが、スーパーの方で配属された精肉部門で、「これから徐々にスライサー(大きな円形の高速回転する刃がついたお肉を切る機械)も扱ってもらいたい」と言われたことがきっかけで、周りからも「それはちょっと不注意なくまには危険な仕事じゃない?」と言われ始め、本契約の前に二月ほどでスーパーを退職。

これが8月の末頃のことで。

だけど本屋さんも結構人手不足な職場で、くまが就職してからでも何人も退職していて、今月のシルバーウィークは9連勤の内11時間労働の日4日…てなことにまたしてもなってきちゃってます…

今はやっと2週に1日くらい12時間勤務な日があるくらいで、他の日は1日5~8時間で週5くらいなペースに落ち付いてきましたが…

何でこんなことになっちゃうのかと言うと、結局頼まれると嫌だって言えなくて、つい安請け合いをしちゃう自分が悪いんですけれども…

それにしても若い時はもっと過酷な労働時間でも働いてた時期もあったんですが、さすがに何年もゆっくりしたペースに慣れ切っていた中年の肉体には、久々の過酷な労働時間はキツかったっす。

………何だか書いてても、きっと読んでても、ちっとも面白くない愚痴ばっかり書いてしまいました……変なものを読ませてしまってすみません…

今日久々にパソコンの前に長時間座って、放置しすぎて何だか見るのも怖くなってた自分のブログの編集画面を開いてみると、今日の閲覧数が15人。

もしかしたらたまたまくまのブログに初めて訪れた人が15人なのかも知れないけど、だけどもしかしたらお馴染の皆さんが時々くまのことを思い出してくださって、見に来てくれた15人なのかも知れない…って思ったら、不義理をしてた恥ずかしさを乗り越えて、久々にご挨拶できる勇気が出ました。ありがとうございます。

「度胸星」

2008-10-08 01:43:21 | マンガ好き
みなさん、こんにちは。
ハッと気付けば前回の更新からもうはや一月…
慌てて何か記事をUPしなくては…と考えたところ…
最近読んだ漫画でとっても面白かった、
「度胸星」 山田芳裕 全4巻 
が思い浮かびました。

ただ最初にお知らせしておきたいと思うのですが、
このマンガ、とっても面白いんですが<未完>であります…
正直ブログでお薦めマンガとしてご紹介するのに、<未完>はどうかな~とも思ったんですが…
補って余りあるほど面白いので…ご紹介させていただきます。


山田芳裕さんと言えば、くまは「へうげもの」しか読んだことがなかったんですが、
戦国時代が舞台の「へうげ」とは趣が異なって、こちらは、
<人類初の有人火星探査隊>
と、火星で消息を絶ったその探査隊の救出に向かう為のクルーに選抜されようと、
<救助隊に志願した地球の若者たち>
の、二つの物語が並行して語られる、という形のSFです。

簡単にストーリーをご説明いたしますと、

「人類初の有人火星探査の記念すべき第一歩を、宇宙飛行士<スチュワート>が踏み出したその直後、
彼一人と幾ばくかの機材を残して、他のクルーの乗った着陸船や母船は諸共に、
謎の物体<テセラック>に破壊されてしまう…!!
一方地球では、突然通信の途絶えた火星探索チームの救出と原因究明のため、
火星への有人ミッションのクルーが、全世界から募集されることになった。
伝説のトラック野郎を父に持つトラッカー<三河度胸>は、
年齢、性別、国籍等問わず、広く募集するというアメリカ大統領のTV演説を観ながら、
亡くなった父の夢であった<火星まで荷を運べるトラッカー>になるべく、
その苛酷になるであろう試験に挑戦することを決意する…」

