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陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「アラトリステ」

2012-09-25 | 映画──SF・アクション・戦争
2006年のスペイン映画「アラトリステ」(現代:Alatriste )は、十七世紀スペインを舞台に、架空の剣士の活躍をえがく冒険活劇。

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フェリペ四世の治めるスペイン、1622年。大英帝国に海戦で大敗を喫してから、スペインの覇権は衰えつつあった。
当代にその名をとどろかせた剣士ディエゴ・アラトリステ・イ・テノーリオは、フランドルの戦場で華々しい戦果をおさめる。戦死した友人の誓いを守るべくマドリードへ舞い戻る。友の遺児イニゴをひきとった矢先、「英国から来た異端者二名を暗殺せよ」との依頼を受ける。

標的を殺すのをよしとしないアストリステは、二人を逃がしてしまう。
じつはその二名こそは、イングランドの王太子とお伴の侯爵だった。暗殺を仕組んだ異端審問官ボカネグラと国王秘書官アルケサルの放つ刺客に狙われることになり…。

時代は1625年のオランダ戦に飛び、さらにはその10年後密輸された金塊の奪取という隠密行動にも加担。最終的には1643年のロクロワの戦いに。このあたり、原作小説をややはしょった感がありますが。

腕が立つが無頼漢の剣客、宿敵との真剣勝負、主人と従者の忠誠、国王を巻き込んだ政治的陰謀、そして青年イニゴとアンヘリカとの、あるいは剣士アラトリステと美しい女優マリアとのロマンス、などなど王道の展開。歴史考証がなされているせいかなかなか硬派なつくり、十七世紀スペインといえばあの宮廷画家ディエゴ・ベラスケスの活躍した時代、彼の絵画に描かれた人物がそのまま抜けだしてきたかのような静謐な画調がすばらしいですね。

優れた才能がありながらその誇り高さのゆえに栄達を望まず、また愛する女がいても一途さゆえに安楽な結婚生活に逃げることもできない。現実にいれば甲斐性のない男なのですが、まあ、そこがいいのですかね、この主人公。豪胆な英雄というわけでもなく、中年の哀愁漂うヒーローですね。

原作は、アルトゥーロ・ペレス=レベルテ作の小説のシリーズ。

監督は、アグスティン・ディアス・ヤネス。
出演は、「ロード・オブ・ザ・リング」のヴィゴ・モーテンセン、ウナクス・ウガルデ、アリアドナ・ヒル。


(2011年10月13日)

アラトリステ - goo 映画

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