陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

あれからの神無月の巫女、これからの姫神の巫女(七)

2020-11-15 | 感想・二次創作──神無月の巫女・京四郎と永遠の空・姫神の巫女
かえるの子はかえる
宮様の生まれ変わりは、やはり姫子クレイジー。
千華音ちゃん、案外チョロいよね…。










拝啓、私の読者様。
修羅場です。修羅場です。修羅場なんです。
漫画「姫神の巫女」第四回は、衝撃の展開です。まあ、前回ラストからわかってましたけど、こんなに凄まじかったですかね? 思わず原案のウェブノベルをじっくり再読しちゃいました。さて、今回の記事は、拙ブログ内のすこし懐かしい画像を引っ張り出してお送りしています。
(この記事は、雑誌発売直後時点でのネタバレですので、現時点の話とは違う可能性があります)

前々回の第二話では、千華音と媛子の馴れ初めが明かされました。
「千華音ちゃん、私を殺していいよ」──この台詞、媛子はもう一度吐きます。そのときの表情と心情とはまったくの逆。前回では空虚な顔つきだった媛子は、ふたたびどういった顔で言うのでしょうか。しかし、その前に、媛子が望まずとも早くも一回死んでもおかしくはない事件が発生しました! ソ ウ マ の せ い で。




いやあ、びっくりどっきり驚きですね。
初っ端の見開きページから、憎悪パワー全開の千華音ちゃんです。原作者先生、『アムネシアン』の頃から、ホラー色濃くなりましたよね。一体また何に影響されたのか。
いまどき、令和の東京で、こんな物騒なものを抱えて走っていましたら、普通に監視カメラに残って警察にタイーホ案件ですて。というか、暇なひとにスマホで動画撮影されて全世界に晒されそう。まあ、映らないぐらい高速で駆け抜けているのかも。このささいな出来事でこんな沸点低かったら、来るべきアレのときはどうなるんだろう。地球を割りかねません。

なお、千歌音ちゃんの怒り顔は、まあこんな感じ(※後ろの般若はイメージです)



せいぜいこのくらいのポーカーフェイス。怒っても美しいお嬢さま、品位を失わないさすがの宮様。
でも、こんな顔して、とんでもないことやっちゃいましたね、この人。もしアニメ神無月の巫女で、千華音ちゃん並の感情の浮沈が激しかったら、たぶん視聴者は肩入れしなかったでしょう。耐え忍ぶ愛それが気高く尊い。でも自分が裏切られたかもしれないという独り相撲をとってしまう彼女が、幼いと思いつつも、なぜか許せそうなのはやはり顔のせいでしょうか。まあ、あんなボロアパートに住んで、うるさい都会で気持ちが荒んだらちょっとしたことでもカリカリしがちになりますね。乳酸菌とってるぅ?!(違)



今回は、またしても神無月ファンには嬉しいサプライズ。
お馴染みの顔がお目見えです。キャラクターデザインの手間を省いたんですかね(余計なこと言うな)
ミヤコ似の姐さんは、なんか黒幕ぽくなったりしないのかな。しかし、双磨くんの「個人的感情」って何なの? ロボットで激闘して告白したのに、どっかの幼なじみにフラれた腹いせ? 千華音ちゃんじゃなくて、媛子のほうにご執心なのかな?

どうでもいいが、こいつらのマスク、口もと隠してなくて令和の時代にはナンセンス。
飛行機に乗ったら、確実に通報されること間違いなしですわ。仮面に旧漢字の番号があるので、このお兄さんは一番めに偉いのでしょうね。双磨の仮面(この兄さんとはデザインが違う)は九番目でしたね。前回出てきたレーコロもどきは仮面がなかったけれど、やはりオロチ衆みたいなのをどんどん出していくのかな。ツバサ兄さん似の一番目のひとはリーダー格らしく、文句の多い老害をなんとか説き伏せています。この冷静沈着さから察するに、令和のツバサ兄は残飯を漁ったり、信じていた奴に背中から撃たれたりしたことはない人生だったのでしょう。よかったね。



参考資料その2──たぶん誰も覚えていないであろう、京四郎と永遠の空にも共演した兄さんズ。
カズキ兄さんはまんまですが、ツバサ兄さんは聖闘士星矢のキャラみたいですね(爆)
まさか大神ジンを超える性悪ソーマが現れるとは…。ちなみにこのソウマくんもどきは、後半、姫子を助けたにも関わらず、なかったことにされるポジションです。DJがんばりました、ドンマイ。



参考資料その3──こちらは、女王様と美女軍団。
後ろにいる侍女はどうみても、乙羽さん、マコちゃん、ユキヒトさんです。
ちなみに原作漫画のほうが、このミカ様登場がシーンかなり笑えます。エマニエル夫人の椅子みたいなのに優雅に座ってる側で、レーコとコロナもどきもいましたよね、確か。
体育女と黄金ドリルのコンビ、そろそろ出番かも…? 