といったお話です。

謎の物体<テセラック>の正体は!?というSFな部分も面白いんですが、
このマンガの魅力は、何といってもキャラクターの魅力ではないかと思います。

主人公<三河度胸>は、一見温厚で内気なようにも見えるタイプなんですが、
実は内に秘めた信念を貫こうとする力というか…
まさに<クソ度胸>の持ち主でありますし、
主人公の良きライバルとして登場する<筑前智>も、
野心溢れる自信家で、一見陽気で単純な快楽主義者のように見えて、
かなりの策略家というか…陰の部分も持ち合わせた人物として描かれています。

他にも、同じく選抜試験を競い合う仲間として、
他人や周りの生き物の考えていることを感じ取れる能力に悩み、一切の生物のいない火星へ行こう、と志願した
<市原茶々>や、
やくざの息子で、ある体験から「所詮、人間の歴史は暴力の歴史だ」と思い至り、
組の将来のため、ビジネスチャンスを求めてミッションに参加した
<武田勇>、
「他に面白そうなことがなくて…」という理由で応募した、人生に冷めた天才少年
<石田友助>に、
共に物理学者でもある
<坂井輪利宏・光子>夫妻…

もう一つの物語の主人公としては、
火星での過酷な未知の脅威にたった一人立ち向かう宇宙飛行士
<スチュワート>…

と、様々に個性的な人物が沢山登場します。

そしてこれらの登場人物たちに共通して言えることは、
皆、胸の内に<熱いものを秘めている>ということです。

この全編を通して感じられる<熱さ>が、読んでいるこちら側にも伝わってきて、
「こういうところがこの作家さんは上手いな~」
って感心するんですが…
お話が絶好調に盛り上がったところでぷっつりと終わってしまってるんですよね~…

今山田さんは「へうげもの」で乗りに乗っておられるようですし、
なかなか難しいかもしれませんが…
いつの日にかこの続きを描いていただきたいものです…ホントに…

ところで蛇足なんですが、
この「度胸星」、登場人物の名前が、歴史上の人物を示唆するような名前なんですね~
<三河>は家康、<筑前>は秀吉でしょうし、<武田>と<石田>はそのままですし…
<市原茶々>はお市の方とお茶々の方からとったっぽいですし…

何かこういうところも読んでて楽しかったです


それでは。

「Sink」

2008-09-04 19:20:16 | マンガ好き
みなさん、こんにちは。

夏ももう終わり、ちょっと季節はずれかも知れませんが、今日はちょっとホラーな漫画のご紹介を。
本日のタイトル、
「Sink」 いがらしみきお 全2巻 です。

いがらしみきおさん、と言えば、「ぼのぼの」と「ネ暗トピア」などの4コマギャグ漫画しか読んだことがなかったんですが、
あの「ぼのぼの」の可愛い絵柄とはうってかわってホラー使用なのか、まず絵柄が何ともいえず超不気味です。

物語は、
「両親と高校生の息子のごく普通の家族の前に、まず父親が町で以上に首の長い女や手の長い男を見かけるようになり、
自宅付近のバス停では大量のたばこの吸い殻が落ちていたり崩れた造成地からは大量の小石があふれていたり…と、
ごく普通の日常の中に少しだけ<異常な>光景が現れるようになる…」
ところから始まります。

この見慣れた日常に少しだけ異常な非日常が混ざってくる感じが、とても不気味で怖いんですが、
以下<ネタばれ>込みで感想を続けさせていただくと、






実はその「首の長い女」や「手の長い男」というのは、<げんざ>と呼ばれる、
「この世界は必ず人間を不幸にする この世界を潰せ」
という人間の社会そのものに異を唱え続ける大昔から存在する血族であり、
かつては山の中で暮らしていたが血を広めるために徐々に社会の中に混じってきたもので、その血を受け継ぐものは
「自らが不幸に会うとき覚醒する」
という設定で、
物語の核となる家族の息子<駿>は、ストーカーにあうガールフレンドを助けようとして逆に相手から恨みをかい、
ナイフで刺されて怪我をしたことをきっかけに、徐々に<げんざ>へと変貌していきます。

