陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

二次創作者のペンネーム、名前負けすることがある?

2024-01-10 | 二次創作論・オタクの位相

今回も、ペンネームのお話です。
人さまのお名前のことにごちゃごちゃイチャモンつけないでよ、というお叱りの言葉を受けそうですが。

本職作家さん、とくに小説家の方はペンネームと本名を明かしている方が多いですね。とくに有名な方はそうですし、これは芸能人と同じですね。

二次創作者の場合、よほどプロとして自作が世に出た場合を除けばですが、二次創作だけをしている方は、あまり本名を表に出さない方が大半ではないかな、と思うのです。その二次創作物を始める前に、同人誌でいわゆる一般文芸も手掛けている方とか、過去に漫画や小説の投稿者だったとか、過去にプロもしくはセミプロとして活躍していた方、なら名乗るのかもしれませんが。

あくまでも個人的な、私だけの狭い料簡だと承知の上での話ですが、二次創作に限って言えば、なるべくですが、ご自身の本名と結びつくような名づけは避けたほうがいいかもしれません。たとえばですが、百合ものの二次創作物を見るときに、作者名があからさまに現実に実在しそうな男性の名前だったら、ちょっと引くことがあります。作品の中身だけ先に知っていて、作者名は後付けで知ったというのなら気になりませんが。もともとプロとしてその名前で描いていた人が、たまたま百合ものを描いた場合は仕方がないのですが、ファンタジーを裏切られるというか。

あとは言いがかりなのですが、現実にありそうな苗字だった場合。
その氏名の人になにかいわくがあったときなどは避けたくなりますね。ノーベル文学賞候補だと毎年騒がれている有名な作家さんがいますが、同姓の苦手な方がいて悩まされた時期に、その人の名前を書店で見かけるのが煩わしいと思ったことがありますし。全国のムラカミさん、ごめんなさい。苦手な人でなくても、好きな二次創作物の作り手の名前が、自分の知り合いと苗字が同じだったりするとやはり連想してしまいます。いや、その人に罪はないのですが。

そうかといって、あまりにも奇抜すぎるペンネームも悪目立ちし過ぎて困りものですね。
最近はキラキラネームと揶揄されていますが、本名それ自体が、とんでもない読み方だとか、当て字とかあったりしますけど、よく考えたら、私もたいがい「まんようじゅ」って間違われて呼ばれますので、キラキラネームなのかも。ちなみに、「万葉樹」は法人登記されていたり、そういうショップ名もあったりしますが、私個人とは無関係です!! 私が法人成りしても、自分のブログと紐づける社名はつけないですけどね、絶対に。

本名を匂わせたい人は、失礼ですが、やはり自分は創作業をしているよと世の中に知らしめたいという顕示欲があるのでしょうね。私の知り合いでネット上ではゆるキャラみたいな柔らかないハンドルネームで漫画を描いていたのですが、何かの機縁で新聞に四コマ(創作というより、テレビ局内のレポート漫画みたいなもの)を載せることになり、いきなり自分の本名を出していたので驚いたことがあります。新聞なので、ほぼ永久的に名前が残りますから出したのかもしれないですが、正直に言いますと、本名をさらけ出して書くなら、出しても恥ずかしくない質のものを出すべきだと思います。おそろしく絵が下手でしたから、その人。

余談ですが、私の生家の苗字はかなり珍しいので、子ども時代に作家のペンネームみたい、とからかわれたことがあります。いい意味で言ってくれたのかもしれないですが、たしかに、かなり名前負けしてしまいがちな、おめでたい名前だったのかも。正直、あまり好きじゃありませんでした。下の名前はまあ平凡だからいいとして。

いまの苗字もわりあい珍しいですが、ハンドルネームとはまったく無関係です、もちろん。別の名前をつけるということは、別のキャラクターを想定して演じ切ることですし、とくに二次創作者はそのファンタジー性があったほうが受容者を裏切らないのではないか、というのが私の考えですね。私生活を守ることにもなりますしね。




【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。




この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« へっぽこ就職氷河期世代の新... | TOP | 20歳までにやっておきたか... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 二次創作論・オタクの位相