陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「気狂いピエロ」

2011-10-29 | 映画──社会派・青春・恋愛
ジャン・リュック・ゴダールという名こそ知ってはいたけれど、その作風は知らない。そこで手にしてみたのが、彼の最高傑作のひとつとされる、1965年の映画「気狂いピエロ」
しかし、映画初級者の私にはどこをどう読んでいいのか、わかりかねました。ラストは衝撃的でしたけど。こういうものの醍醐味が分かるのはやはり上級者になってからなんでしょうかね。

金持ちの妻と暮らす生活に飽き飽きしていたフェルディナンは、顔見知りの女性マリアンヌと再会。ひょんななりゆきから、彼女と行動を共にして、都会から抜けだす。
車をなんども乗り換え、道行くひとから金を巻き上げながらの逃亡生活。マリアンヌは南仏で危ない渡世をしているという兄に会いたがっていたが、旅の途中でそんなことはおくびにも出さなくなった。
あるときは自給自足の生活をして、またあるときは道化に扮して観客から金をせびる。だが、やがてマリアンヌが人を殺して逃げ、フェルディナンは五人の強盗団に行方を尋問されてしまう。

とにかく、物語が脈絡もなくすすみ、最後は男が女に裏切られてしまう。そして、フェルディナンがとった行動は、凄絶なものでした。

ところどころ、詩的で印象深い台詞や演出は見られるのですが、とにかく不条理のひと言に尽きます。
マリアンヌが中国人(ベトナム人?)のコスプレをして物まねしているような滑稽なシーンもあれば、暴力あり流血ありの残酷な場面も。
作り手の趣味をごたごたとコラージュさせてつくったような作品ですね。
ヌーヴェル・ヴァーグってこんなもんなのでしょうか?

主演は「勝手にしやがれ」「レ・ミゼラブル」のフランス映画最大のスター、ジャン=ポール・ベルモンド。
原作はアメリカの小説家ライオネル・ホワイトの『十一時の悪魔』

気狂いピエロ(1965) - goo 映画


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