陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

『お釈迦様もみてる─スクール フェスティバルズ─』

2011-04-21 | 感想・二次創作──マリア様がみてる
『お釈迦様もみてる─スクール フェスティバルズ─』(今野緒雪著・集英社コバルト文庫・2010年7月刊)を最近になって買いました。
もちろん表紙の左側のお方につられてです、ええ(どキッパリ)

お釈迦様もみてる スクール フェスティバルズ (コバルト文庫)
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表紙が内容のすべてを物語っているといっても過言ではないのですが、本作は、あの花寺学院高校とリリアン女学園でおこなわれた秋の文化蔡のお話です。とどのつまり、やっとこさ、『マリア様がみてる』無印に追いついてくれたというわけですね。

前半部は、祐麒の通う花寺で文化蔡準備からスタート。
生徒会がリリアン生徒会役員のお嬢さまをお迎えせんと多忙を極める中で、その中心にいるはずの柏木優だけがなぜか心ここにあらず。柏木がリリアンの誰かに恋煩いしているのではないかという友人の言葉を聞いて、祐麒も気持ち穏やかではありません。
この部分のキモはなんといっても、初代薔薇さま方のご登場。あくまで事情を知らない祐麒の視点なので、名前こそはっきりしてはいませんが、あのお三方のイラストが!!水野蓉子さまはともかく、聖と江利子がお嬢さまフィルターかかって清楚に見えてしまうのがまあなんとも。観音様のご来迎ならぬご来校に浮き足立つ花寺ボーイズならずとも、ボルテージが上がってしまいました。

後半部は、柏木がリリアン文化蔡の演劇に招かれた話の舞台裏。
これは『マリみて』無印をなぞっただけなので、特別なからくりはないのですが、「ある人物」との再会を前にして悶々とする柏木の姿を追っています。あとがきでヘタレ過ぎと称されてはいますが、クールビューティー然とした祥子にも脆い部分は見られたわけですから、柏木さんのこんなところもまた可愛いんではないでしょうか(棒読み)

アンドレ先輩ではなく、実はアリスこそが瞳子のポジションに近いのかもという予感。そして、ある文化蔡の出し物を通して江利子さまと某人物との接点があったのも気になります。原作者いわく既刊シリーズの制約を受けるために書きにくいとのことなのですが、以前からのファンにとっては姉版が主体なのですから絡めて描いてくれた方が読みやすいですね。過去作を読みなおすきっかけになるでしょうし。

ちなみに帯には、昨年秋にロードショーされた実写映画の広告が。
てっきりまだ公開されていないと思ってました(汗)
主役の二人、似ていなくはないですが、やはり原作のイメージから離れていそうな気がして怖くて観れません。アニメですらそうなんですから。

【マリア様がみてるシリーズのレヴュー一覧】



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