福田ますみ
新潮文庫
「イッキ読み」といいますが、掛け値なしのイッキ読みは、めったにないものです。
「今日はこれをイッキ読みしよう」と思って始めるものでもないし、
「うおー!イッキ読みしたい!」と思っても悲しき勤め人、欠勤する勇気もないし。
しかし本作、21時より読み始めて、「寝なくちゃ」…と思いつつも、
読み切らないで寝られるか! で、2時。
久しぶりの、ホンマもんイッキ読みでした。
平成15年。朝日新聞の西部本社版に載ったある記事は、3ヶ月後には週刊文春により『殺人教師云々…』なるセンセーショナルな見出しでもって一気に全国ニュースに押し上げられた。史上最悪の殺人教師とされたその人は、法廷の場に引きずり出されたのだが… 驚愕の裁判の展開とは?そして彼は本当に殺人教師だったのか?
うっすらと覚えている事件です。
詳しく知ろうとはしなかったけれど、ワーッと騒がれていたなぁ、という程度の意識はあったので、それに対して「でっちあげ」なるタイトルを冠している、その自信のほどを読んでみようかと、軽いノリで手にしたのだけど…
文中、学校と保護者たちの話し合いの中で一人の母親が言った言葉、
「すみません、今までのお話を聞いていて、具合が悪くなってもどしそうな感じです」
…これが、まんま、その箇所まで読んできたヨンデの感想とドンピシャいっしょ。
具合が悪くなりそうなほどの、恐ろしさ。
もどしそうなほどの、気持ちの悪さ。
10年以上も時間がたって、読者という傍観の立場で読んでいてもそう思える。
その場にいた中井君(仮名)のお母さんの、いたたまれなさはいかほどであったか…
そこからは、もうページを繰る手が止まらない。
救いは、あるようなないような。
どちらかといえば、ありません。
学校という閉じられた社会の特殊性と、
マスコミというエセ正義とが化学反応がもたらした、
「でっちあげ」という毒の垂れ流しを、
当時、無責任な読者として聞きかじったアタシこそは、読まねばならない、、、
読むことで、読み切ることで、「でっちあげ」の信憑を見極めなければならない、、、
読むならば文庫版で!
裁判のその後という追記があるのも、文庫ならでは。
各報道が訂正も、謝罪もしなかったこの事件によって着せられた『殺人教師』の汚名は、一人でも多くの人が本書を読む以外に濯がれることはないでしょう…

「イッキ読み」といいますが、掛け値なしのイッキ読みは、めったにないものです。
「今日はこれをイッキ読みしよう」と思って始めるものでもないし、
「うおー!イッキ読みしたい!」と思っても悲しき勤め人、欠勤する勇気もないし。
しかし本作、21時より読み始めて、「寝なくちゃ」…と思いつつも、
読み切らないで寝られるか! で、2時。
久しぶりの、ホンマもんイッキ読みでした。
平成15年。朝日新聞の西部本社版に載ったある記事は、3ヶ月後には週刊文春により『殺人教師云々…』なるセンセーショナルな見出しでもって一気に全国ニュースに押し上げられた。史上最悪の殺人教師とされたその人は、法廷の場に引きずり出されたのだが… 驚愕の裁判の展開とは?そして彼は本当に殺人教師だったのか?
うっすらと覚えている事件です。
詳しく知ろうとはしなかったけれど、ワーッと騒がれていたなぁ、という程度の意識はあったので、それに対して「でっちあげ」なるタイトルを冠している、その自信のほどを読んでみようかと、軽いノリで手にしたのだけど…
文中、学校と保護者たちの話し合いの中で一人の母親が言った言葉、
「すみません、今までのお話を聞いていて、具合が悪くなってもどしそうな感じです」
…これが、まんま、その箇所まで読んできたヨンデの感想とドンピシャいっしょ。
具合が悪くなりそうなほどの、恐ろしさ。
もどしそうなほどの、気持ちの悪さ。
10年以上も時間がたって、読者という傍観の立場で読んでいてもそう思える。
その場にいた中井君(仮名)のお母さんの、いたたまれなさはいかほどであったか…
そこからは、もうページを繰る手が止まらない。
救いは、あるようなないような。
どちらかといえば、ありません。
学校という閉じられた社会の特殊性と、
マスコミというエセ正義とが化学反応がもたらした、
「でっちあげ」という毒の垂れ流しを、
当時、無責任な読者として聞きかじったアタシこそは、読まねばならない、、、
読むことで、読み切ることで、「でっちあげ」の信憑を見極めなければならない、、、
読むならば文庫版で!
裁判のその後という追記があるのも、文庫ならでは。
各報道が訂正も、謝罪もしなかったこの事件によって着せられた『殺人教師』の汚名は、一人でも多くの人が本書を読む以外に濯がれることはないでしょう…
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