陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

ドラマ「トルネード 地球崩壊のサイン」

2009-08-02 | テレビドラマ・アニメ
つい先日も、山口や福岡を襲った集中豪雨で多くの被害があり、自治体の対策の遅れが指摘されました。
日曜洋画劇場で放映されたこのドラマ「トルネード」(2006年作)は、そんな状況に警告を発しているかのよう。

地上初放映にあわせて「地球崩壊のサイン」というサブタイを付けているのですが、起こっているのはアメリカの一都市でのこと。ただ余所事だから、フィクションだからと言ってもいられないのは、近ごろのおかしな異常気象のため。
ちなみに、ほんらい180分ほどの尺ですが、二時間の放映枠に合わせてかなり削っているものと思われます。もともとTVシリーズだったようですね。

猛暑が襲う故郷の大都市に、数年ぶりに帰郷した気象学者のヤン。
保険会社に再就職した彼は、異常に発達する積乱雲がやがておぞましいトルネードを引き起こすだろうと予測。都市の消防署や市長などに防災対策を迫るが、財政難でしぶられる。おまけに出奔したきり、折り合いの悪い父の気象学者とも対立。

立ち向かう敵が巨大生物だとかマフィアだとかならば、機転を利かして倒せばいいのですが、自然災害ともなるとそうはいきません。ひたすら、耐え忍んで生きのびるしかない。そこらあたりのアクションの隙き間を埋めるかたちで、人間関係のささやかな嵐が仕組まれています。
昔の恋人エファと親友で父の方腕ブルーノとの三角関係。また盲目のヤンの姉と、再婚相手のテレビディレクターとのいざこざ、などなど。
けっきょく、トルネードが去るにつれて、彼らの関係も良好に向かうわけですが、パニックになった人がおしのけ生き残るというような内容でないのは救いだったかも。

生真面目なドイツ作品らしく、ハリウッド映画じこみの派手なアクションやロマンスは控えめ。
いざというときの用心に超したことはないが、惨事に人の命を左右するのは日ごろからのつながりだ、と訴えているような気がします。
監督は、アンドレアス・リンケ。

そういえば、すこしまえに日本でも竜巻が起こったと噂されていましたよね。
元凶は、地上から発せられる熱気。高速道路の通行量が増えて排気ガスの放射量が爆発的に大きくなっているのは、まちがいないですよね。温暖化防止条約もあるってのに、民主党は選挙公約に高速道路無料化なんてバカなことを含めるのはやめていただきたいものです。


(〇九年八月二日)


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