陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

真夏のえせ花

2023-08-02 | 自然・暮らし・天候・行事
花火のイベントがあったり、商店街での縁日が催されたり、そろそろ祭りの仕度なのか、踊り太鼓やお囃子の練習風景が見られたり。夏の気配をひしひし感じるきょうこの頃。

イベントがあると、街場の公園や歩道ぎわの除草作業がはじまります。観光客をお迎えするための美化対策なのでしょう。

朝から電波時計の気温のメモリが30度を記録していてももはや驚かなくなった昨今。今年もどうやらかなりの猛暑ですね。予測では冷夏だと言われていたような気がするけれど、さて。

蒸し暑いので眠れない夜の予防のために、日中、軽い運動をするのがよい。
そんな熱中症予防キャンペーンの浸透のおかげなのか、夕方、陽の落ちる頃合いに公園を歩いている方がたをよく見かけます。数日に一回ていど、私もそのひとりだったりしますが。

真夏にトマトやキュウリのような、色鮮やかにして、みずみずしい野菜を食べたくなりますよね。あれは実にからだにいい。からだは自然と自分によいものを摂ろうとしているわけです。ヘンに頭で考えるよりも、からだの機能ってすばらしい。

うちはお墓が二件あります。
微妙に距離が離れていますので、車で半時間ほど。この時期は、二日に一度は最低でも出かけないと、供花が枯れています。墓石の水受け部分ってけっこうな水が溜まるはずなんですけど、それがカラッカラになっていたりする。たまにペットボトルで自作した自動給水装置を挿しこんであるのを見かけます。私もあれを提案したいのですが、家族に見映えが悪いと却下されました。

お墓の一つは、代々からの菩提寺の墓地にあります。
そちらのほうは墓地に花びらが広がると迷惑やらなんとやらで、しきび+造花のセットをよく見かけます。かくいう、我が家もそうです。たまに庭先に咲いてる自家製の花も挿しますが、枯渇を心配しなくていいので助かります。若手の墓守りになるほど、造花率が高いのは、昔ほど墓参りにかける時間が少なくなったためでしょう。ご年輩の方にはご不興を買ったりします。

古い墓標には、明治、大正、昭和、そしてそれ以前のご先祖の名前が記されています。この人たちが生きていた時代も、貧しかったり、生きづらかったり、理不尽なこともあったが、ささやかな幸せもあったのかな、といろいろ想像したりします。たまにライターで擦るのがめんどうで、備えるお線香をケチったりすると、おこられてしまうような気がしないでもありません。

つくりものの供花もいろいろありまして、ふつうは大振りな百合ですとか、すみれ草とかなのですが、まれにずいぶんおもしろい供花を見かけます。でかでかしい大輪のひまわりですとか、夏のなのにもみじですとか、青やピンクの派手派手しい朝顔ですとか。

うーん、故人が好きな花というのならわかるが、どうも、そこの方の個人的な好みのような…。「夏の花」というときの感性が、たぶん小学生の夏休みの宿題ぐらいで止まっていると、そうなるのだろうとお察しします。昔の人は野に触れ、山に遊びしたので草も花も詳しいでしょうが。
しかも、百均の値札がついたまんまだったりします。実はこれ、うちのお隣のお墓なのですが、最近は、この花模様を眺めるのが楽しみになっちゃいました。

ちなみに、つくりもののあでやかで軽い造花は、カラスさんの格好の遊び道具。よく引き抜かれて転がっているのを見かけます。最近の墓場は、コミカルな劇場なのです。

(2014.7.24「夏の供花」を改稿)

※画像作成 Bing Image Creator



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