陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

業務日誌で仕事の管理をしよう

2023-11-27 | 仕事・雇用・会社・労働衛生

事務員のお仕事は定型化されていることが多いものです。
社会保険や労働保険に関する手続き、年末調整や給与計算業務、経費の精算や請求書発行、そして期末の決算締めなどは、締切が毎年ほぼ固定化しています。なので、厳密なスケジュール管理が求められますし、逆に言えば、計画通りに進めるのが好きなタイプにはうってつけの業務です。

時間の自由な個人事業主ならば、ちゃらんぽらんに、年末の一箇月でさぼっていた一年もしくは数箇月分の経理処理をやっつけ仕事でやることもできます。
しかし、会社員ともなるとそうはいきませんよね。自分の小さな仕事ひとつにも関わる人が多く、しっかりこなさないと迷惑をかけてしまうことになりかねません。

私はかねてからどの職場でも、マニュアルを作成していました。
職場から配布された資料や、教わったことを細かく記録したノート。もしくは書類のコピーに書き込みをしたファイルです。これらは、機密情報が含まれますから退職時には勤め先に提出するようにしていました。とくに古株から引き継いだ事項をわかりやすくカラフルに言語化しているので、感謝されたこともあります。

しかし、それとは別に最近の職場でとりくみはじめたのは、業務日誌。
会社から指定されて書く業務日報は管理職への報告書や、顧客との接遇対応からの改善点やアイデアを指摘する目的で書かれることが多いもの。したがって、自己目線でつらつら書いてはいけません。

しかし、私のオリジナル業務日誌は原則自分だけが読むものです。
A4ノートに勤務日は一日一頁の日付をいれ、その日にかならず予定されている作業は赤で書き込みます。複数日にわたる処理や前倒しで可能な作業、スキマ時間に行えばよいものは付箋で貼っておく。今日できなければ明日に。先週できなければ翌週に。そうすれば、その日できなかったことを先送りにしたことがわかります。さらに、業務上の優先事項がわかるのです。

このA4ノートの表紙には会社の住所、電話番号、FAX番号、法人番号、社会保険の届出などに必要な事業所番号をすべて書いています。何度も書けば自然に覚えられますし、取引先から連絡先を聞かれてもすぐに答えられます。

勤務日のみならず、土日祝日などもまとめて余白頁をとっています。
休日のうち最終日の午後はもう労働者モードに戻らねばなりません。休日や帰宅後に自宅で調査した項目や、業務上必要な懸念事項などを洗いざらい書き出しておくのです。そうすれば出社したときに慌てる必要がありません。

買ってこなければならない文具なども、とりあえずはノートにメモ。
電話の取次でのとっさのメモ用紙も、後から見返す必要があれば、ノートに貼りつけ。書籍で調べた頁のコピーも張りつけしておきます。一冊ノートはルーズリーフを張り足して、二箇月か三か月単位にしています。重要な手続きや作業があれば、カラーのインデックスをつけて参照しやすいようにする。これは資格のテキストで独学学習したときに、六法全書にしていたことを踏襲しています。すぐ探せない情報は、記録しても役に立ちませんから。

一箇月もすれば、翌月同じことを繰り返すことが多い。
どの業務をいつからはじめればよいかがわかりますよね。仕事には期限があり、それを待っている人がいます。他の部署や上司同僚の業務に響かないように、また外部に出す文書は最優先で処理を急がねばなりません。ひと月のなかでの繁忙期にあたる時期に業務が重ならないように、スケジュールの空いた時期にルーティンワークを組みます。

仕事にはかならず自分でどうにもならない割り込み仕事が発生します。
急に頼まれた仕事も、冷静に期限を尋ね返せば余裕を見てくれたり、考える時間を与えてくれたりもします。そのためには、自分がどの作業に、どれくらいの時間がかかるのか、どこの、誰に問合せしたり、準備をする手間がどれくらいかを、見積もらないといけない。

業務日誌で、進行中のプログラムの着手と完了日を記録しておけば、自分の作業ペースがわかるでしょう。この業務にはこれぐらいの時間をいただきますと、依頼者に交渉しやすくなります。なんでもかんでもいい顔して引き受けてしまうと、けっきょく、できずじまいで自分の評価を落としてしまいます。また仕事は疑問点があれば完璧を目ざさず、6割程度の出来で途中段階で上司や先輩に相談すれば、やり直しに膨大な時間を奪われることも少なくなります。

こうした業務日誌を誰かに見せるわけではありませんが。
さりげなく、その日誌を開いておくと、自分が今抱えている業務量を理解してもらえます。そのため、急な割りふり仕事を減らしてもらえたりもしました。もちろん、これは自分のみならず、相手の状況把握でも言えることですよね。机にどっさり未処理物が置いてある方に、急にお願いしても無理な話。そうした互いの呼吸をわかってくると、俄然、社内で仕事がすすめやすくなります。

一冊のノートに仕事に必要な情報をすべてまとめておく。
それにアクセスさえすれば、オフの日にこころを遊ばせてもすぐにお仕事モードに戻ることができます。私は以前出社前に、目をぎらつかせて業務ノートを読み込んでいましたが、今は出社準備ができたら数十分仮眠をとるようにして、仕事のことを考えないようにしています。

なお、デスクのカレンダーにも簡潔に予定を書き込んでおきます。
これは他の人にわかりやすくするためです。あくまで外部への提出や複数人が関わるような業務の場合です。

ちなみに個人事業上の業務管理は、自分の手帳で行っていて。
メモなどを貼り付けていてかなり膨らんでいますから、会社には持ち込まないようにしています。二足の草鞋を履く労働者には、情報源を使い分ける必要があるのです。手帳の場合は、一週間が見開きでわかり、一箇月がタイル状で一覧でき、年間スケジュールがある。さらに毎日が一時間か30分刻みで細かく書き込めるタイプがオススメですね。

よくよく考えたら、こうしたスケジュール管理の習慣は、学生時代からしっかり見つけておくべきでした。
しかし、私は前日に徹夜で詰め込み暗記して乗り切ってしまうタイプだったので、地道に労力を平準化されたように配分することに慣れていなかったのです。気まぐれで何でもこなしてしまうタイプは要注意ですよね。世の中には自分の見立て通りに進まないことが多いのですから、すぐできることはすぐ処理して不測の事態に備えましょう。


(2022/06/19)





この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本屋では漫画の本を選びにくい | TOP | 宇部市の彫刻公園×エヴァンゲ... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 仕事・雇用・会社・労働衛生