
私は現存の作家さんの本はたいがい書店で買い求めますが、物故者の場合はブックオフなどのセール時にまとめ買いすることがあります。ブックオフはたいがい定期的にクーポンが配布されるので、この機会にと、一挙に20冊ぐらい買ってしまう漫画や小説があるのですね。そもそも、お買い得だからと飛びついてしまって、後でなんとなく後悔してしまい、売り払ってしまうこともあります。
私はたいがい小説の場合はファーストコンタクトが図書館。
二、三冊読んでみて、手元に欲しいなと思ったら作家買いしたくなります。あとは、子どもの頃にハマっていた作家で、今は手放してしまっただとか。著名な作家でも、全集が出ているぐらいの作家でない限りは全作品読めるわけでもなく。あるいは、文庫本みたいな小さいサイズがよいから、取り寄せたい場合。
ある時期、私は新田次郎の小説にハマっていました。
ファーストコンタクトは映画の「剣岳・点の記」でその原作小説の文庫版を図書館で借りてからです。近場の図書館には新田次郎作品があまり収蔵されていなかったのです。もちろん書店には新刊の文庫本が並べられていますし、なるべく新潮文庫など背表紙が同じ色で本棚に並べた方が統一感が出ますが…。
たまたま同時期にブックオフのセールでオトナ買いできそうだったので十数冊ぐらいをまとめて購入。最初は楽しく読んでいたのですが…。
新田次郎は山岳小説の第一人者。
当然ですが登山のシーンばかりが多い。最初は険しい大自然に挑む人間の勇気などに惹かれたのですが、読み進めるうちに、実在の人物や出来事をモデルにした悲惨な遭難事故を扱った者も多くて、陰うつな気分になってきたんですね。そもそも、私はそんなにアウトドア趣味じゃないので、登山家の話が好きかと言えばそうでもなかった。
けっきょく十数冊以上コレクションしたにもかかわらず、五作ぐらいまでしか読めずに、積読状態になったまま、二年ぐらいして売却してしまいました。
作家のネームバリューで期待して買い集めたのに売らざるを得なかったもの。
漫画で言えば手塚治虫もそうです。『火の鳥』や『アドルフに告ぐ』などのヒューマニズム溢れた作品は好きなんですが、いわゆる黒手塚と呼ばれるものすごくダークファンタジーな作風のもの(『MV(ムウ)』とか)はほんとうに気味が悪くて一読しただけで手放しました。手塚治虫はストーリーは好きだけれども、絵柄がそもそもあまり好きではないのが原因かもしれません。出てくる女性のタイプがわりとワンパターンといいますか。
以前でしたら、苦手な作風でもせっかく買ったのだからと読み通してみて。
ブログのネタ稼ぎにでもレビューにしてみたのですが。いまはそこまでやる気力がなくて、熱が冷めてしまったら、手放してしまうことが多くなっています。本の買い物依存症かつ断捨離依存症になっているのかも…。
大量買いした本を冷めやすいのは、大概、ストレス発散で数合わせに買っているからなのですが。本の置き場所に困って、移動したり、処分したりの手間に労力を奪われてしんどくなってしまうからなのですね。
(2024.06.22)