視界良好。

<視界良好>
月がかすかに溶け高く昇ってゆくともうすぐ日の出。これは17日金曜日の朝。18日
が全国的に冬型の雨予報なのであえて17日快晴の夜明けを取り上げる。 オレンジ
からイエローへと変わってゆく空を眺めて朝の支度をする。
今日もいいことありますようにと心の中で念じながら。
<身勝手な空想>
処暑。あれほど暑かった夏も一段落するという。でも、日中は焦げる
ように暑い。ふと気が付くとあれほど賑やかだった蝉の声がほとんど
途絶え朝早くこおろぎがチロチロと鳴く。自然の暦は驚くほど正確だ。
そこへ行くと夏は暑いもの冬は寒いものという自然の摂理さえ未だに
理解しえない人間がここにいる。
<綿毛になって>
タンポポの綿毛はとてもポエミカル。
いろんなイメージが風に乗って旅をする。
そのままのカタチでも見飽きない
「ふわふわ」は明日はどこへ飛ぶのだろう。
タンポポの綿毛は未来だけでなく過去へも旅をする。
<ちらりちらり>
ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心(しづごころ)なく 花 の散るらむ
紀友則(33番) 『古今集』
桜は静かに降っている。大きな葉っぱの上や赤いチューリップの花の
つつみにも。
古今の日本人の好きな風景である。
平安の大昔から同じ姿をして繰り返し繰り返し
この散りゆくさまを見せてきたのだろう。
人は幾代にも渡って変わってきたけれど
桜の姿も心も変わらない。