この家族の父親の友人の<林>という男が唱える学説に<バランス論>というものがあるのですが、曰く、
「余計なもの(欲望?)が増えると<バランス>は崩れ出し、異様なものほど<バランス>を崩す。
<バランス>が崩れる時に人は不幸に巻き込まれる」
というもので、
その<バランス>の崩れた<不幸>の象徴としての<げんざ>の異様な姿として、
息子の<駿>は、どんどん醜く巨大化していくのです。

<げんざ>の不気味な怖さは、姿形だけのことではなくて、寧ろその、
「何を考えているのか分からないような、全く話が通じないような、
別の論理で動く、<自分たちとは似て非なる者>への恐怖」
の方が大きいかも知れません。

物語の後半で、沢山の人を殺し、異様に変わり果てた息子に対して父親が、
「この化け物め! きさまは狂ってるぞ!」
と発する言葉に対し、息子の<駿>が、
「化け物はお前らだ 狂ってるのもお前らだよ
自分たちでさえ信じていないウソでいつもでもだまし合って
それで? おまえら幸せになれたかよ」
というセリフや、

子供の頃、死んだ虫や壊れたおもちゃなどを台所の流し台(シンク)から流していた息子が、
母親に「あなたを殺して私も死ぬ」と包丁で刺された翌日に、
自分で自分の足を切断して流し台に詰め込みながら母親に言う、
「この世に生まれてきたけど この世界で生きて行けない人間はどうすればいいんだろう
こんな世界で生きられない人間はどうすればいいの? そこから出て行くしかないじゃないか」
というセリフ…

これらのセリフを読むと、
大きな話では人間の社会の問題点…
変えようと努力しようにも、限られた個人の人生の中でその大きな問題とどう折り合いを付けていくかという点…
小さな話では身近で問題が起こった時に、それにどう対処していくのかということ…
普段こういったことに目をつぶって、鈍感になってしまっている自分にも、
色んなことを考えさせられます。

しかし物語の中の<げんざ>という存在の主張する、
「人間を不幸にする<社会>を潰す」
という<人間社会>そのものを破壊することの果てに何があるのか?というところも疑問ですし、
ましてやその過程で何人もの人々が殺されていく、というところからも、
<げんざ>が人間ではないもの、人間ではなくなったもの、の象徴として描かれているとしても、
人間であるくまからすれば、全く共感できないお話なんですが…






ここまで感想を書いてきて、結局このマンガ、お薦めなのかどうか…疑問に思えてきましたが…(すみません…
手放しで「面白かった~!」と言えるような作品ではありませんが、
少なくともあとがきで作者が、
連載中に次々と病に見舞われ、「<Sink>やめないとオレ死ぬかも、などとビビった…」と書くほど、
強烈な不気味さを感じさせる作品ではあります…

ちなみにタイトルの「Sink」、
流し台という意味の他に、
「沈む」「倒れる」「陥る」「悪化する」「理解される」「破滅させる」「隠す」…などの意味があるようで、
「sinking feeling」で、「嫌な感じ」「悪い予感」といった言葉になるそうです。


それでは。



「京都国際マンガミュージアムに行ってきました」

2008-08-28 20:29:24 | マンガ好き
みなさん、こんにちは。

今日は勤め先のスーパーが定休日でお休みだったので、「少女マンガパワー展」が終了しないうちにと、「京都国際マンガミュージアム」に行ってきました~

貴重な生原稿や資料などが見れて、とても素晴らしかったです。
特に美しかったのが、山岸涼子さんと佐藤史生さんのカラーイラスト!!
物凄く細密に描かれてて、ホントにもうアートって感じ!!
他にも、よしながふみさんの「西洋骨董洋菓子店」のその後を描いた同人誌の数ページが展示されてたり、これは「少女マンガパワー展」のコーナーではありませんでしたが、多分映画の公開に先駆けて、大島由美子さんの生原稿も数点展示されてたりしたので、もう大興奮でした!!

