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ここに居るよ!

■雪の町で

2021-12-15 07:17:28 | 愚痴
本州の最北端に私は立っていた。
初めて見る日本海の濃い色の海、これまで見た事のない海の色だと思った。
自分はこの先どうなって行くのだろう。
此処に来た意味はあるのか?
自分に向かって来るような波に、吸い込まれそうで怖かった。
食事に出された海鮮の数々、食べ切れないほどの皿が並んでいた。
漁師町の匂いと人々の方言が優しかった。

寒い北国の冬は厳しかったけれど、家の中の暖房は充実していて暖かい。
招いてくれた家族は私をもてなそうとしてくれているのが分かった。
嬉しかった。
遠慮がちに出て来る私への言葉に、気遣いと少しの距離を感じながら、それでも受け入れてくれた気持ちが嬉しかった、

外に出ると雪が舞っていた。

家族の見送りを受けて車に乗り込む。
私は何処に向かっているのかわからなくなっていた。
この町にもう一度来ることはあるのか?
感傷的になってる私に言った。
「来て良かったね」

「うん、良かった」

二度と会えなくなるなんて思いもしなかった。
いつか、会えたら聞いてみたいことがある。
あの町に忘れ物をして来なかったかと。

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