陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

アニメ「輪るピングドラム」第十五話

2011-10-23 | テレビドラマ・アニメ
今回もいろいろと凄いですね。
もうこのアニメの先行きをあれやこれやと想像する努力は無駄に思えてきました。でも、したくなるのが視聴者根性なのですが。
アニメ「輪るピングドラム」第十五話のサブタイは「世界を救う者」
タイトルからして、もう少女革命ウテナっぽいですね。
OPも改まったのですが、前回の方が曲は印象的でした。

例によって、例の、あのゆりさんと苹果ちゃんの、すわ「快楽のエルドラド」ですが。
やっぱり邪魔が入りました。なんで、よりによって隣室にいるんだか晶馬くん。しかし、正確にいうと彼が救ったわけでもなく、また苹果ちゃんが襲われたわけでもないです。神無月の巫女のカワイソーマにならなくてよかったね、晶馬くん(よけいなお世話)

ゆりさんの回想タイム。
前回、身体の秘密がどうのという疑問があがっていましたが、彫刻家の父親から虐待を受けていたんですね。こちらも見るに耐えない痛々しい姿。しかし、ゆりを慰めたのはあの桃果。桃果は運命日記に書かれた呪文を用いて、運命を乗り換えることができるのです。しかし、そのためには代償を支払わねばならない。そっか、これってよくある、本型のデバイスで魔法を唱えると奇跡が起こるというパターンなのかしら。日記がアイテムっぽくないので、そう思えなかったけれど。思いのほか、ファンタジーですね。

そして夏芽真砂子が登場し、ゆりさんと露天風呂で火花を散らす。
(この間、晶馬はノビていて、苹果は熟睡中…)
ああ、なるほど、そのために卓球だったのですか。しかし、あのラリーの演出で「エースを狙え」と言いたくなりました。いや、見たことはないんですけどね。真砂子に持ち去られた運命日記はダミー。ゆりさん、さすがです。

父親からゆりを救うため、命をかけた桃果。
タワーごとゆりの父親を飛ばした(?)ために、現在の東京の風景が変わってしまったようです。東京タワーはおそらくフランスのエッフェル塔のもじりで、電波の発信基地としてあるので、自由の女神像のようなモニュメンタル性はないものと思われますが、おもしろい設定ですよね。二十世紀初頭のロシアのウラジミール・タトリンが構想した第三インターナショナル記念塔がアヴァンギャルドのはしりで、産業振興時代の近代芸術運動の精神的支柱となった。しかし、もし、そうではなく、美術史が中世ルネサンスのままの美的感覚で続いていたとしたら、街なかに、ほんとうにあんな古めかしいギリシア彫刻ふうの巨大モニュメント(あれ、ミケランジェロの「ダビデ像」なのか)ができあがっていたのかも…。まあ現代の最先端は、ガンダムやら鉄人28号やらのモニュメントなんですが(笑)

ゆりの目的は、あの地下鉄テロ事件に巻き込まれて消えてしまった桃果を取り戻すこと。
ということは、代償が必要なわけで。だとしたら、日記を読ませてそのとおり行動しようとした苹果が…なんてことは、ないと思いたい。ゆりは苹果相手では想いは果たせないと気づくところはよかったですが、まだまだ謎は多いですね。桃果がさらになにかを変えるために別世界へ乗り換えてしまったというのならば、晶馬の罪悪感は緩和されるかもしれないですが。






ドクター眞悧は、いい人を装っているけれど、やはりなにか含みがありそう。
ことごとくほのぼのホームドラマとは対極にあるアニメですね。OPからして、冠葉兄さんは陽毱とは幸せになれないような気がしますけど、どうなんでしょう。


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