「京都マンガミュージアム」に行ったのは今回が初めてだったんですが、古い校舎を改築した雰囲気のある建物で、大きな部屋の壁一面や展示スペースに行くまでの通路の壁にも本棚にぎっしり入った漫画がいっぱいで、まさに漫画好きには何時間いても居足りないようなパラダイスです

だけど今はまだ夏休み中ということもあってか、来館人数が多く、そこかしこに沢山置かれているイスもあっという間にふさがってしまっていて、くまの鍛えていない足腰では長時間の立ち読みは結構辛くて、出かける時は閉館まで居座るくらいの気持ちだったんですが、結局3~4時間ほどで帰りました。

最近ネットで本を購入してるので、久々に帰りに少し足を延ばして、大きな本屋さんに立ち寄ったんですが、そこで「魔女」五十嵐大介 1、2巻、と「天顕祭」白井弓子、を購入しました。

「天顕祭」の方は、
「戦争で土地の大部分が汚染されてしまった未来。鳶の若頭<真中>は、何かわけありで故郷から逃げてきた<咲>を鳶職人として雇うことになる。真面目で弱音を吐かない咲を何かと気にかけるようになる真中。しかし<天顕祭>の50年に一度の大祭の日が近づくにつれ、咲の様子がおかしくなり、彼女の身の周りで異変が起こるようになり…」
といったストーリーなんですが、
帯によると「文化庁メディア芸術祭マンガ部門で初の同人誌受賞作品」だそうで、「上橋菜穂子絶賛」とも書いてあったので購入してみましたが…
確かにファンタジーっぽくない独特の世界観とか、丁寧で迫力のある絵柄は好みだったんですが、ちょっと読んでて分かりにくい部分もあって、くま的には「まぁまぁ」な感じでした。
まだ一回しか読んでないので、何度か再読してみると、また印象も変わってくるかも知れませんが…

もう一つの「魔女」の方は、絵も世界観も凄く好みで大ヒットでした!!
上手く自分の言葉で説明できないので、裏表紙の紹介文を拝借いたしますが…
「嘗て手に入れることの出来なかった青年への想いに固執し、強大な力を手に首都へと舞い戻った<ニコラ>と、その首都を目指し旅をする遊牧民の少女<シラル>(「SPINDLE」)。開発の進む熱帯雨林で恋人を殺された呪術師<クマリ>(「KUARURU」)。深く想いがつのるとき、心に潜む「魔女」が目を醒ます~鮮麗なる筆致で描く連作幻想奇譚、開幕。」
というような内容のマンガです。
五十嵐さん、これから作家買いしようかと思ってます!!(笑)


それでは。

「愛はさだめ、さだめは死」

2008-08-18 23:05:32 | 本好き
みなさん、こんにちは。

先日姉から、貸してたマンガが送り返されてきたんですが、バリ島のお土産と一緒にお礼の手紙も添えられていて、その中で姉が、
「~特に「ワン・ゼロ」が良かった。解説にあった<ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア>というSF小説家との似ているといわれているところ、なるほどと思った。ジェイムズ・ティプトリーの小説はとても面白かったよ。~」
と書いてありました。
「そんな解説あったっけ?」
と、早速パラパラとめくってみたところ、「天界の城(ハヤカワ文庫)」の解説で、確かに尾之上俊彦さんという方が、以下に引用させていただきますと…
「~このような世界描写の手法を見るにつけ、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアとコードウェイナー・スミスという二人の海外SF作家のことを連想せずにいられない。~」
と、仰っておられる。
そこで大好きな佐藤史生さんを<連想させる>という、その作家の小説を読んでみたくなって、早速購入したのが本日の記事のタイトル、
「愛はさだめ、さだめは死」 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア (ハヤカワ文庫)
です。