マコちゃんって神無月だと意外と好感度高いキャラ(海外ファンの書いたSSで意外と出番が多い)なのに、公式上の他の作品であまり使いまわしされないの、残念ですね。というか、系列作でヒロインの親友キャラがたいがい酷い目に遭うからだろうけど。

さて、茶化して書きましたが、千華音のこころの嵐。
かなりの表現で構成されて、鬼気迫る表情や台詞がなかなか圧巻です。このあたりが植竹版ノベルと異なるところですね。メランコリックノイローゼかと思うわれる陰うつ千華音ちゃんでなくて、かなりの活火山噴火型。誇り高く自信があるゆえに、それが障害になってしまう。なんとなく憐れです。いや、神無月の巫女時のソウマくんがこうなってもおかしくはなかったのだけど。理想の自分、不動心のあるべき姿を惑わされることへの動揺が、千華音に殺意を植えつけます。それこそが一時は下火になっていた憎悪の炎。

でも、この殺意、あっさり消えちゃうんですね。
自分が傷つけようとしていたものが、先に傷だらけになっていた──?!
レーコロもどきに命狙われて、うっかり救ってしまったときと同じパターン。手負いの獲物は狙わない美学なのか。それにしても、「姫子」はやたらボロボロにされる側ですが、これ結局、真相は原案ノベルでは曖昧になっていたような。自分のひどい有様よりも、まず「千華音ちゃんに貰ったもの」の心配をするあたり、なんというか、やっぱり姫子なんだな~と思いましたよね。アニメ神無月の巫女で、ソウマくんが熱闘してるすぐ側で気絶して、借りたお洋服を台無しにして泣いて謝った姫子と。そして、穢されたささいな贈り物それ自体ではなく、媛子の無事を喜んでいる千華音。それは果たして、愛情で、思いやり、…なのでしょうか。

「私は心のどこかですっと望んでいた…姫子が私の腕の中に戻ってきてくれることを。姫子があんなに悲しんでいるのに、泣き叫んでいるのに」
(アニメ見返してないので、台詞がうろ覚え)

宮様、心のポエム。
しかし、千華音ちゃんがここで想像したことは…──というか、これ今回の最大の問題点でしょ!
前回からなんとなーく匂わせてましたけど、銀月の嵐ソウマくんのターン!ってやつですかい。



…って思ったら、どうやら千華音ちゃんの行きすぎた妄想の結果だったようで、なぜかここでほっとしてしまいます。いやいや、よくないぞ! 自分の「前世」がしでかしたからって、その思考回路どうなの? 千華音ちゃん、何かいつも大事なことを忘れてるんじゃないかな。どの世界でも、とにかくまじめなだけど極端すぎる千歌音ちゃんですね。まあ、そこがいいのですが。自分の感情に全力を振り向けてしまうと、疲れるんですね。だからこそ、媛子みたいなフワフワした子に惹かれるのでしょう。





いつのまにか、世界的にカルト人気があって外国の方にもコスプレされるようになったようです。
姫神の巫女も台湾で人気なのか、ネットで盛り上がっているのを見かけますね。



守ったり守られたりを繰り返すうちに愛が芽生えてしまうのは、動物の本能なのかもしれません。
でも、姫神の巫女のふたりはどうなんでしょうね。「姫神の巫女」の千華音は、なんとなく最初は大神ソウマで、そのあとは姫宮千歌音になった二人分の姫子の「騎士」なのでは、という気がします。まあ、媛子も護られるだけの女ではないのですが…。



あの各話ラストからのED突入シーン、いまでも語り草ですよね。
アニメ神無月の巫女は、本編の評価は割れるのですが、文句なく音楽はいいという意見をよく見かけますね。KOTOKOさんもコンサートではいまだにあの主題歌を歌っているみたいですし。




このドット絵、けっこう好きでした。かわいいですね~。
全キャラ揃っているあたりに、愛を感じます。

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(漫画・原作) 姫神の巫女~千ノ華万華鏡~(原案) - ニコニコ静画
全話無料。 百合黎明期の作品『神無月の巫女』のスピンオフ作品、『姫神の巫女』が登場!




*漫画「絶対少女聖域アムネシアン」&ウェブノベル「姫神の巫女」、そのほか関連作レヴュー一覧*
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「神無月の巫女」と「京四郎と永遠の空」に関するレビュー記事の入口です。媒体ごとにジャンル分けしています。妄言多し。



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