陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「デンジャラス・ビューティー」

2017-10-26 | 映画──ファンタジー・コメディ
2001年のアメリカ映画「デンジャラス・ビューティー」(原題 : Miss Congeniality)は、今年なにかと話題になった異色の女優サンドラ・ブロックの主演作。
なかなかおもしろかったです。

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グレイシー・ハートは、プロファイリングに優れ行動力もあるFBI捜査官。しかし、持ち前の男勝りな性格と、口減らずな物言い、飾りっ気のない風体で、職場の男性陣からは女性あつかいされてはいない。

ある日、かねてから追っている犯罪組織シチズンからの爆発予告が、美人コンテスト主宰者に送られてきた。捜査班は、ニュー・ジャージー州代表として、グレイシーを潜入捜査させることにするが…。


おしゃれやセレブに全く縁もゆかりもない粗野な女性が大変身という、シンデレラストーリーに、刑事ドラマを加えたもの。行き着く先は事件解決とはいえ、観ていて楽しい。

栄えある優勝者をプロデュースしたことのあるカリスマ美容師メリングの、みごとな作りこみと教育によって、グレイシーが野暮ったい捜査官が美女になっていきます。なんでいつも、変身後に、ストップモーションで歩いて、サングラスを外すんでしょうか。

とはいえ、そこはやはり付け焼き刃。気位までお高くなったりはしません。お約束どおりに、グレイシーが生来の食い意地ぱりで図々しい部分が顔を出し、予選でも本選でも、失笑をさらうようなハプニングを起こしていきます。こういうギャップがおもしろいんですよね。「天使にラブ・ソングを…」みたいなおもしろさ。

刑事ものなので、真犯人を逮捕してなんぼの王道を行く展開。
しかし、やたらと馴れ馴れしすぎる弱気なシェリルたち女性たちとの親睦を深め、上層部が捜査から撤退しようとしても、我が身ひとつでミスコン候補者女性たちの身の安全を考えようとするグレイシーの勇気には、拍手を贈りたくなります。その分、男性陣がただの添え物で、とことん情けなく描かれてしまうのが惜しくはありますが。

美容師メリングや、お硬いコンテスト司会者のキャシーらを、いくども憤慨させ呆れさせるのは笑いどころ。しかし、相棒の捜査官エリックとのロマンスも深まりそうな気配。

監督はドナルド・ペトリ。
製作にサンドラ・ブロック自身が加わっています。

サンドラは、今年のアカデミー賞と同時に、ゴールデンラズベリー賞ワースト主演女優賞も受賞したことで騒がれた方ですが、この映画を観ますと、彼女の両面性──聖と俗との半端なく深い、深すぎる演技力がうかがえます。ピザを口につっこんだあの表情、なんとも忘れられませんわ(爆笑)そして、あのズッコケシーン。外見が美人なのに、中身が三枚目っておもしろすぎる。

川原亜矢子の吹き替え版で視聴したのですが、誰ににているかといえば、上野樹里演ずるのだめ、もしくは、「シティハンター」の香ですよね。
日本の萌えアニメの美少女キャラみたいなふりふりの出で立ちでステージ披露したシーンでは、ハリウッド界のクールジャパンの浸透ぶりをひしひしと感じたのでありました(違)

共演は、「サイダーハウス・ルール」人道的な老医師を好演したマイケル・ペイン。そして相手役には、ベンジャミン・ブラット。

本作が好評を博し2005年には続編「デンジャラス・ビューティー2」も公開されています。


(2010年8月12日)

デンジャラス・ビューティー2(2005) - goo 映画



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