この本は12篇の中短編集で、
「すべての種類のイエス」
「楽園の乳」
「そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見いだした」
「エイン博士の最後の飛行」
「アンバージャック」
「乙女に映しておぼろげに」
「接続された女」     (74年ヒューゴー賞受賞)
「恐竜の鼻は夜ひらく」
「男たちの知らない女」
「断層」
「愛はさだめ、さだめは死」(73年ネビュラ賞受賞)
「最後の午後に」
が収録されています。

殆どの作品が20Pほどの短編なので、ここではストーリーの紹介は控えさせていただいて、感想だけを書きたいと思うのですが、
読むきっかけとなった佐藤さんとの世界描写の手法の類似点については、なるほど尾之上さんの仰る通りで、
「あたかもしっかりとした異世界がそこにあると感じさせるような、あえて説明を省いた手法とそのリアルさ」
は、佐藤さんの作品を彷彿とさせます。

しかしくまは佐藤さんの作品には、尾之上さんの書いておられる、
「~濃密なイメージに幻惑されながらも、同時に一抹の据わりの悪さ、落ち着かない気分を感じる~」
という点はあまり感じ取れなくて、寧ろ、
「一歩離れたクールさと、同時に様々な考え方を一旦は受け入れてみるような度量の深い穏やかさ」
を感じるのですが、
ティプトリーの作品には、どちらかというと、
「一見クールなようで、端々にちらちらと狂気じみた激しさ」
を感じる…というか…

この小説の冒頭に、ロバート・シルバーヴァーグが書いた、
「ティプトリーとはだれ、はたまた何者?」
という文章が載せられているんですが、そこに書かれている、
「~ああ、饗宴だ、まさしく饗宴だ。稀有の本、稀有の作家。」
という言葉がちょうどピッタリくるような…そんな印象を受けます。

他の作家の作品を連想する…というと寧ろ、
「すべての種類のイエス」
には、萩尾望都さんが時々描かれる<狂乱の謝肉祭>とでもいったような…、焦燥さと滑稽さが混在する雰囲気が感じられましたし、
「そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見いだした」
には、初期の諸星大二郎さんの描かれる、あの何とも言えない<寂しさ>が連想されました。

そういえばこの12篇の作品の中で、くまが一番印象に残った作品は、
「接続された女」
なんですが、このお話、高階良子さんの、
「地獄でメスがひかる」と設定がとても似ています。

「地獄で~」は、
(せむしで容姿の醜い少女が、自分の境遇に絶望し自殺を図るが、生命を創りだそうという野望を抱いたために学会を追放された、若き青年医師に助けられ、自分に向けられた初めての、しかし偽りの優しさに騙されて、美しい死体を集めて創られた肉体に脳を移植される…という人体実験を受けることになり…)
という、「フランケンシュタイン」も彷彿とさせるようなお話なんですが、
「接続された女」では、
<生命を創りだそうとする青年医師>が<広告塔に利用しようとする巨大企業>に、
<死体に脳を移植する>が<胚を修正されチップを埋め込まれた植物状態の肉体を電極で繋がれたコンピューターを介してリモートコントロールする>
となるだけで、他の部分は全く同じです。(その後の結末はもう少し違ってきますが…)

高階さんといえば、「ドクターGの島」もおそらくH・G・ウェルズの「モロー博士の島」からインスパイアされて出来た作品でしょうし、
「海外SFがお好きだったのかな?」
と、想像するんですが、この「地獄で~」は子供の頃、大好きなお話の一つでしたし、ゥン十年ぶりに原作とも言えるような作品を発見した、ということで、ちょっと興奮しました(笑)

ちなみにティプトリーの小説の方が、よりグロテスクでより哀しい結末になっています。

ところで、このティプトリーという作家、SFマニア?の間では知る人ぞ知る有名な作家さんだそうで、その独特の作風もさることながら、実生活のドラマティックさでも有名なんだそうです。
その波乱万丈な生涯についてはこちらをどうぞ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%97%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%A2

またイーガンやチャン、マーティンとは違った面白さの作家さんでした。

お姉ちゃん、教えてくれてありがとう~~!!


