陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

アニメ「輪るピングドラム」第十話

2011-09-17 | テレビドラマ・アニメ
つい最近、美少女戦士セーラームーンセーラースターズの一話だけ再視聴してふと思ったのですが、以前のアニメはタイトルが長かったんですよね。二段構えだったりして。最近は、というか深夜アニメだけがそうなのかもしれませんが、凝ったサブタイをつけることが多いですね。もしくは投げやりに台詞の一部だとか。

さて、そろそろ折り返し地点も近いアニメ「輪るピングドラム」第十話。
そのサブタイトルは「だって好きだから」
いったい誰が誰に対して向けた気持ちなのでしょうか。

八話のラストで交通事故に遭って入院した晶馬くん。
さすがに責任の一端を感じて付き添う荻野目苹果。今回の彼女はかなりまとも。苹果を庇っている晶馬くんが健気ですね。ま、こういう人のいいタイプだけがいつも大変な目に遭うのは、創作の世界だけではないのですが、この彼が謎の看護婦に拉致されてしまいます。

誘拐犯はやはりナースコスプレした樹璃さん、…じゃなくて夏芽真砂子。
真砂子の要求する身代金は、苹果がもつ運命日記の半分。さすがに命の恩人たる晶馬のために、苹果は日記をさしだす決意をします。これに気づいた冠葉兄さん、陽毱の命綱たる日記をみすみす手放してはなるまい、と一計を案じます。人質救出の基本戦略といえそうですが、それが目ざとい敵に見抜かれていないわけでもなく…。

結論からいうと、心理攻撃をしかけられた冠葉兄さん役立たずで、日記は真砂子に奪われてしまうのですよね。八話で日記を引き破ってしまったのは冠葉だと思っていたのですが、どうだったのでしょう。

巻寿司とか手編みのセーターとか、冠葉の過去にはなにか事情がありそうですが、それもはっきりせず、今回も体よくはぐらかされてしまった感じ。真砂子の目的は、ペンギン帽によって生かされている(?)夏芽マリオなる弟を救うためなのか。それとも、冠葉に想いを寄せて成就するためなのか。前回出てきた 眞悧("さねとし"と名乗ったが、”まり”とも読める)=マリオの未来形かなにかだとすると、陽毱(ひ ”まり” )とどういう関係なのか。またプロジェクトMとは、マリオのMなのか。とにかく謎は深まるばかり。ていうか、ピングドラムって何なのさ。

この眞悧が、「少女革命ウテナ」黒薔薇編の御影草時に似ていると噂されているようなのですが、あのパートはいまだに何を意味していたのか私の中では謎だったりします。解説を読んだら理解はできるんですけどね、なんとなく。

今回の映像演出もオプアート的といいますか、シュールというか、キッチュというか、どう言ってよいのやら迷うくらい謎めいていますが、室内をすべてストライプにする、フランス人現代アーティスト、ダニエル・ビュランの影響なのでしょうか。シャッターが軒並み閉じられて巨大な迷宮のようにめまいがする、早朝の東京の地下街を思わせますよね。一話、二話あたりのインパクトから飼いならされてしまって少々、視聴者としては見る姿勢がだらけてしまうのですが、今後、異世界感が突き抜けてどんどん強くなっていく、のでしょうか。


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