ヨンデリーヌ・ヨンデルホンのビミョーなる書棚群

加齢なる 読道生活半世紀。 歯磨き、活字は、生活習慣。 

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分水嶺

2017年10月21日 | 山棚
笹本稜平  祥伝社文庫

オビ広告「至福の読書体験を約束する笹本作品の新しい代表作!」

うーん。

名作「還るべき場所」のワクワクよアゲインとばかりに、笹本作品 山岳部を一応追いかけるものの、やはりまだ「還るべき場所」が最高峰か。

商業カメラマンだった風間が、亡き父の遺志を継ぐべく足を踏み入れた山岳写真の世界。オオカミの存在有無をからめて、ものがたりは過去の殺人事件の真相も呼び起こしていく…

山岳要素にミステ要素。
笹本稜平の真骨頂ではあるけれど、なにからなにまで、会話でもって話を進める…ってのはいただけぬ。
とにかく喋る。
喋る喋る喋る、まー、喋ること。
山男たちなのに。
どいつもこいつも古舘伊知郎並みの饒舌っぷりです。
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その峰の彼方

2016年12月14日 | 山棚
笹本稜平  文春文庫

今年も急に寒くなりました。
と、思ったら、汗かくくらいの陽気になってみたり。
の、次の日にドーンと冷えたり。
というわけで、「15度いく?」「10度切る?」…せいぜいがとこ6度以内みたいなところで、やれ寒いの寒くないのとキャーキャー言ってる今日この頃。。。

舞台は冬のマッキンリー(デナリ)。
マイナス20度前後なら行動可、最低気温はマイナス60~70度にもなることもあるというその山に、ツダ・サトルは冬期単独登攀を挑んで、そして消息を絶った。美しい妻の胎内には第一子の命があり、新しい壮大な事業にも着手したというこの時期に、なぜサトルは登ったのか?
地元ガイドたちの捜索隊に、サトルの親友・吉沢も日本から合流して、サトル捜索が始まる。サトルの生存を微塵も疑わなかった彼らの希望も吹き消すほど壮絶なマッキンリーの冬は、はたして彼らの手にサトルを返すのか…


笹本稜平の山岳モノときたら、もう微塵も疑わずに飛びつくわけですが、いやー、今回は少々読み疲れ…
だって、
名付けて、
シュプレヒコール小説。
希望と絶望のミルフィーユ状態に、味付けは称賛合戦、みたいな。
いくら感動的な場面でも、こう何度も何度も何度も何度もエイエイオーとやられてしまうと…
まあ、実際にはほぼ英語であるハズのシーンばかりなので、まんま英語での会話だったら違和感のないテンションなのかしら?


同じプロットを、新田次郎がノンフィクション風に書いたらどうだったろうか?などと想像しながら読んでしまうのでした。

また、サトルと親交深いインディアンの長老が発する言葉については付箋だらけとなっており、それに関して別途まとめて読みたいものよ、と思ってしまうのでありました。
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日帰り登山のススメ あした、山へ行こう!

2016年10月01日 | 山棚
鈴木みき  講談社文庫

「縁」とか「出会い」とか、信じるタイプ。
だって、ほーら、気持ちも、身体も、「山へ!」動き出したとたんに、こういう本に出合うのだものね。

付録・特別対談より、あばれる君談「…山登りって、ものものしい感じがするじゃないですか。「ザック」やら「ガケ(崖)」やら、言葉も濁点が多いし。でもこの本は本当に楽しい雰囲気で…」

読んでる間中、
「ねえねえ、また登りに行こうよー」
「いつ行ってもいいんだよー」
「あした。ね、あした、行こっかー」
…お山の天使たちが頭の周りをぐるぐる回っておりました。

ひゃくめいざん、とか、じゅうそう、とか、
そういう濁点ではない、
ただひたすらシンプルに、
そう、アドレナリンよりセロトニン、
そんな登山…
もとい、「やまのぼり」について、
耳元で囁き励まし続けてくれるかのような、かけがえのない『漫画』となりました。
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だからこそ、自分にフェアでなければならない

2016年07月17日 | 山棚
- プロ登山家・竹内洋岳のルール -

小林紀晴  幻冬舎文庫

…話を聞きながら、山もまた物語を求めているのではないだろうかと思うようになった。正確には人が山に物語を投影しているのだと…(本文より)

世界中の標高8000メートル以上14座すべてを登頂した登山家・竹内洋岳。
竹内はなぜ世界の最高峰を制することができたのか?
竹内と共に八ヶ岳を登るカメラマン・小林紀晴がとらえたプロの登山家像とは…


竹内氏本人の在りようが、まんま禅僧なんである。

それは山行きの中で語られる竹内の「言葉の数々」から感じ取れるだけではない。
小林のカメラが写し出す竹内像は、
静かに、しかし言葉以上に、禅の佇まいを醸し出す。
「言葉にしていないこと」すらも、カメラマンの感性が汲み取って読者に提示している。





あー。
アタシはまた山に行けるのかな。

山「歩き」、だけど。

その「程度」もできなくなってもう6年?7年?8年?
思い出せない時点で既に終わっているような…

グダグダ言ってる間に、読んでる間に、行っちまえっつうハナシなんだが。
この重い腰を後押しするための、まずは充填一冊目。
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