まりぶろぐ

舞台や映画、本の感想などを綴ります。

『星ノ数ホド』

2014-12-31 14:18:49 | 舞台芸術
先日、兵庫県立芸術文化センターに
お芝居『星ノ数ホド』を観てきました。
浦井健治くんと鈴木杏ちゃんの二人芝居です。
話は・・・物理学者のマリアンと養蜂家の
ローランド。二人が出会ったのは
雨のバーベキュー場。そのとき、彼には妻がいた。
あるいは晴れた日のバーベキュー場で会い、
恋に落ちた。いつしか別れてしまった二人が
再会するとき、ローランドは別の誰かと婚約していた。
あるいは・・・。あの日、違う受け答えをしていたら、
あの日、二人の状況が全く逆だったら?
さまざまなパターンを繰り返しながら、物語は
進行し、やがて二人には運命の日が訪れる・・・。
ローランドの浦井健治くん。ナチュラルな演技で
良かったです。でも、マリアンの鈴木杏ちゃんの
演技がすごく上手くて。引き込まれました。
脳の病気に侵されて、うまく言葉が話せない
シーンがありるのですが、すごくリアルでした。
リリンと音がなると、違うシュチュエーションに
話が飛ぶという、不思議なお芝居でしたが、
おもしろかったです。最後はハッピーエンドで
良かったです。

音楽座『メトロに乗って』②

2014-12-30 17:53:23 | 舞台芸術
主人公の小沼真次に広田勇二さん。
演技が上手い人です。くたびれたサラリーマンの
役は合ってました。もう少し歌が上手いと
尚良いのになと思います。
真次の恋人、軽部みち子に
元宝塚宙組の美羽あさひさん。客演です。
歌も演技も素晴らしかったです。
透明感のある歌声は聞き惚れてしまいます。
真次の父・小沼佐吉の若き頃、アムールと
呼ばれていた頃の青年役に益山武明さん。
戦後の闇市からのし上がっていく役。
ギラギラした感じがよく出ていました。
アムールの恋人役に井田安寿さん。
上手い演技でなかなか良かったです。
真次は、父の子供の頃、戦争に駆り出される頃、
戦後の闇市で商売を興す頃、といろんな時代に
タイムスリップします。嫌っていた父の
本当の姿に触れ、自分も変わっていきます。
でも、恋人のみち子と血がつながっている
(異母兄妹)だということがわかり・・・
せつなかったです。みち子もタイムスリップ
するのですが、自分が愛されて生まれてきた子
であることを知る、そのときは感動しました。
2幕は途中から涙が止まらなかったです。
この作品は初めて観ましたが、また音楽座の
名作が一つ誕生したなと思いました。
音楽座はまだまだ知名度が低いですが、
普段、宝塚や劇団四季しか観ない人には
ぜひ観てほしい劇団です。

音楽座『メトロに乗って』①

2014-12-25 00:05:46 | 舞台芸術
先日、大阪、シアターBRAVA!にて、
音楽座ミュージカル『メトロに乗って』を
観てきました。これは、浅田次郎さんの
小説が原作となっています。お話は・・・。
小沼真次は地下鉄ストアにある小さな
衣料品会社の中年営業マン。スーツケースを
片手に、一年中地下鉄に乗って営業先を
まわっている。
真次の父は、戦後の闇市から裸一貫で
世界に冠たる企業を興した立志伝中の
傑物・小沼佐吉。本来ならば小沼
グループの後継者として生きるはずだった
真次だが、独裁的な父に反発し、
高校を卒業してすぐに家を飛び出した。
今は妻子と母の五人家族。生活は
決して楽ではない。真次の心は
深い闇の中を彷徨っていた。
ある夜、二十五年ぶりに出席した
同窓会で悪酔いした真次は、地下鉄の
ホームで元教師の野平老人と再会。
その日が自殺した兄・昭一の命日で
あることに否応なく向きあわされる。
薄暗く長い地下道を歩く真次の脳裏に
去来する、様々な記憶の断片。
兄弟三人で地下鉄開通の様子を
見に行った思い出は、否応なく
変わり果てた兄と対峙した霊安室の
光景へと変わっていく。苦しみに
追い立てられるように地下鉄の階段を
上がる真次。その時、真次の目に
飛び込んできたのは、昭和39年の兄が
死んだ日の風景だった・・・。

劇団四季『ジーザス・クライスト・スーパースター』

2014-12-22 19:26:58 | 舞台芸術
先日、妹と京都劇場で、劇団四季の『ジーザス・クライスト・
スーパースター』を観てきました。20代の頃からもう7回も観ている
大好きな作品です。今回はエルサレム版です。
話はイエス・キリスト(ジーザス)の最後の7日間をノン・ストップで
描いたものです。ジーザス役に神永東吾さん。初めて観ます。
ルックスはかっこよくて、神々しいジーザスにぴったりでした。
でも、歌が主役のわりにやや弱かったです。声量がないのかな。
盛り上がる「ゲッセマネの園」の歌い上げも、緊迫感が出なかったのは
残念でした。ジーザスを愛するがゆえに裏切るユダに芝清道さん。
もう何回もユダを演じておられます。私も観るの4回目くらいです。
歌も演技も上手い方で、さすがでした。ユダの苦悩が伝わってきました。
マグダリアのマリアは観月さらさん。この方も初めてでした。
可もなく不可もなく、と言った感じでしょうか。
歌も無難に上手かったし。もう少し母性が前面に出るといいかな。
ヘロデ王に、四季を退団された下村尊則さんが客演で出られてました。
嬉しかったです。やはり存在感がすごい。あの感じは、下村さんにしか
出せません。
話はやはり、圧巻で、休憩なしの1時間45分があっと言う間でした。