それでは。

「グレッグ・イーガン」

2008-08-08 01:04:26 | 本好き
みなさん、こんにちは。
前回から約1カ月ぶりの更新です…お久しぶりです、くまです。

ここのところ<読書熱?>の波がピークに達しているようで、前回の更新の時にもちらっと書きましたが、
グレッグ・イーガン作品や、
「ハリー・ポッターと死の秘宝」上下巻(シリーズ完結巻!!)、
氷と炎の歌の第四部「乱鴉の饗宴(らんあのきょうえん)」上下巻、
ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」上下巻などなど…
面白い本の出版やたまたま古本屋さんで見付けたりすることも重なって、
ついついまた読み耽ってしまってました…

まだレヴュー(と言うのもおこがましいですが…)を書けるほど、頭の中が整理出来ていないんですが、それを待っていると結局そのまま書けることも書けなくなってしまいそうですし…(苦笑)、とりあえず!折角読んだので!(笑)、拙くはありますが、簡単な紹介文を書かせていただきます。
宜しければ少々お付き合いの程、お願い致します。

グレッグ・イーガンの邦訳されて文庫化されている作品には、くまの知る限りでは、
「宇宙消失」    創元SF文庫
「順列都市」    ハヤカワ文庫 上下巻
「万物理論」    創元SF文庫
「ディアスポラ」  ハヤカワ文庫
「祈りの海」    ハヤカワ文庫 短編集
「しあわせの理由」ハヤカワ文庫 短編集
「ひとりっ子」   ハヤカワ文庫 短編集
などがあります。
ここではとりあえず長編の4作のみご紹介しようと思うのですが、どの作品にも通じて言えることは、
「実際の<量子力学>や<物理学>の争点となっているような問題に、奇想天外なんだけれども妙に納得させられてしまう解釈を加えて壮大な物語を展開し、しかし根底に語られているのは、常に<自分とは何か?>という内面的な問いである」
といった作風、ということです。

例えば「宇宙消失」は、
「2034年、地球の夜空から星々が消えた。正体不明の暗黒の球体が太陽系を包み込んだのだ。世界は恐慌に襲われ、この<バブル>と名付けられた球体について様々な仮説がたてられたが、原因は究明されぬまま、ただ星が見えないだけと理解されるにつれて、一部の過激な狂信者を残して、人々の生活は平常に戻っていった…
そして33年の月日が流れ、オーストラリアに住む元警察官の探偵<ニック>の元に、匿名で奇妙な依頼が舞い込む。
先天的な脳損傷をもった女性患者が、高度なセキュリティに護られた病院から忽然と姿を消したというのだ。
その女性<ローラ>の捜索を開始したニックだが、この事件を発端に、彼はやがて宇宙全体を揺るがす謎に巻き込まれていくことになる…」

といったお話なんですが、
ここで少しだけ<ネタばれ>しますと、作中の<バブル>とは、量子力学の波動関数の収縮問題について、
「人類の持つ特殊能力が<観測>によって、本来「重なり合った状態」にある<並行宇宙>を収縮させ、あり得た他の可能性を消滅させていたため、何者?かが<バブル>によって人類を隔離したものである」というもので、その設定に重ねて、
ナノテクによって脳神経を再結線する、<モッド>と呼ばれるテクノロジーが普及し、感情や思考さえも自由に制御出来てしまう…
などという背景から、主人公の<ニック>は、作中で常に「自己とは何か?」ということを問い続けることになります。

長編第二作目の「順列都市」は、
「21世紀なかば、記憶や人格などの情報をコンピューターに<ダウンロード>することが可能になった世界、しかしソフトウェア化された意識、<コピー>を走らせる仮想空間と、現実世界との反応速度の隔たりは、未だコンピューターの演算能力の限界によって17倍もの差がある時代、<コピー>となった富豪たちのもとに、たとえ宇宙が終わろうと永遠に存在し続けられる方法があると提案する男が現れる…」

