陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

スマホで確定申告できるようになる

2019-01-20 | 政治・経済・産業・社会・法務

お正月気分も醒めたこの頃合いから、悩ましい時節です。
二月半ばからはじまる確定申告。開始まで、もう一箇月を切りました。締切りの3月15日までを考えると、もう二箇月もない。開業届を出している方、毎年申告を行う方、そろそろ税務署から申告書類が郵送されてきますよね。

今回なぜ憂うつなのかといえば。
年末に体調がよくなかったせいで、昨年のうちに終えるべきだった領収書の整理と記帳が、現在進行中だからです。部屋の片づけでレイアウトを変えるため、必要書類を別の場所に保管してしまい、やや手間取っています。自業自得ではありますが。

ところで、今年からスマートフォンで所得税の確定申告手続きができるようになったそうです。遅きに失した感がありますが。パソコンのみだったe-Taxサイトがスマホにも対応。手続きに必要なIDとパスワードは、税務署にて無料で発行してもらえます。本人確認できる身分証をお忘れなく。(国税庁 平成30年確定申告特集)

私も電子申告にいつか挑戦しようと思っていたものの、ネックだったのが、証明写真つきのマイナンバーカードと読み取り専用のカードリーダー。マイナンバーがついたものをみだりに証明書代わりに使うのはいやなので、番号通知カードの紙+免許証のコピーで済ましていますし。そもそも確定申告のためだけにカードリーダーを別途購入するのにためらいがあります。PC買い替えたら対応できなくなったりしないのか、とか。じっさい、2004年の運営開始から10年以上になるけれど、電子申告の利用はほぼ半数にとどまっている模様。

今回のスマホ版サイトでは、マイナンバーカードがなくてもIDとパスワードがあれば申告できます。ただし、これは経過的な措置。いずれはマイナンバーカード方式にして、ID・パスワード不要にしていくとのこと。…ということは、個人のスマホとマイナンバーカードを紐づけるとか、そんな措置があるのでしょうか。

国は電子申告を増やしたい考えですが、現状、電子申告に頼っているのは税理士に依頼しているそこそこの事業主さんが多いのではないでしょうか。記帳と顧客データ管理、電子申告が一体になった会計ソフトを、勤め先で操作したことはありますが、自分の稼業のレベルではそれを習得したいとは思わなくなってきたので。容量を食うのか、PCの動きが遅くなってしまうようです。

個人事業税の通知書も紙での発行を来年からやめるという知らせがあって、こちらとしては心もとないです。郵便物として誰かに開封される恐れがなくなるというメリットはあるにせよ、確認しづらい。保存期間が法で定められた書類を、どこかの省庁が誤って廃棄してしまったとかいう事件なかったですか。文書が通達したときに法的効力があるとされるときに、メールで通知したはずが届いていないとか。大袈裟ないいぐさですが、世の中がもうペーパーレスになって、国民すべてが、毎朝、タブレットにかじりついて国や自治体からのお知らせを確認しなければいけない義務になるのも困りますね。

情報流失やデータ改ざんの危険性もないとは言えないですし、極端に電子利用を勧めるのはいかがなものか。QRコードなどでの決済を進める動きもあるけれど、災害時などを懸念していまだに現金を愛好する人もいますしね。世の中には、いまだにパソコンを触ったこともなくて、インターネットもしない人も少数ですが生存しています。なんとか手書き申告の道も残しておいてほしいですね。税務署に行って、職員に指導されながらでないと記入できない、おじいちゃん、おばあちゃんもいるんですよ。

おうちで二十四時間好きなときに申告できて便利ですよとはいうけれど。
実質は、確定申告時だけ増員する受付の人件費を削減したいのでしょうね。

ちなみに私、スマホではメールかニュースサイトの閲覧ぐらいしか使用していなくて、アプリもほとんどダウンロードしない。ネットの口座も持っておらず、たまにアマゾンなどで本を購入する程度にしかお買い物をしないので、スマホでできることが増えても、あまりありがたみが湧かないのです。通話もガラケーで、LINEをしたことがないですし。都会ですと、スマホを駅の改札口にかざすだけで通過できたり、さらには神社やお寺で賽銭代わりに寄付もできたりするらしいですが。なんでもできるものひとつあるということは、それを落としたり、壊れたりしたら、生活が破綻する恐れもあるわけで、神経質になりますね…。この不安は、しくみを知悉していないがゆえのものなのでしょうが。



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