陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

わからない医療用語

2009-04-30 | 医療・健康・食品衛生・福祉



専門用語というものは、とかく意味がわからないのに、使ってしまいたくなる魔力がある。なんとなく、一般にわかりにくい、ということが重要なのだ。この特別な言葉をつかっているという、どうしようもない優越感にひたる。中身がわからないのに開封されていない高級チョコレートの包装がなされた菓子折りを側において、ほくそ笑んでいるようなものかもしれない。
しかし、頻繁につかっていながら、さてその意味はなんですか、とあらためて問われたら、やはり黙り込んでしまう。その道の素人を相手に話していると、いちいち、子どものように言葉の端をとらえて意味をたずねてくるので、うんざりしたことはあるだろう。しかし、そこでちゃんと解説できないのだったら、自分も素人に等しい。
以外に勘違いしやすいのは、その用語がふつうならば単純な言葉のあつまりで構成されていた場合ではないだろうか。
たとえば、医療用語にはこんな言葉があるらしい。

・縫合不全
・完全看護
・標準治療

この三つの用語から連想する状況としては、
・外傷を負ったその傷口、もしくは手術の際の切り口を縫い合わせたが縫い方が悪く糸がはずれてしまった(縫合不全)
・看護士の人手が足りないので、患者の家族がつきっきりで一日じゅう側にいなければならない状態(完全看護)
・ある症状に対し通常有効とされる対処療法(標準治療)

さて、意味はあっているのでしょうか。
縫合不全というのは、子どもの頃遊具ですべって唇の裏を切ってしまい、縫い合わせたことがあります。いまでも傷跡は残っているのですが、太い糸が唇にくっついているのは気持ちわるくて、当時は鏡をみるのも嫌でした。
完全看護というのは、苦い思い出がありますね。危篤の患者がいて夜勤の看護婦がいるはずなのに、なかなかやってきてくれなかった。一時間も眼が離せない状態の家族をかかえたら、精神がすり切れてしまいます。

標準治療というのは、現在の科学的見地から最良とされる治療法をえらぶことのようです。
たいがいの患者は素人ですから、医療を自分でえらぶことはできず、医者任せにしてしまいます。けれど、あのとき、あの治療ははたして正しかったのか。そう疑念をいだかざるをえない。この疑惑は、十年経っても消えないものです。




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