といった物語で、
ここでも少しだけ<ネタばれ>になりますが、お話の核となる部分の<塵理論>というのが、
「自己増殖するコンピュータープログラムの上で、時空を超えてデータをランダムな破片にして計算させ、<コピー>の主観時間においてはさも継続されていたかのように再配列する」というもので、まさに「一瞬の(有限の)時空の中に永遠の(無限の)時空をみる」ような理論なんですが…
ちょっとペテンにかけられたような…(笑)そんな気分になりつつも、自分の肉体が、可能な限り視点を小さくしていけば、原子や電子の描きだすパターンにすぎない…ということが分かりつつある今、それならば自分の精神は?「<自己>とは何なのか?」ということを、またもや考えさせられます。

長編第三作目の「万物理論」は、
「すべての自然法則を包み込む単一の理論<万物理論>が完成されようとしていた。ただし学説は3種類。3人の物理学者がそれぞれの<万物理論>を学会で発表するのだ。正しい理論はそのうちのひとつだけ。映像ジャーナリストである主人公<アンドルー>は、3人のうち最も若い20代の女性学者<ヴァイオレット・モサラ>を中心に番組を制作することになるが…学会周辺にはカルト集団が出没し、さらに世界には謎の疫病が蔓延しつつあった…」

といったお話で
実際に物理学の世界で未だ解明されていない<万物理論>(TOE)の問題に驚きのアイデアで回答をあらわし…
そしてTOEが人類に知覚されることによって大きな変化が訪れる…
といった、更にひねりを加えた物語の構成になっています。

この物語はこれ以上<ネタばれ>すると面白さを損なってしまう可能性があるので、詳しい説明はしないでおこうと思うのですが、グレッグ・イーガンの長編の中では、比較的結末に希望を感じ取りやすい…というか…読後感が好きでした。

長編第四作目の「ディアスポラ」は、
「30世紀、人類のほとんどが人格や記憶をソフトウェア化し、仮想現実世界で暮らす未来。ソフトウェアから<創発>されて生まれた孤児<ヤチマ>を主人公に、人類を襲う未曽有の危機を乗り越え、果ては多世界宇宙までに及ぶ壮大な宇宙進出計画<ディアスポラ>を描く、正統派ハードSF」
といった観のお話です。

このお話は前三作に比べて少し趣向が違うというか…
のっけから主人公<ヤチマ>の自意識が<創出>というソフトウェアから生れ出るシーンにノックアウトされます。
使われている用語自体も難しく、あまりの非日常的な設定に、想像力が追いつかない感じなんですが、そこを乗り越えて「分からない部分は飛ばして読む」戦法で読み進めていくと、だんだんとその世界に引き込まれていきます。

前作までは割とストレートに「自己とは?」ということについて、作中で語られていたように感じるのですが、この作品では、遠くへ遠くへと宇宙の深淵について探っていく過程で、二つの一見かけ離れているように思われる謎について、通底するものがあると感じさせられている…というか…
少し<ネタばれ>になりますが、異なる次元の生命とも相互理解しようと試みるくだりであるとか…
前三作までに共通していたアイデンティティについて…ということに、新しい視点も加わったようで、いっそう面白い物語になっているように思えます。


こうして長編4作品を並べて、簡単なストーリーの紹介などを書いてみますと、確かに物語の核をなす部分に「物理学」やら「量子力学」やら「数学」やら…ちょっと「とっかかりは悪い」ような…
印象がありますが、くまのような「分数の計算も一拍置かないと答えられないような」理系ダメ人間にも何とか読めましたし…
くま自身は読んでみるとホントに面白くてハマってしまいましたので…
是非機会がありましたら…ご一読をお薦め致します

次の邦訳出版が待ち遠しい作家さんが、また一人増えました。


それでは。