陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

良書とは読み終わってすぐに再読したくなる本

2021-11-27 | 読書論・出版・本と雑誌の感想

レヴューが苦手なために拙ブログ上ではあまり書評をしていませんが、十年ほど前から読んだ本の記録を残しておくために読書サイトみたいなものは活用しています。ただし、すべての本を登録してはいませんけども。

数年経ったら読み返したいな、あとで買いたいな、という本を見つけやすくすべく、こうした読書サイトでは星の数で選別しています。
星5つならば文句なく我が家にすぐにお迎え本。星4つならばしばらく興味を寝かせておいてもいい。あまりネタバレにならないように、覚え書き程度のあらすじと簡潔な感想を残すようにしています。買った本で星2つかそれ以下になる本は残念ながら、もうさようなら本です。ただ、うっかり星3つぐらいにしておいて、忘れたころに読み返してああしまった!と思うこともありますけども。自分の記憶って当てになりませんね。

今回はアフター読書のお話です。
この本はいい、実にいい!と思ったときに、皆さんはどんな行動をとりますか? おそらく、すぐにイチから読み返したくなるのではないでしょうか。私はいい小説や漫画を読んだときはかならずそうなります。何がいいかは人それぞれの感覚なのですけど。

ストーリーのあるものを再読したくなるというのは、考察したくなるときですよね。
見落としていた部分が実はものすごい伏線だったり、なにげないキャラクターの台詞に著者の思想がこめられていたり。複数の本を買いこんだり、借りてきたりして、すぐに消化しないといけないにもかかわらず、その一冊の虜にされてしまうのです。たった一冊のために人生の一部を預けておきたくなる。そういうことってありませんか?

文章をあとで引用したいがために手帳に書き留めたり、感動のあまり筆のほとばしるままにレヴューをしたためたりしたくもなる。私はひねくれ読者なので滅多と作家を褒めない人間ですけれど、すぐれた作品の創造者については、やはり名前を出して賛辞を送りたくなります。

この物語を読み終えるのがすごく惜しい! 作者の言葉に浸っていたい! 胸に抱きとめて離したくはない。そんな良書は別れがたい恋人のようなもの。この感覚を大事にしていけば、手元においておきたい本が厳選できます。

(2021.08.23)


読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。



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